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カメハメ波〜ネーションズカップパブリックビューイング 前編

昨日は三島で行われた自転車トラック競技 
2024ネーションズカップ第二戦のパブリックビューイング
の司会でした。

盛り上がりましたっ!
楽しかった!!

そのままの勢いで書きたかったのですが
帰宅が遅く、ほぼそのままバタンQ。

今日もおかげさまで仕事があったので
1日遅れでの更新です。

今回はちょっと真面目に、今大会とパブリックビューイングで感じたことを
前後編に分けて(!)書いてみようと思います。

写真は今回男子短距離に出場した競輪選手たちの等身大?のパネルです。

右側の山﨑選手のトレードマークのアフロヘア。
いまはさらに育っていて、このパネルはちょっと控えめ?


自転車トラック競技にはたくさんの種目があります。
陸上をイメージしてもらえると分かりやすいかな。
大きくは短距離と中距離に分かれていて、
その中でもまたいくつかの種目があります。

世界選手権ともなると男女各11種目ですが、
五輪では男女各6種目になっています。


短距離は
三人で走るチームスプリント、
個人種目のスプリントとケイリン。
ケイリンは柔道のように日本発祥で
海外でもそのまま「ケイリン」という種目名になっています。
大体「けりぃ」のような発音ですが。


中距離は
四人で走るチームパシュート、
二人で走るマディソン、
個人で四種目を走るオムニアム。


世界選手権10連覇の偉業を成し遂げた中野浩一さんを輩出し、
ケイリン発祥国でもある日本としては
なんとか日の丸を掲げいたい!という切実な願いがありました。

東京五輪開催に向けて強化を図り、
ここ数年「日本、強くなったよね!」と海外チームから
一目を置かれるようになりました。

関係者の皆さんのご尽力、コーチ陣・スタッフの力、サポーターの支え、
選手たちの奮闘、そうしたものが実を結び始めたのです。

それでも東京五輪のときには
自国開催でありながら出場できない種目もありましたが
今回はほとんどの種目で出場枠がとれそうです。


パリ五輪でのメダルへの期待も高まる中で行われた
今回のネーションズカップ第二戦。

参加していなかった世界チャンピオンやメダリストもいましたが、
オリンピックシーズンのハイレベルな大会で
日本は五輪種目男女合わせ12種目中
金4、銀2、銅3

という素晴らしい成績を残しました。


もちろんメダルがすべてではありません。
メダルがとれなくても
そこまでの血の滲むような努力、
それぞれに背負ったもの、想い、
はかりしれない価値がすべての選手にあります。

ただ、メダルという形になることで
注目が集まり、それが相乗効果となることも事実です。

私が自転車トラック競技の仕事を担当するようになって
かれこれ15年以上たちますが
海外メディアから日本は弱いのにわざわざ中継するんだね、
というようなことを言われた時代もあったのです。

今回金メダルの快挙を成し遂げた女子マディソン、
数年前は「完走できてよかったね」というレベルでした。
それが、堂々の金メダル。
表彰台で笑顔を見せる内野艶和選手と垣田真穂選手の笑顔をみながら
おばさんは泣きました。


そうした中、東京五輪後にナショナルチーム入りした太田海也選手が
ケイリンとスプリント二種目で金メダルを獲りました。

ケイリンでは、こうした世界大会でなかなか結果がでなかったものの
今回は完璧なレースで勝ち上がりからすべて1着で完全優勝。

そしてスプリントは第一戦に続き
現在世界のトップツーの一人と称される選手との激闘を制しての金メダルでした。

苦しいレースだったと思います。
レースパターンで行くと
「あ、もうだめだ」と見ている方が思ってしまうような展開で
それでもあきらめずに踏み続け、
まさに限界突破の優勝でした。

解説として来ていただいた元ナショナルチームメンバーで
競輪のトップ選手の深谷知広選手が
エピソードを教えてくれました。

「日本チームは間違いなく世界で一番苦しい練習をしている。その自分を信じろ」
とコーチがレース前に話してくれるそうです。
太田選手の強さのベースには全身全霊でやってきた自負があるのだろうと。

この話がとても心に響きました。

同じ練習をしていてもメダルに届かない選手もいる。
もしかしたら海外の選手だって同じような自負を持って戦っているかもしれない。
そうした中でも勝敗が分かれてしまう。

でも大事なのは結果以上に、自分に自信を持って、
「ここまで全力でやりきった!」と確信をもって望めるかどうか。

それは誰よりも自分が知っていることで
自分はごまかせないから。

心身酷使し続ける太田選手とは月とすっぽんほど差のある話ですが、
少し前、自分の仕事に納得できず地味に落ちんでいました。

このエピソードを聞いてパイロットランプが点滅しました。

私、まだやれることあったよな。。。って。

アナウンサーの仕事って実はすっごく地味です。
たとえば、わずか数秒のひとつのフレーズを使うために
その確証を得るために1時間かけて調べたりすることもあります。

よく競輪選手が「練習が仕事でレースは集金」と言いますが、
アナウンサーも準備こそが仕事なのだと思っています。

時には時間がなくて準備が不十分になってしまうこともある。
あるいは「やった」と感じても、本当はまだまだとりこぼしていたり。

それが本番でなんらかの形で出てしまったときほど悔しいことはない。

やりきってそれでもうまく行かないときは
自分をなぐさめればいいけれど、
そうではなかったことを自分が知っている。

もうすぐ還暦だってのに何をいまさら、ですが
還暦でも尚伸びしろ、と前向きに考えます。

やりきれたのかどうか、自分自信をごまかすことはできない。
自分に納得できることを目指す。

仕事も、そのほかのことも。

太田選手がレース後にみせたカメハメ波のパフォーマンス。
いろいろな意味でどすんと入ってきました。

太田選手のカメハメ波の理由はコチラ
https://twitter.com/kaiya_67/status/1769454386781286406

私もカメハメ波修行しよっと。

鳥山明さんは作品を通してたっくさんの人に
カメハメ波を伝授し、勇気を与えたのですね。
ご冥福をお祈りいたします。


パブリックビューイング後編へつづく。


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