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ゴルロア冒険者に50の質問(ナイト)

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ゴルロア冒険者に50の質問

■Q1.お名前をお願いします。宜しければこの世界での番号(ID)も。

ナイトホープ・シルーサー。IDは74770だ。

■Q2.性別・種族を教えて下さい。

人間の男性である。

■Q3.年齢・誕生日・血液型を教えて下さい。

28歳、3月3日生まれ。血液型はAB型だ。

■Q4.出身地はどちらですか。

都会。という表記になっているな、書類の上では。

ではそもそも、都会と言うのはどこからで、田舎と言うのはどこからなんだ?

それが明確になっていない限り、この表記では
対象の出身がどういったところかという
漠然としたイメージしかできないのではないだろうか。

辺鄙な田舎や大都会の人間ならともかく、
田舎と都会の境界に住んでいるような人間も多数いるだろう。

そういった者達に、出身地は田舎か都会かという選択肢を突きつければ
それは主観的な判断……これには憧れや、こう見えたいという
自己顕示欲まで作用してくるだろう。

そういった物をひっくるめた上で――……
(話が終わりそうにないので以下省略)

■Q5.冒険者になったきっかけは?

実体験が圧倒的に不足していると感じてな。

冒険者というものになって、様々な体験をすることは
結果として私の研究をより有意義なものにするだろう。

■Q6.家族構成を教えて下さい。家族がいる人は、家族も冒険者ですか?

父は研究者。母は国際的なチェリストだ。
どちらもほとんど家には居ない。

■Q7.身長・体重を教えて下さい。

身長は170cm。
体重は55kg。
理想的な肉体を考えるなら、もう少し筋肉をつけるべきだな。

■Q8.貴方の外見を詳しく教えて下さい。

ラファエルブルーの目と髪に、エッヂホワイトのローブを纏っている。

眼鏡は軽くて柔軟性の高いフレームの物を愛用している。
フレームの色はオスロブルー。レンズに色は入っていないな。

■Q9.冒険者になって何年目になりますか?

2年目だ。正確には旅立ちから1年と4ヶ月が経過したところだな。
そもそも何年目かという問いは実に曖昧なのではないだろうか?

■Q10.冒険者になる前の職業は?

学者だ。もちろん、私は今でも研究者……いや、探求者と言ってもいいな。
常にこの世に隠された真実を探し続ける永遠の探求者……それが私だ。

■Q11.過去を語って下さい。

ほう? 私の過去の栄光を知りたいと言うのか。
長くなるぞ……?
(以下延々と幼い頃からの受賞歴が言い連ねられる。ここでは省略)

■Q12.得意な戦い方を教えて下さい。(魔法・近接・遠距離など)

魔法に決まっているだろう。
それとも、この私が、野蛮人よろしく刃物を振り回すような人間に見えるのか?

■Q13.愛用の武器防具を教えて下さい。銘があればそれも。

以前は氷属性の杖を持っていたが、現在は火属の杖を使っている。
氷にも慣れたからな。今度は火を扱ってみようと考えているのだ。
相反する属性を双方扱えるようになれば、
それぞれの違いや共通点も体感として分かるだろう。
私は今、知識としての火ではなく、
実際に触れて感じる火というものを求めているのだ。
それは即ち、属性という枠に括られた火というものの本質に
触れる事でもあり、ひいてはこの世界の根本を支える――……
(ナイトがヒートアップしてきたので以下省略)

■Q14.趣味はなんですか。

趣味か……。私の研究は趣味などという
通俗的な考え方でまとめてもらっては困るのでな。
読書とでも答えておこうか?
いや、読書も私の場合は大事な探求の一環であるし……。
それでは、ここは音楽鑑賞とでも答えておけば、差し障りないだろうか。
そうだな。実に趣味などという曖昧な言葉にピッタリの曖昧な答えだ。
質問と答えのバランスという意味では極めて良い。(なにやら一人で満足気)

■Q15.特技はありますか。

特技……得意とする特別の技能か。
技能と言えば、技術的な能力。即ち、物事を取り扱ったり
処理したりする際の方法や手段。また、それを行う技を指すわけだな。
となれば、私の場合、こういった分析を素早く確実行える事が
1つの特別の技能……つまり、特技と呼べるのではないだろうか?

■Q16.イメージソング的なものはありますか?

私の体に流れる音楽が、即ち私を表す音楽と言って良いだろう。
この血管1本1本に流れる血液や、その血液の中を流れる血小板、
それらを送り出すポンプであるところの心臓が刻むリズム。
それに酸素を取り込むための呼吸が肺胞の1つ1つを膨らませ、
毛細血管との間でガス交換という名のアンサンブルを奏で、
血液の中では――……
(延々と語りそうなので以下省略)

■Q17.どんな声をしていますか?

これはどういった質問なのだ?
声というものは発声した本人の聞こえる音と、他人が聞く音では差異がある。
口から出た音は、まず1つのルートとして空中を伝搬し、両耳に到達するわけだが、
この空気が伝わった音が、気導音。つまり、この問いで答えるべきである
他人が耳にした場合の私の声だろう。
しかし、私が発声した場合には、気導音と同時に
発声時の声帯の振動が頭蓋骨を通じて直接的に私の耳に伝わるわけで
まあ、これを骨導音と言うわけだが、つまり私の声を私が正確に判断できるはずも無く、
この問いは、質問の相手を間違えているとしか思えないわけだが?

■Q18.イメージカラーを教えて下さい。

ラファエルブルー。

■Q19.チャームポイントはどこですか。

私のカリスマ性は、図らずも多くの人々を魅了してしまうだろう。

■Q20.将来の夢は?

この世に隠された真実を、1つでも多く解き明かす事が私の使命だ。

■Q21.服装にこだわりはありますか?お洒落重視?実用性重視?

服装と言うのは、そもそも実用性を押さえた上で、
見た目にも美しくあるべきではないのか?
衣類を身につけている、人という生き物である以上、
我々は服装というものに対してこだわりを持ち続けるべきだと私は考えるが。

■Q22.つい言ってしまう、やってしまう癖はありますか。

そうだな、「即ち」という単語を頻繁に使ってしまうのは癖であるのだろう。

つまるところ、言い変える事が多いという事なのだが、
それは即ち、より分かりやすく説明しようという
私なりの配慮だと思っていただければ良いだろう。

そもそも、この語の語源は、いわゆる「時を表す名詞」の一種であり――……
(脱線しはじめたので以下省略)

■Q23.何か信仰を持っていますか。

私にとって信仰に値するほどに
崇拝……心から傾倒して、敬い尊ぶことが出来る対象と言えば
言うまでもなく、この世の事実や真理、本質といったものだろう。

本当の姿というものは、往々にして美しいものだ。

もちろん、学問というものを昇華させ、
現在の研究に至る形態に作り上げた先人達も敬ってはいるが
これについては信仰というものではないだろう。

私は、先人達の残した足跡を辿り、さらにその先の
まだ誰も辿り着いた事のない聖域に足を踏み入れる瞬間を
何よりも尊重しているのだ。

■Q24.コンプレックスはありますか。

コンプレックス……精神分析用語か。
情緒的に強く色づけされた表象の複合と定義され、
抑圧されながら無意識のうちに存在し、現実の行動に影響力をもつ物か。
この質問の場合はインフェリオリティーコンプレックス、即ち、劣等感という捉え方をするべきだろうか。

私が人より劣る点など、視力くらいしかないがな。

■Q25.好きな食べ物、嫌いな食べ物は?

食物というものは、バランスよく沢山の種類を摂取することによって
正しく効力を発揮できるものだ。好き嫌いをするのは間違っている。
とはいえ、嗜好と言うのはそれとはまた別の次元の話だろう。
私にだって好んで食べる物の1つや2つあるとも。
しかし、それを1つに絞るというのは非常に難しいな。

なぜなら、人の体というものは、
その時々に不足する栄養素を補おうとするため、
その都度食べたい物というのが変化してゆくからだ。

たとえ、一番好きな食べ物だとしても、そればかりを毎日食べていれば
いずれ違うものが食べたくなるだろう。

その点では、嫌いな食べ物のほうが回答はしやすいと言えるか。

私の場合は納豆などの臭いや癖が強く粘着いた食べ物を不得手としているが、
それは決して体質的に受け付けないというわけではなく、調理法によっては
難なく食す事もできるだろう。

それを『嫌いな食べ物』であると主張して良いものなのか、
その判断については、ご覧の皆さんに委ねる事としよう。

■Q26.座右の銘を教えて下さい。

常に自分の心にとめて、戒めや励ましとする格言か……。
やはりここは『温故知新』だろう。
「子曰く、故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし」と訓読され、
歴史・思想・古典など昔のことをよく調べ研究し、そこから新しい知識や見解を得ることを指す。

■Q27.好きな言葉は?

日々是研究。

■Q28.今欲しいものをいくつでも挙げて下さい。

いくつでも……? それでは物欲にまみれた回答者は大変な事になりそうだ。
私の場合は「この世の真理」これ1つだな。

■Q29.初めての冒険に行く前の心境を振り返って語って下さい。

それはもちろん緊張していたとも。

新たなる世界への旅立ちだからな。

未知との遭遇。それがいかに心震える出来事なのかは
私自身今までの研究の日々から重々承知していたし、
今までと全く違う環境に旅立つ以上、それが無いはずが無い。

となれば、シミュレートしてもしても終わらない可能性の数々に、
心が落ち着かなくなるのも当然というものだろう。

■Q30.受ける依頼の傾向は?(討伐・探索など)

討伐も探索も、どちらも受けるようにしている。
どちらかだけでは世界が狭まってしまうだろう。
私は、見識を高める為に冒険者になったのだ。

■Q31.その依頼傾向に満足してますか?

私の選んだ結果だからな。

■Q32.今までで一番危険だったことは何ですか。

あれは3度目の冒険だ。
付近の村に住む商人からのあやふやな情報だった。
そもそも、命を懸けて冒険に赴こうという冒険者に対して、
あやふやな情報を提出するというのはどういった料簡なのだろうな。

鉱脈捜索の依頼だったのだが、出てくるのは鉱脈どころか
狼男にインプの群れで、3人もの仲間が犠牲になったし、
私自身も、その前月に引き続き、大きな傷を負ったものだ。

ああいった事態は今後無いようにしていただきたいものだな。

■Q33.アイテム獲得運は強いほうですか。

アイテムの獲得を運だと片付けてしまうのは
交渉能力が無さ過ぎるのではないか?
私は、自分に必要だと思うものは手に入れるよう交渉に挑んでいるが。

■Q34.宝箱開錠に失敗した時の言い訳を教えて下さい。

私に失敗などありえない。
そもそも、失敗する可能性が高い者は
開錠に取り組むべきでないと考えているが。

■Q35.自慢話をして下さい。

自慢?自らを褒めてどうする。
そんな暇があるなら少しでも自分を磨く事だ。

■Q36.PTメンバーに異性がいた時の反応は?

主語が無いものの、今までの流れから察するに
私の反応ということなのだろう。
異性がいたからといってどうと言う事も無い。
そもそも、私にとって性別という物はあまり重要なものではないな。

本質を見るというのはそういう事だ。

■Q37.二つ名などあれば教えて下さい。

無いな。
あえてつけるとするならば「真理探求者」といったところか。

■Q38.いままで見つけた武器防具コレクションを教えて下さい。

私の手にあるアイテムと言う事ならば、
杖・質の悪い杖・質の悪いクロスボウ・標準的な杖だな。
クロスボウは、実践で使うつもりはないが、休日に家で扱ってみようと思っている。
何事も経験というやつだ。

■Q39.冒険中の食事はどんなものを食べていますか?

短い冒険なら食事は摂らない事も多いが
長期間の冒険の場合、手軽に素早く栄養を補給できるよう、
液体タイプかゼリー状の栄養補助食品を愛用している。

ああ、たまにいるな、のんきに弁当を広げだす奴が。
一体何を考えているのだろうな、奴らは。
冒険をピクニックか何かと勘違いしているのではないか?

■Q40.お酒は飲めますか?

当然だ。私をいくつだと思っている。
体質的な問題も無い。強いというほどではないが
ごく普通に楽しむ事が出来ると言ってよいだろう。

■Q41.報酬の使い道を教えて下さい。

もちろん、研究のための資金だ。

■Q42.冒険してない時はどんなことをしていますか?

立ち寄った町々の図書館を巡ったり、
高名な先生にお話を伺いに行ったりと
私は1分1秒も無駄にせず、死ぬまで真理の為に動くつもりだ。

■Q43.普段寝泊りしているのはどんなところですか。

自宅だな。

■Q44.寝相は良いですか?

この質問には何の意図があるというのだ?

私は、ベッドに入ったらそのまま目を覚ますまで微動だにしない人間だ。

■Q45.うさんくさい依頼に出発する前の心境・行動は?

そのような依頼は受けたことが無いな。
あやふやを通り越して胡散臭いなど、
そんな情報を依頼として提出する人間は何を考えているのか。
理解に苦しむな。

■Q46.信頼できる依頼に出発する前の心境・行動は?

できる事なら毎回、信頼できる依頼を受けたいものだが。
やはり、信頼できる情報で依頼が回ってくれば、
その分、我々冒険者も安心して冒険に取り組めるだろう。

もっと信頼できる情報の数を増やせるよう、
冒険依頼のシステムについては見直しを図るべきだな。

ちなみに、ここでの質問は心境・行動ということだが、
心境は安心しているとして、行動としては別段変わらないな。

■Q47.いつも依頼を寄越してくる酒場の親父に一言。

そもそも、酒場を経営しつつ依頼の仲介をするというやり方が時代錯誤なのだ。
これだけ冒険者達が増えた現在、生活上兼業をする必要性もないだろう。
冒険者仲間の交流の場としての酒場は不可欠だろうが、
それと依頼の仲介は切り離して考えた方が良いだろう。
依頼の仲介料だけで生活していけるであろう現在、
事務所なりを構えて、少しでも情報の精度を上げるべく、
また冒険者達の信頼を得るべく努力するべきだと私は考えているが。

■Q48.死に際に云いたい台詞

私が死ぬ時は、この世の真理が解き明かされた時だと信じている。

■Q49.引退時に云いたい台詞

ここはひとつ、冒険者も悪くは無かったと言って引き上げるとしようか。

■Q50.最後に一言お願いします。

まったく、こんなものをだらだらと答えて何をしようというのか。
無駄に時間を消費するだけの暇があるなら、もっと生産的な事に使うべきだな。

しかし、何事も経験だ。
こういったやり取りがあったことだけは忘れないでおこう。


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