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「全裸監督」はNetflixらしくないドラマだと思った

公開直後から話題のNetflixドラマ「全裸監督」。

私も毎日少しずつ観進めていて、残すところあと3話となりました。

ツイッターでフォローしているBRUTUS編集長の西田さんが「全裸監督」についてツイートしていたところから知り(BRUTUSでタイアップ企画を制作している)、面白そう!と思い観はじめました。

“80年代に実在したAV監督の話に基づいたフィクション”という前知識のみで観はじめましたが、最初の方は率直に面白かったです。

・3ヶ月でエロ本屋が40店舗以上増えるくだりから、エロに対する情熱が男女でこんなにも違うんだなというのを改めて感じて驚いた。

・無修正のエロ本が1万5000円で販売されるシーンから、普段修正してるから価値ある(やらしい)ものに感じるんだろうなと思った。全裸で街歩くのが普通になったら、裸姿もそれほど性的に思えなくなりそうだよね。チラリズムというか見えそうで見えないのがエロいんだろうなぁ、そう考えると修正するのってむしろ不健全ではと思った。

とかって、私のようにエロに関心の薄い人間にも思考を巡らせるきっかけを「全裸監督」はつくってくれました。

Netflixというプラットフォームにアップされてなかったら観なかっただろうから、男女問わず利用するNetflixに「全裸監督」がアップロードされたことはいいことだと思いました。これをきっかけに、もっと男女で性についてオープンに話すようになったら健全だなと思うので。

でも話が進むにつれて、手放しにはそう思えなくなりました。

・AV女優に本番を強要するのは観てて胸糞悪かった。「責任は全て俺が取るから」なんて言って社会的に抹殺されたのは女優だけで、強要した当の本人はそのことに大した負い目も感じておらず、違和感でしかなかった。

・(特に未亡人)AV撮影のシーンが”男性のファンタジー”制作でしかなくて、女性目線で見ると乱暴で痛そう。男性の欲望を満たすものとしか撮られてなくて(AVってそういうものだけど)、性交って女性もいて成り立つものなのに女性の気持ちは何処に…。

“女性をモノ扱いする人間”、“女性の気持ちを無視した、男性のファンタジー”を肯定するドラマはやっぱり頂けないです。

Netflixだったら、AV業界に蔓延してるこういうスタンスに異議を唱えるようなエロドラマを作ってほしい。Netflixに期待することってそういうことなんだけどな…。「anan」がSEX特集を作るようになった経緯とかをドラマ化してくれればいいのに。女性の性欲をオープンにすることこそ”人間まるだし”って感じがするけど。(読んだことないから的外れなこと書いてるかも)

そして一番気になるのが、ストーリの要である黒木香さんのこと。

黒木香さんのことを知らなかったので、“こんな強烈な人がいたんだ〜”と興味本位でググると、AV女優を引退したあとは消息を絶っているとのこと。しかも過去の作品の著作権を巡って裁判まで起こしており、本人としてはそっとしておいてほしい過去だろうに、こんな大々的に配信していいのかな?と疑問。

この記事にあるNetflixからの回答だと、本人に作品の制作について許可を取っているかいないかが曖昧なので、モヤモヤする…。

本人の許可が降りてないのであれば、今すぐ配信を中止するべきだし、そんなセカンドレイプのような作品観たくないです。シーズン2の制作も決定したみたいだけど、配信までに黒木さんの件ははっきりと公表してほしい。

Netflixのコンテンツを信頼してるからこそ、残念な気持ちになりたくない。





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