21g

義父が亡くなりました。
5年前から入退院を繰り返し、コロナ禍で全く会えないまま見送ることになってしまいました。

夫は男ばかりの兄弟なので、娘ができたととても可愛がってくれたお父さん。結婚してすぐ父を亡くした私にとっては第2のお父さんでした。入院生活が寂しいと嘆いていたので夫名義の携帯電話を持たせてあげたら、大喜びで毎日電話をくれました。朝の4時に。

今までに祖父母と父を見送ってきた私ですが、夫はこれまでの人生で、私の父の葬儀で初めて葬儀に参列したという葬儀初心者。その後、私の祖母の葬儀にも参列していますが、2度しか参列の経験がない状態でいきなり喪主を任されて文字通り右往左往。

義父母と一緒に住んでいる義弟と夫が連絡を取りつつ各種手配を進めたのですが、こういった宗教が絡む行事に全く関心のない家庭だったようで、まずどの宗教なのか分からない。幼い頃から当たり前のように浄土真宗に浸かっていた私にとっては信じがたい事態です。その後、お父さんの実家は真言宗だったことが判明しましたが、特にお世話になっているお寺がなく、すぐにお願いできるお寺が見つからなかったこともあり、浄土真宗のお寺にお願いすることに。(そういうのもアリなんですねえ。困ったときの浄土真宗)

真言宗の葬儀、めちゃくちゃ興味があったんですけど。
だって密教ですよ。シンバルみたいなの打ち鳴らすと聞いてしまったら、もうテンション上がっちゃうじゃないですか。

慣れ親しんだ真宗の正信偈。なのですが、馴染みのない義母や義弟はどこを読んでいるのかも分からない状態。しかも読経の途中で焼香の順番が回ってきてますます迷子に。何ページだよ、と指でサインを送り、なんとか凌ぎました。
私は私で今回お願いした導師様の、とてもクセの強い読経で笑いそうに。めちゃくちゃ苦しかった笑。

お父さんの兄弟も高齢で来れなかったこともあり、近い親族と家族だけで見送りました。愉快なお父さんでしたが、お父さんの妹さんたちもとても愉快な人たちばかりで、いいお式だったと思います。


人って亡くなると、ある瞬間に突然“物体”って感じになるんですよ。
あの変化は何なんでしょう。父のときも祖父母のときもそうでした。
ダンカン・マクドゥーガル医師が1907年に発表した『魂の重さは21g』説。映画にもなりましたよね。
魂の存在は科学的に証明されてはいないけれど、なんとなくその存在は「ある」ように感じています。


これから戸籍や銀行、年金、そして相続とやらなければいけない手続きが目白押しで夫は頭を抱えていますが、私も香典返しや弔電のお礼などまるっと引き受けたので頑張っていきます。


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