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『解剖学的にSMプレイを考える会』のはじまり

こんにちは。『解剖学的にSMプレイを考える会』共同主催の一人、ゆなです。

『解剖学的にSMプレイを考える会』は、2023年12月に立ち上がりました(当時のXポスト)。

2023年12月15日、『解剖学的にSMプレイを考える会』の最初の告知


開催回数も2回を数えた今、私たちがどのような思いで会を運営しているのかを改めて文章で残しておくため、本記事を書いています。


『解剖学的にSMプレイを考える会』ができるまで

『解剖学的にSMプレイを考える会』とは?

解剖学的にSMプレイを考えたい者たちの集いです。(公式Xアカウント)
『解剖学的にSMプレイを考える』ことを目的とした会を、池袋のYoridokoroにておよそ隔月で開催しています。
主催はりさゆなはやと
私はりさちゃんに誘われてこの会の企画に参加することになりました。

今回の記事では、『解剖学的にSMプレイを考える会』の開催までに話し合ったことをまとめようと思います。


『解剖学的にSMプレイを考える会』の背景

  私は、受け手として、SMプレイに安心・安全を求めているわけではありません。SMプレイがリスクに対して責任を取れる”大人”だけができる遊びであることを理解して、それでもそうする他ないのでSMプレイをしています。
  ただ、プレイ時に責め手側、受け手側ともにプレイの危険性を適切に把握できていないと、予想しなかったダメージが受け手側に残る可能性が高くなってしまいます
いくら安心・安全を求めているわけではないと言っても、そのような事態は責め手、受け手ともに避けたいと思います。

私たちは、プレイの危険性が適切に把握されない原因として次のような可能性を考えました。

1. なんとなくで加虐/被虐しており、そのリスクについて考えていない
2. リスクに対する意識はあっても、科学的な根拠のない、経験則・噂から考えられた方法論で加虐/被虐している
3. 2.の原因として、SMプレイのリスク軽減に関する知見が体系化されておらず、また広く知られていない

科学的な根拠の有無はプレイの危険性をより正確に予測するための一つの指標にすぎませんが、私たちは一つの立場として、科学的な根拠に価値を見出す姿勢をとりました。

  では、プレイの危険性をより適切に把握するためには、どのようなことが可能でしょうか?
私たちは、それぞれ原因に対応するものとして次のような方法を考えました。

1. SMプレイのリスクを啓蒙する
2. 科学的な根拠のある加虐/被虐の方法論を考える
3. 考えた内容を、匿名性を保ちつつ何らかの形で開示する

これらを満たす機会として、科学的な根拠のある加虐/被虐の方法をみんなで考えてその情報を共有する会、さらに現実的にアクセスしやすい分野としてまず解剖学を選択し、
『解剖学的にSMプレイを考える会』の開催が決まったのでした。


『解剖学的にSMプレイを考える会』の目的

改めて、会の目的を次のように設定しました。

1. 解剖学的知識を基に、より適切なSMプレイを目指す
2. そのための方法論について参加者で考え、意見交換する
3. 何らかの正解を求める場ではなく、より適切なSMプレイのためのアプローチをみんなで考え、共有する会

  3.を設定した理由は、解剖学的な知識を学んだとしても『安全なSMプレイ』はあり得ず、正解は存在しないと考えたからです。
  そもそもSMプレイにおける『安全』をどう定義するかにもよりますが、仮に責め手、受け手双方が予測した通りのダメージを受け手に加えることが『安全なSMプレイ』だとするならば、そのためには責め手、受け手にとって不確定な要因がゼロである必要があります。そのような予測を行うことは人間には不可能だと思います。
  より安全なSMプレイのためであっても、少なくとも解剖学的な知識だけではなく生理学的知識、臨床的な知識など様々な知識から複合的に考える必要があり、自らの知識を過信すること、思い込みが一番の邪魔になると考えました。


『解剖学的にSMプレイを考える会』で採用する方法

目的を達成するために、本会で採用する方法を以下のように考えました。

1. リスクの検討時には多くの分野の知識を踏まえ、多角的に評価することが必要であるが、本会はそれらの中でも解剖学的知識に焦点を絞る
2. 解剖学的知識を基にしたより適切なSMプレイを検討する
 具体的な方法の例は以下の通り。
 i. 解剖学的知識の入手方法
 ii. 解剖学的知識の読み解き方(例:神経系、血管系)
 iii. 相手への応用方法(人体は結局個体差すごい)
 iv. 最新の情報の調べ方(確実なことなんてない)
 v. 効果的な実践方法(プレイ時への応用)


『解剖学的にSMプレイを考える会』の限界

  目的でも触れましたが、本会は安全なSMプレイをするためのものではありません。そもそも、安全なSMプレイは不可能だとすら考えています。
  本会は、より適切なSMプレイを行うための方法について考え、議論する会です。もちろん、解剖学的知識単体を学んだからと言って適切なSMプレイが可能になるわけではありません。少なくとも、生理学的知識、臨床的な知識などその他の様々な知識を複合的に考えて判断することが、より適切なSMプレイのために必要であると考えられます。


まとめ

こんな感じの議論を経て、『解剖学的にSMプレイを考える会』は立ち上がりました。
次回は、実際に開催された『解剖学的にSMプレイを考える会』の流れを紹介しようと思います!

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