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パリ節約自炊生活番外編 パリのアイス屋さん事情

日本ほどではないものの、パリも暑い日が続いています。そんな日に街を歩くと、10組に1組はアイス食べながら街を歩いているくらい、パリの街中には至る所にアイス屋さんがあります。日本ではそれ程アイス屋さんがないのでイメージし辛いと思いますが、パリでは日本のスタバくらい“ここにあると嬉しいな”という場所に必ずアイス屋さんがあります。
という事で今回はパリのアイス屋さん特集です。こんなにアイス屋さんがあって、冬はどうなっちゃうの?と思うかもしれませんが、その疑問にも最後にお応えします。

◆フランスでは、アイスはアイス屋さんで買うモノ

日本アイスクリーム協会に依ると、2016年のアイスクリーム(以下,アイス)の1人当たり年間消費量は、日本は17位に対してフランスは20位となっています。前述の通り10組に1組はアイス食べながら街を歩いている位フランス人アイス食べてるのを良く見るのに不思議だな…と思いましたが、よく見るとその内訳が大きく異なりました(単位:リットル)

順位   国名   合計  小売店   外食  
17位  日本   6.5   5.8    0.7
20位  フランス 5.9   4.6    1.3

ということで、フランスではアイスは外で食べるモノのようです。フランス料理では必ずデザートを食べるので、レストランでの消費も多いと思いますが、アイス屋さんも“外食”の内数で貢献していると推察されます。

◆根強い個人店

こちらはガイドブックにも必ず載っている超有名店ベルティヨン(Berthillon)。ベルティヨン自体は家族経営らしく、夏はがっつり長期間お休みですが、近隣のカフェが同じ看板を掲げて営業していたので、恐らくフランチャイズ的に経営しているのだと推察されます。と言っても、ここサン=ルイ島のみの営業のようです。
ガイドブックや口コミwebsiteを見ると、このように個人経営のアイス屋さんが大多数である事もフランスのアイス屋さんの特徴です。フランスのパン屋さんも同様に大多数が個人経営で、各々のお店が特徴を持った味や秘伝のメニューを持っているので、個人店が多勢を占めているのはいかにもフランスらしいと感じました。

◆アイス業界一強のアモリーノ(Amorino)

そんな個人経営店優勢の中、抜きに出ているのがアモリーノです。町中の至る所にあり、日本でいうとスタバくらい彼方此方にあります。フランス国内では75店舗、加えて欧州のみならずアメリカや韓国など7ヵ国に展開しています。ベルティヨンと同じく創業地はサン=ルイ島ですが、家族経営で手堅く伝統の味を守るベルティヨンに対し、海外も含めて他店舗チェーン展開しているアモリーノ、まるで何かの映画を見ている様に分かりやすく真逆の成長を遂げています。
とはいえ、ベルティヨンはサン=ルイ島1店舗なので行列の絶えない観光客のお店というイメージに対して、アモリーノは彼方此方にあるのでフランス庶民のお店という位置付けです。どちらが成功という事は安易に言えませんが、より庶民に馴染んでいるのがアモリーノです。

アモリーノの特徴は、何と言ってもこの可愛らしすぎる盛り付け!一番お得なsmallサイズ(3.5€)でも、アイスを3種類を選んで写真の様にバラの様に盛り付けてくれます(ちなみに写真は気が動転して2種類しか選んでいないという失態…)。盛り付けが美しすぎてとにかく萌えます、もうこの可愛らしさだけでも買う価値ありです。フレーバーも25種類以上から選ぶことができ、迷ってしまうこと必須な上に、更にあと1.8€追加するとバラの真ん中にマカロンを置いてくれます。もう可愛すぎてしょうがない!かわいいアイス画像に悶えたい方はこちらのamorinoのInstagramをご覧ください。

◆日本で見かけるアイス屋さんは…

ハーゲンダッツはドイツ語っぽいですが創業はアメリカで、ハーゲンダッツという言葉自体も意味の無い造語だそうで、フランスでは輸入品ということになり、これだけアイス屋さんがある中では少数派です。物価自体が高いのでアモリーノの一番安いsmallサイズでも3.5€(約450円)するので、ハーゲンダッツも特に高級ということはなく、特色の無いアイス屋さんの一つ、という位置付けに甘んじているようです。

更に、日本ではおなじみのサーティーワン(米国ではバスキン・ロビンス、Baskin-Robbins Inc.)は、調べてみた限りフランスには現在存在しない様です。アイス業界だけを見ても、世界では様々な競争が繰り広げられている事が伺い知れます。

◆アイス屋さん、冬はどうするの??

まだ在仏5ヶ月目で冬を知らないので現認していないのですが、在仏歴長い先輩から聞いた話によると、氷点下に迫る寒さの中でもフランス人はアイスを買い、噴水も凍てつく公園に集ってアイスを食べているそうです。こたつでアイスが至福の日本人からは想像できませんが、これだけ沢山のアイス屋さんが街中にあるという事は、冬もそれなりに安定した売り上げがあると想定されるので、フランス人は冬も外でアイスを食べるのでしょう。

という事で、あと数ヶ月して寒くなってきたら、本当にフランス人は気温一桁台でも外でアイスを食べるのか!?特集をお送りしたいと思います。

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