まどろみ荘小雑記 その十二

四畳半の真ん中に土を盛り シダを敷いて 鶏を爬虫類にしたような生き物が抱卵している

丸い目で 気象予報と壁のカレンダーと 石の栞した ノートを きょろ きょろ 透けた下まぶた まばたきしながら

何かの単語と同じ数の細長たまご 色鮮やかな羽毛の並ぶ前脚の下 くっくっと鳴いた

太古の熱帯の部屋 やわらかく呼びかける おおとかげの朝

 

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