これはcorp-engr 情シスSlack（コーポレートエンジニア x 情シス）#1 Advent Calendar 2022 11日目の記事です。

こんにちは、谷町悠之介です。
昨年末から悲しいことが続きましたが11月より某所でもんにょりとIT関係のお仕事をしております。現在は情シスなのか微妙な立ち位置ですけれど、今までの経験は凄く生きていて（そこそこ）たのしくやっております。

今回は、破壊と創造で学ぶ情シススキルということで物事を破壊する、創造する場合に得られることについて書いていこうと思います。どちらかというと破壊寄りですが、ご笑覧頂けますと幸いです。

破壊から学ぶ

みなさん、破壊は好きですか？

……まぁ、嫌いですよね。
破壊というと基本的に暴力的な行為であり忌避される傾向があると思います。IT関連、特に情シス界隈ではPCの破壊という頭の痛い対応があります。谷町もあまりやりたくないことです。
なのでこれについては扱いません。壊した人にはきつくお灸を据えて修理やら対応しましょう。

今回取り上げる「破壊」というのは「環境の破壊」です。

みなさんはWindowsを破壊したことはありますか?
AWS上にあるEC2インスタンスを破壊したことはありますか？
Microsoft 365のテナント解約したことありますか？

情シスは今ある職場環境を維持したりより良くしたりするのがお仕事です。ですが今ある環境をぶっ壊すということはあまりないのではないでしょうか。

ちょうどいいので破壊（の準備）してみましょう

ここに解約を考えていたGoogle Workspace（以下GWS）環境があります。ちょうどいいので破壊（の準備）してみましょう。
手はじめに破壊するには何をすればいいのかを学ぶことが必要です。
まず、お手持ちのGWSの管理コンソールに入ります。
左メニューからアカウントを開き、アカウント設定を出します

下部へスクロールすると管理という項目が出てきます。迷わず押しましょう。

さぁ出てきました、アカウントの削除メニュー。
ここでいくつかの注意点があり、またアクティブなサブスクリプションとGCPのプロジェクトがあるため削除がすぐには出来ないようです。困りましたね。

破壊に必要な前提条件を考える

このGWS環境にはドメインがあります。そのドメインに紐付けたWebサイトもあります。
1アカウントだけですがGmailも使っています。メールのバックアップが必要です。GCPにはreCAPTCHAを設定した際に作ったプロジェクトがありました。
先にあったようにGWSアカウントを削除するにはGCPのプロジェクトも削除する必要があります。面倒臭いですね……。
立つ鳥跡を濁さずということでドメインも解約するなら諸手続が必要です。Webサイトも必要ないので削除する必要があります。これもレンタルサーバーのFTPかなにかで削除作業が要りますね。
まとめると

• GWSアカウントの削除

  • サブスクリプションのキャンセル

    • 必要なメールのバックアップ

  • GCPプロジェクトの削除

    • reCAPTCHAの削除

  • ドメインの解約手続き

    • ドメインを使い続けるならDNS周りをよしなにする

  • Webサイトの削除

    • FTPで諸々削除

      • レンタルサーバーの解約

意外とやることが多かったです。困りましたね……。
そして、これらを問題なく遂行するには思った以上に広範囲なスキルが必要そうです。

今回は1アカウントしかないGWS環境ですし、全削除が前提の破壊プロジェクト。今後のことを考える必要も無く、心置きなく失敗も出来るでしょう。失敗は全ての糧です。

ですが、これがそこそこの規模の企業の作業案件だった場合、失敗は許されません。
Gmailのバックアップは完璧が求められますし、ドメインを使い続けるならメールやWebサイトの不通不達等に気を使います。

今そこに当たり前のように存在する環境を破壊するというのは予想以上に大変なことなのです。
どこに、どんな、どの程度のスキルが必要なのかまず考える必要があります。

破壊から学べること

GWS環境を一つ破壊するにも割とたくさんの作業が必要であり、それを遂行するのに必要なスキルがいくつかあることがわかりました。個々のスキルについては割愛しますが、概ね情シスの方々が日々の業務で行っていることを応用すればなんとかなるものです。
大事なのは

• 破壊に必要なスキルを知る

• 破壊プランを立てる

• 破壊した際の影響範囲を考え前もって対処する

• えいや、と破壊する

• 破壊後のクリーンナップ

以前、物事の失敗についても実際にすることによって莫大な経験値を得ることが出来ると書きました（→該当note）。破壊についても同様に実際に実行することによって莫大な経験値を得ることが出来ます。破壊に失敗することがある意味最強だとは思っていますが、流石に色々禍根を残すので本当にお勧めしません……。

創造から学ぶ

創造する場合はどうなのか?

破壊の逆、創造をする場合は何が学べるのでしょうか?

創造、ここで言うところの新しい環境を構築することは情シス業務の得意分野ですね。
新しいサービスをリリースする、新たなSaaSを導入する、新しい方法で仕事をする……様々な創造があると思います。なので破壊よりは日常的なものであり、日々の業務をこなす情シスの皆さまには馴染みが深いものではないかと考えています。
なので、破壊ほどは深く書きません。日常していることを振り返りこんな応用事例があるのだな、と思って頂ければ幸いです。

GWSの事例で学ぶ創造

先に（環境を）破壊したGWS。では、新たに契約する場合はどうすればよいのか?
ざっくり書くとこんな感じになると思います。

• ドメインを取得する

  • GWSのサイトに飛ぶ

    • プランを選択

      • お支払い方法を設定

    • 画面に従い諸々設定

      • ドメインを紐付ける

        • Gmailに入れるか確認

          • メールが送受信できるかテスト

一回やってみると本当にあっさりと終わってしまいます。それだけユーザー体験に優れているのだと思いますが、経験の浅い谷町でも出来たので大抵の方は問題なく環境を構築（=創造）できるのではないでしょうか。

ドメインを取得するとGWSの契約はかなり似ています。更にこれはSaaSの更新処理とかに似ている部分があります。これは日々の業務経験が生きると思います。
どちらかというと、セキュリティ関係のプロダクトを導入する（特に検証周り）方が数段面倒臭いです。
他にもDNS周りとか面倒になりそうな部分はありますが、これは単に谷町が苦手な部分なだけなので、知識があり慣れている方ならすんなりと出来てしまうでしょう。これも日頃ネットワーク周りの業務をしているのなら出来てしまいます。

創造から学べること

破壊とは表裏一体の行為である創造。このように環境の創造は思った以上に出来てしまいます。
破壊に比べると行うことはシンプルです。何故ならGWSの事例でもわかったように破壊の際には気にする必要のある周囲にある問題が基本的に無いため物事がスムーズに進みやすいからです。

では、学ぶ部分はないのでしょうか?
そんなことはありません。今までやって来たこと、出来ていることを応用すれば出来るという気付きが最大の学びなのです。
これもまた実践することで経験値を得ることが出来ます。失敗も破壊するよりはしやすいと思います。そのため、創造に失敗で莫大な経験値を得るテクニックは有効かもしれません。

ちなみに谷町はあまり経験の無い（小説ならありますが……）ことではありますが、今までにないプロダクトを0→1で創造する場合、大変の一言では片付けていけない程の苦労があります。それは忘れてはいけません。

破壊と創造から学んで得られるもの

ここまで破壊と創造について書いてきました。

環境を破壊する方は、積み重ねがあればあるほど難易度が増します。しかし得られる経験値はエグいことになるでしょう。そもそもプロダクトを一つ解約するというのはレアな業務なので中々体験できることではありません。
反対に環境の創造は、破壊よりはシンプルになる傾向があります。また実業務で携わることも多いかと思われます。

共に言えることですが、これらを行う際にどこに、どんな、どの程度のスキルが必要なのかまず知る必要があります。そして想定される影響や障害となる事象を調べ、その対策を考えます。
その上で、（破壊 or 創造を）実行する度胸も必要です。

その先に得られるのは莫大な経験値です（失敗も経験できれば増額ドン！）
これは冗談抜きで凄いことだと思っていて、破壊と創造（と失敗）が出来て、それを仕事する上で血肉に出来る情シスのスキルはかなりあるはずです。

おわりに

破壊と創造について書くというネタ枠でしたが、多少でも気付きがあれば幸いです。
現状情シスから少し離れた業務をしているので色々と思うことがあります。常に不安ですし、この仕事やっていて大丈夫なのかな、そもそもこんな状態で情シスSlackいていいのかな、アドベントカレンダー書いていいのかな、なんて悩むことは尽きません。
ですが、人生ずっと勉強が必要です。そして、今までの経験は必ずどこかで生きると信じています。
谷町みたいなロースキル人間でも今まで学んだことや経験は生きると思い、少しでも伝えられればと思い、ややネタ枠の記事を書いてみました。
読んで下さった方に少しでも伝わると幸いです。