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わたしの断片

久々に帰ってきたJR大阪駅のホームで流れてくる、「やっぱ好きやねん」で泣きそうになったり

いつもは不愛想なバイトの先輩に優しくされてちょっと不安になったり

ギターが上達しなくて落ち込んだり

お金ないくせに衝動買いしてあとで途方にくれたり

飲みかけのペットボトルが三本くらいあったり

冷たくされたから冷たくしかえしたり

眠たいのにあの言葉が気になって眠れなかったり

気付いたらジャルジャルのコントをYouTubeで片っ端から見ていたり

期待値が上がりすぎてプレッシャーに押し潰されそうになったり

映画の主人公に影響を受けすぎて柄にもないことを口走ったり

友達以上恋人未満の相手と遊ぶ日の、私服の度合いで悩んだり

褒められようと頑張ってたのに、褒められるとそれはそれで恐縮してしまったり

ハロウィン仕立てのお菓子を、律義にハロウィンに食べたり

自分のどんくささに一人で吹きだしてしまったり

カフェで一番安いメニューを頼んで長居したり

いつまでも変わらない家族の姿に嫌気がさしたりちょっと嬉しかったり

卒業式で涙が出ない自分に焦ったり

この人にとって自分はどのくらいの存在だろう、とか考えたり

さほど興味のない話に相槌を打ったり

ジャケ買いした本を持て余したり

ララランドのエマストーンみたいな髪型にしてみたり

携帯のメモを見ても、なんのことか思いだせなかったり

鏡に向かって変顔してみたり

これは自分の歌だ!とか思ったり

絶対に変わることのない数字を何度も計算してみたり

センチメンタルな夜、切ない曲を聴きながらわざと焦点を朦朧とさせたり

嫌いなものがほんとはすっごい好きだったりするような

ちょっと苦くて切なくて

くすっと笑える断片も

やっぱりわたしの愛すべき

人生そのものなんだよなあ

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