叱られる事も大事
叱られる、というのはできれば避けたい事だ。
叱られて嬉しい気分にはならないし(もしかしたら嬉しい人もいるかもしれないが)、できれば褒められたい。
ただ叱られるのは悪い事ではなく、経験しておくべき事ではないかと最近思い始めた。
少し前に読書した本に書いてあったのだが、最近の若者は叱られる事がなく育っている傾向が強いらしい。
もちろん躾が厳しいご家庭もあるだろうし、全員がそうとは言い切れないだろうが、社会や教育の「褒めて伸ばす、失敗しないように物事を進めてあげる」という方向であり、叱られる事がなく育つ子どもがいるようだ。
叱られ慣れてないので、社会に出た時にちょっとしたミスで注意されただけで、固まってしまったり拒否反応を起こして退職してしまう。
書店でも、上司が新入社員にどう声掛けしたらよいか、といった類の本を最近よく見かけるようになった。
これは若者が悪いのではなく、こういう社会にした大人たちに責任があるんじゃないかと私は思う。
私は若者ではないが、あまり叱られずに育ってきたほうだ。
いわゆる優等生タイプで、大人がしてほしい事や喜ぶ事を察知するのが得意だった事もあり、学生時代は褒められてきた回数のほうが圧倒的に多い。
なので叱られ慣れてないし、叱られた時はひどく落ち込んだり、「叱られるような自分はダメな人間だ」と極端な考えにもなった。
新卒で社会人になった時なんかは、ミスの連続や何度も叱られた事ですっかり自信を失い、余計にミスが増え、しまいにはうつ病を発症してしまった。
まぁ、うつ病の発症は他の要因も重なっただろうけど、叱られ耐性がなかった私は毎日が苦痛に感じた。
社会人を10数年やってきて、ようやく受け流せるようになってきたけど、今でもキツイ言い方をされると一瞬固まってしまう事はある。
今の若者は…と書いたが、当然全員ではない。
これも本かニュースで見たのだが、若者の中でも部活動やサークルなど何かに所属していた子は叱られ耐性がついている事が多いらしい。
特にスポーツの部活動だと、顧問や監督、コーチや先輩から叱られる事も頻繁にあるのが想像できる。
小さい頃に叱られておく、というのは結構重要なのかもしれない。
とはいえ、何でもかんでも強く叱るという方法も良くない。
特に言い方。
命にかかわるとか、人に危害を加えるなど、強く言わなきゃいけない場面はあるだろうが、「だからお前はダメ人間なんだ」など人格を否定するような事を言うのは避けたい。
今の上司と新入社員では、生きてきた時代風景が全く違う。
上司が若かった頃は、今ではハラスメントで訴えられてもおかしくないような事が、普通にあった時代だと思う。
「私が若い頃、こんなのは普通だった」と言って、同じ事を今の若者に言ったり、「こんなんでどうする!?」等の煽って頑張らせるような言い方は現代は避けておいたほうがいい気がする。
気持ちはわかるが、残念ながらそういう時代ではなくなっているのが現実だ。
失敗して注意されたり、叱られたりする事は悪い事ではない。
そこから必ず成長するし、すべては経験で、得るものも多い。
自分だけでなく、誰かの力になる事だってできる。
もう30代半ばを過ぎようとしているが、叱られる事を恐れず生きていきたいと思ったので記事に残しておく。
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