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組織のサイロ化とPdMの仕事について


1. 組織のサイロ化とは

イーロン・マスクのテスラでのメールの話がある。
人間の性質として、サイロ化する方向に組織は向かっていくので積極的に戦う必要があるということだ。
このサイロ化を意識してサイロ化させている人間も勿論いるだろう。

しかし、一方で意識していないサイロ化もある。
それはなにか?


各部署のKPIという存在だ。
つぎに各部署のKPIがなぜ組織をサイロ化させるのかを考えたい。

2. 各部署のKPI

KPIを設定することは、とても大事だ。
それは企業が目標を達成しているのか?または達成できていないか?を測るために必要な指標だからだ。

一方で組織のリソースは有限だ。

KPIへの取り組みが大義名分となり、部分最適化が進み、全体最適されなければいけない部分を破壊し始めることだ。
こうなると、「結局なんか事業的にはうまくいってないよね」という結果に終わることが多い。

これは各部署のKPIがサイロ化を進めさせ、全体最適で成長へと向かう必要のあるリソースの使い方、取り組みの優先度を異常に歪めていくからだ。

また、KPIに影響がありそうだから、優先してこのタスクを進めてくれ、という要望が各部署から上がってくる。
そう、タスクの優先度までもKPIが大義名分になるのだ。

これはエンジニア組織と相性がとても悪い。
差し込みタスクが入れば入るほど、エンジニア組織のデリバリーの質は落ちていく。
開発ロードマップが意味を成さなくなる。

根本こういった組織文化の企業と、エンジニア組織は相性が悪い。

例えばここで差し込みタスクをやったとしよう。
致命的な問題は、そこまで結果が出なかったね、となってもKPIへの取り組みだから仕方なかったよね、という結果にまでも大義名分がつかわれることだ。

3. 組織のサイロ化とPdM

組織のサイロ化とPdMは更に相性が悪い。
PdMは組織で横串を指すポジションだ。

なぜか?
それはPdMが横断的にワークしなければいけないからだ。
PdMは事業に影響を与えることを優先するからだ。


これは仮説検証も同じである。
仮説検証にも優先度がある。
そこには実行リソースが必要だ。


プロダクトというものは膨大な仮説検証の上にヒットを出していく。
ここも各部署のKPIが大義名分として優先されていく。
仮説検証がうまく進まずにバッターボックスに立つ回数が減る。
プロダクトが成功する確率はどんどん下がっていく。

こうなるとPdMが組織としてワークしなくなる。
PdMが組織にいる理由はなくなるだろう。

4. KPIの甘い罠

営業やマーケであれば新規獲得〇〇件、のようなKPIがよく思い浮かべられる。
もちろん大事だ。

しかし、考えてほしい。
その獲得した件数から、いったいどれだけ利益になったのか?
獲得できた先には組織目標である利益がある。


その利益は、新規獲得のその先のLTVが向上したのかどうかだ。
自チームの仕事やKPIが、その先のKPIへと繋がっているかどうか?まで見てKPIを達成できたかどうかが重要だ。

KPIの設定や組織のサイロ化は一歩間違えると破滅への道だと想像できる。
本日は組織のサイロ化のお話でした。

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