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「食」から「日本」を考える

著:薬膳指導者  原田 芙美 
補足:赤堀 幸・小林 加奈子 


2023年5月24日水曜日
近畿農政局とのら×たんゆらジェンヌとの意見交換会が、福知山市にあるイタリアンレストラン「イルパッチーニ」で開催されました。

近畿農政局から7名、京都府から3名
ゆらジェンヌからは代表の京都丹波赤堀農場の赤堀幸、86ファームまころパンの岩切康子、株式会社小林ふぁーむの小林加奈子、薬膳指導者の原田芙美が参加しました。

(1)まず近畿農政局の方々から現在の日本の農業を取り巻く課題や今後の展望について

「食料・農業・農村基本法」の基本理念や主要政策の見直しについて
また、「みどりの食料システム戦略」についてお話をいただきました。

「緑の食料システム戦略」とは

「食料・農業・農村基本法」って何???
そう思われた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
私も恥ずかしながら初めて耳にしました。

「食料・農業・農村基本法」とは農政の基本理念や政策の方向性を示すものです。
1)       食料の安定供給の確保
2)       農業の有する多面的機能の発揮
3)       農業の持続的な発展
4)       農業振興
を基本理念として掲げ、1999年に制定されました。

制定から20年
農林水産業を取り巻く情勢は大きく変化しています。
1)  生産者人口の大幅な減少(直近25年間で農業従事者は256万人→123万人とほぼ半減!!)と高齢化・農地面積の減少
2)  国内市場の縮小(人口減少及び高齢化により日本の胃袋は小さくなっています!)
3)  地球環境等への配慮のルール化(E Uでは2030年までに化学農薬の使用及びリスクを50%減、有機農業を25%に拡大するFarm to Fork戦略に取り組まれています。)
4)  国際的な需要の増加による生産資材等の長期的な価格上昇、調達の不安定化(これは生産者さんたちにとって死活問題です!!)

これらの社会変化に対応すべく、見直しが行われているわけです。
より詳細な見直しスケジュールや議論の状況は農林水産省のH Pの中の「基本政策」→「食料・農業・農村基本法」のページに最新の情報が掲載されています。
ぜひチェックしてみてくださいね。

また、現在取り組まれている農林水産政策の4つの柱
1)  食糧安全保障の強化
2)  スマート農林水産業等による成長産業化
3)  農林水産物・食品の輸出促進
4)  農林水産業のグリーン化

としても掲げられている農林水産業のグリーン化
みどりの食料システム戦略」についてお話いただきました。
ところで、「みどり認定」って聞いたことある方いらっしゃいますか??
知っている方はかなり感度が高い!!
栽培時に発生する農産物の温室効果ガス削減を見える化した認証制度です。
※「みどり認定」はエコファーマー制度に変わる新たな認定制度です。

まだまだ始まったばかりの制度なので、認定を受けている事業者さんも少なく、目にする機会は少ないかと思いますが、今後の動きに要注目です。
このように「食料・農林水産業の生産力向上」と「持続性」の両立をイノベーション(技術革新)により実現していこうという取り組みが「みどりの食料システム戦略」です。

農業政策なんて私たちには関係ないでしょ!?
思っていらっしゃいませんか??
私自身、生産者ではないので、政策的なところには正直あまり関心がありませんでした。
ところが!!
「食料」は私たちが生きていく上では欠かせないもの
そして、未来を担う子どもたちや次の世代に繋いでいかなくてはならない大切な資源です。

「食から日本を考える」NIPPON FOOD SHIFT
「食」について考えることはこれからの「社会」を考えること
一人一人が問題意識を持ち、より良い未来に向けて取り組んでいくこと。
「今」ならまだ「選ぶ」ことができるんです。

(2)そしてもう一つの大きな議題「農業における女性の活躍推進について」。

まずは農業における女性の活躍推進事業に関して近畿農政局様よりお話をうかがい、

https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/attach/pdf/gaiyo-11.pdf

私達ゆらジェンヌメンバーからは地方農業の中での女性農業者の活躍に関して、意見や想い、現状についてお伝えさせていただきました。

≪ゆらジェンヌから出た意見≫
◆女性や若者が農業を始めたい時に、有機農法を目指した場合は行政からのサポートが受けにくい。有機農法であっても栽培や営農のサポートをして欲しい。
◆移住・就農希望者へのサポート
◆移住者同士のコミュニティの大切さ
◆地産地消、農業としての産業など、次世代へ向けて食育授業に力を入れている。
◆田舎になればなるほど、まだまだ女性がリーダーシップを発揮する場が少ない。でも、必ずしも誰もがリーダーをしたいかは別。
◆女性が職業の一つとして、農業を選択する時代になってきている。農業への関わり方に合わせた、サポートをお願いしたい。関係人口を増やす等、農村と都市を繋ぐ取り組み。

ゆらジェンヌの中には、農業女子PJに所属しているメンバーや、

「農業女子アワード」のファイナリスト、
また京都府の「京の農林女子ネットワーク」のメンバーも多数います。

これからの地方農業の活性化において、「女性活躍」がキーポイントになる!と私達は考え、「明日のごはんを背負って立つ」を心に、活動を進めていきたい!
そんな思いをお伝えさせていただきました。

(3)その後のランチでは福知山や綾部産のお野菜たっぷりのサラダとパスタをいただきました。

新鮮野菜たっぷりのサラダ♡
大人気のパスタ

貴重な機会をいただきました近畿農政局の皆様
調整いただきました京都府農林水産部農産課様、中丹東農業改良普及センターの皆様に感謝いたします。

こうして国民一人一人に安全安心な食糧が行き渡るように取り組んでくださっている行政の皆様。
暑い日も寒い日も美味しいお野菜や食料を作るために取り組んでくださっている生産者の皆様。
流通や製造に関わってくださっている皆様。
多くの方のおかげによって私たちは日々の糧を口にすることが出来ます。

いただきます
ご馳走様
感謝して、美味しくいただきましょう。


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