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両親という、不思議な存在

久しぶりに家族旅行してきました。
正確には両親との旅行、です。
「ライフスタイルが違うから無理」という母に、せっかくだから行こうよ、と食い下がって、ようやく実現に漕ぎつけました。

子供の頃から、よく家族で旅行していました。
夏はキャンプに行ったり、高原や山歩き。
冬はスキーが定番でした。
成長するにつれ、弟と妹が同行することが減り、私と両親だけとか、それに私や両親の友人を交えた旅行が多くなりました。

ここしばらく実家に帰ることすら稀になっているので、下手をすると私が両親と旅行するのは、10年ぶり位のはずです。
実家に帰る時も泊りがけになることはほとんどなく、数時間顔を見るだけという感じでした。
が、父の車に乗り込むや、空白の時期など存在しなかったように、昔から良くしていたような会話が始まりました。
他愛ない会話。植物の話が多いです。
紫陽花に良く似た、カメノキという植物を最近教えてもらっただとか、高速道路の横に植えられているのがムクゲだとか夾竹桃だとか。

よく、相方から何を話してるのか分からない、と言われる私なのですが、「耳が遠くなったから大声で話してね」という母から、聞き返されることはごく僅かでした。

長年実家を離れていた分、私の習慣で親から受け継がれているものが少なからずあることに、色々と気付かされました。
何かというとコーヒーを淹れて一息つくのは、完全に父親の影響です。
父は朝、よく早起きして車で公園や海岸に出掛けました。
犬の散歩をしたりランニングしたり、体を動かした後はコッヘルでお湯を沸かしてコーヒーを淹れ、チョコレートを摘みながらしばしくつろぎます。
畑仕事の合間にも、それに家でももちろん、食後はコーヒーブレイクです。
最近では、それにパイプ煙草が加わりました。

音楽の嗜好も、父から影響を受けました。
NHK FMで放送されていた「朝のバロック」が、今は「古楽の楽しみ」と名前が変わって続いているようですが、相変わらず朝になるとこの番組を楽しんでいるようです。
やはり父の好きなジャズも、好きです。ただし詳しくはありませんが。

道端に咲いている花や草木につい目がいってしまうのは、母の影響です。
どちらかというと山野草の好きな母に対し、私は庭園の方に大きな魅力を感じます。
でも私は残念ながら、植物を育てる才能は受け継いでいないようです。
お金持ちになったら、自分の庭をデザインだけして、庭師を雇いたいところです。

そして、マイペースな性格は、完全に両親の影響、というかむしろ遺伝かも知れません。
父の旅行の主たる目的は、狙いを定めたポイントからスケッチをすることです。
今回の旅行でも、「ここで絵を描きたいからあなたたちはどこかで時間を潰してたら?」と度々言われました。
スケッチの対象は山が多いので、雲が出ていたりすると思うように描けず、なかなか大変みたいです。
そういえば私も、子供の頃から、自分が気になる場所でずっと立ち止まってしまうので、よく集団からはぐれました。
中学校の遠足でリトルワールドに行った時は、同じような性格の友人と二人、じっくり見学しすぎて、見学を終えた皆がもう昼食を食べ終わった頃にやっと食堂に辿り着いた、という思い出があります。
父は、せっかちという訳ではないのですが、自分の決めたスケジュールを守るあまり、同行者を待つということがありません。
一方母は、多少思い込みで行動するところがあり、父が来ると思っていたから待ってたのに、みたいな行き違いが、何度もありました。
その度に呆れる父。
私は、見事に二人の性格のどちらをも併せ持っています。

両親をよく知れば、自分を知ることができるのかも知れません。

旅行のレポートは、近々ブログに書こうと思っています。
そちらも是非、併せてお読み下さいね。

画像は、浅間山を描く父(たちばな屋善作

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