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2023年日本シリーズを語りたい。

日本シリーズを振り返って

野球ファンになって、初めてちゃんと観た2023年の日本シリーズ。

今までは現役選手の名前が全くわからなかったので、ホームランが出てもだた「へー」ぐらいにしか思っていませんでした。吉田正尚がメジャーに行く報道が出た時も、「ああ、あの時ホームラン打った、めっちゃ歯の白い人か...」と存在が一致したのはだいぶ後ことでした。正尚ファンの皆様、すみませんでした。

今年からパ・リーグはオリックスをゆる〜く応援している身として、今年は毎日吐き気がするくらい緊張して去年の自分とは真逆の状態。こんなにどっちのチームが勝つか正直わからない試合を見るのは生まれて初めて。ワクワクと不安に襲われ、よく今までみんなこんな状況に耐えてきたな...。と驚きました。

あの数日間は本当に辛かったですが、気持ちの整理がついた今振り返るとすごく楽しかったです(笑)。

自分の応援しているチームの野球が11月まで見れることは本当に当たり前ではないし、ここまで素晴らしい景色を見せてくれた全ての選手たちと彼らを支えた家族、そして首脳陣や球団関係者には本当に感謝の言葉しかありません。

采配も面白かった日本シリーズ

敢えて「首脳陣」を挙げた理由は、オリックスファンとして、中嶋聡監督のあの采配なしにここまでこれなかったと思うからです。

中嶋監督の采配は本当にユニークで、各試合の対戦相手やファームの選手の調子に合わせて臨機応変にスタメンが変わるスタイル。ピースがうまくハマるごとに「すごいなぁ...」とただ脱帽していました。

そんな"中嶋采配"の中で今回の日本シリーズ中、特に印象に残っているのは、第二と第四戦の廣岡大志選手と、最終戦の福田周平選手のスタメン抜擢。

バットでの貢献はもちろん、最後まで諦めずバックホームした廣岡大志選手。

猛打賞の活躍はもちろん、あの「あと一人」コールの中でもバットを握り続けていた福田周平選手。

二人の存在がチームに活気を与え、ファンに希望を与えてくれたことは間違いないです。ありがとう。

敬意を表して阪神についても一言

"采配”と言えば、阪神の岡田彰布監督のことも忘れてはいけません。

あの(恐怖の)固定スタメン。

神宮で阪神戦を見ることが多かったのと(セ・リーグはヤクルトファン)、関東に住んでいるのに(何故か)周りに阪神ファンが多い環境の影響もあって、阪神戦は割とちゃんと見てきました。

もちろん投手陣を始めみんなすごい選手なんですが、特に1、2番のチカナカ(近本光司と中野拓夢選手)コンビと「恐怖の下位打者」こと木浪聖也選手を見ていると、改めて野球は互いが「求められている最低限」を成し遂げることで成立するチームスポーツなんだと気付かされました。

日本シリーズ MVPは文句無しに近本選手でしたが、私的にMVPは坂本誠志郎選手じゃないかと思うんです。

阪神ファンでない私が彼の名前を出した時点で察している方もいるかもしれませんが、めちゃくちゃ捕手が好きです。生まれ変わったらキャッチャーミットにでもなりたいぐらい好きです(笑)。試合中は贔屓か否かかかわらず、ほぼずーっと双眼鏡で捕手の動きばっかり追ってるような人間なので、かなりバイアスがかかってるのは承知の上ではありますが。

色んなところで言われている通り、フレーミングはもちろんのこと、非常にそれぞれの投手のいい球を引き出すのが上手いように思うんです。野球の詳しい話はわかりませんが、解説を聞いて打者の裏をかいた配球と知った時は毎回本当にお手上げ。用語を使うなら、「リード」に当たるのでしょうか。

以前「捕手のリードは関係ない」みたいな記事を読んだことがあって、確かに投げるのはピッチャーでそちら次第ではあるんだけども、そう100%断言するのはちょっと違う気がするんです。

なぜなら、坂本捕手を名指しで褒めない投手をヒーローインタビューで見たことがないからです。

常に投手の後ろには味方がいるけれども、マウンド上では孤独な存在であることに変わりはありません。試合の主導権は投手にあると言っても決して過言では無く、投げる一球で試合の流れがガラッと変わってしまうことはよくあります。どんなに素晴らしい投手も人間なので、冷静に見えてもピンチでは「心の拠り所」を求めていて、坂本捕手はそれを自らのリードを通して全うしているように見えました。

どのチームの投手も、捕手への感謝の言葉は忘れていませんが、阪神の投手陣にとって本当にそんな存在なんだろうなという雰囲気がライバル側の私にもすごくよく伝わってきます。

あと、選手としての才能も素晴らしいですが、顔もタイプだし謙虚な姿勢が素敵だなと。大竹耕太郎投手の「昭和のお母さん」発言が全てを物語っているかもしれないです。彼なしに阪神の優勝は絶対に無かったと思います。異論は受け付けません(笑)。

オリックスファンとして嬉しかったこと

こんな長々と阪神のことを話してしまいましたが、もちろん悔しいです。

本当に……(泣)。

本音を言えば最終戦序盤のバファエールから泣いていましたが、試合後もSNSで写真や動画が流れてくる度に何度も泣きました。

語りたい名シーンはたくさんありますが、一番は「お隣さん」コンビの活躍

「お隣さん」コンビとは、山本由伸投手と頓宮裕真選手のことで、岡山県の実家が本当に”お隣さん”。それだけでもすごいのに、二人同じチームで大活躍していると思うとシンプルに奇跡。

第六戦の、山本投手と若月健矢選手のリベンジマッチは本当に鳥肌が立ちました。こんなに試合前からワクワクしつつもドキドキしたのはWBCの決勝以来かもしれないです。

この試合は今季ポスティングを利用してメジャー挑戦が決まっている山本投手にとって日本で最後の大舞台。第一戦で悔しい思いをしたからこそ、どうか報われてほしい。本当に全国のオリファンの思いが一つになった結果の試合でした。

あと、本音を言うと周りの阪神ファンに馬鹿にされることだけは本当に嫌でした。日本の大エースの底力を舐めんなよ、と。

前のnoteで述べたよう、私が野球をちゃんと見始めるようになったのはWBCがきっかけなんですが、その後プロ野球をちゃんと見よう!オリックス応援しよう!と思った理由は山本投手なんです。

山本投手を応援するようになってからはずっと女房役が若月捕手だったので、この二人は私にとって本当に大切なバッテリーでした。味方の援護に恵まれないことも少なくない山本投手ですが、どんな試合状況でもいつも寄り添う若月選手が本当にかっこよくて。気づいたら頼もしくて、ちょっぴりかわいい最強バッテリーの虜になっていました。

私みたいな野球経験者でもないにわかが偉いこと言えないんですが、本当にあの2人って夫婦みたいなんですよね。

ファンはマウンド上での雰囲気からしか選手同士のことが分からないのであれなんですが、互いの間にある抜群の信頼関係が2人の選手としての魅力にも繋がっていると思うんです。

山本投手の日本一のピッチャーとしての技術と性格を地球一わかっているのは若月捕手だと思うし、山本投手が若月捕手にしか見せないあの笑顔を見ていると、どこかすごく微笑ましいというか本当に言葉では言い表せない“愛”を感じるんですよね。

山本投手が先発の試合で若月選手がチャンスメイクしたり、タイムリーを打った時はいつも以上に嬉しかったです。あの日の2回裏の同点タイムリーは、まさによしわかバッテリーそのものを象徴しているような気がして泣けました。

もうなんかめちゃくちゃ素敵じゃないですか??

試合後のハグはあの二人が築き上げてきた全てが詰まっているような気がして、また泣いてしまいました。

そして、忘れてはいけないのが最終戦。お隣さんのもう一人、頓宮選手が先制ホームランを打たれてしまった宮城大弥投手に寄り添う姿が印象的でした。

あの時、なんと声をかけていたんだろう。その内容を知ることはないと思いますが、ずっと宮城投手と共に戦ってきた仲間として、また捕手経験者だからこそ分かる何かがあるのかな、とかつい考えてしまいます。

宮城投手は私と一歳差にしてリーグ優勝、日本一も世界一も経験した最強01年組ピッチャー。あの悔しい思いを胸にもっと強くなって来シーズン戻ってくるはず。そしてきっといつか、彼は同じ立場になった誰かを支える存在になると信じています。

言わずもがな、あの後九回で頓宮選手がセ・リーグセーブ王の岩崎優投手から放ったあのホームランは最高でした。正直結果は厳しいものになると全員わかっていたけど、最後まで諦めずに京セラの上段に放ったあの一球はパ・リーグ首位打者としての意地を感じましたし、本当に胸が熱くなりました……。

プロ野球シーズンの幕が降りた今

ストーブリーグに突入した今、来週末に迫ったアジアプロ野球チャンピオンシップも終われば野球のない日常が戻ってこようとしています。去年WBCの余韻に浸りながら気づいたらもう始まっていたプロ野球。ない日々が正直不思議で仕方がないですが、これが一年前までの私にとって当たり前だったと思うと余計そう思えてきます。

野球ファン一年目を迎えた2023年は日本球史に残る歴史的な年であったと共に、私が応援しているオリックスとヤクルトにとって本当に悔しいシーズンでした。両チーム共に怪我人が多く、毎試合、半ば祈るような気持ちで見てきました。

正直辛いことの方が多くて「私なんか野球ファン向いてないんじゃない?」と何度も思いましたし、野球を通じて出会った仲間に救われた部分が本当に大きいです。おかげでもっと野球も好きになれたし、心から選手たちを応援したいと思えるようになりました。

冬の出会いと別れを経て春になれば、スタメンもベンチメンバーも、コーチやスタッフの方々も変わります。そして、新しくNPBのユニフォームに袖を通すルーキーたちとの出会いも待っています。

来シーズンはどんな感動が待っているのかな。

2024年3月29日を迎えるまで、私もオフシーズン頑張りたいと思います。

今日も長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

では、ごきげんよう。

※ヘッダーの写真は現地観戦していた知人から使わせてもらったものです!
ありがとう!!!私も来年こそプレーオフ現地で見たい!!!


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