真っ白な記録として。
就活の黒い服を着て、真っ白な光の入るガラス張りのエレベーターに乗りました。
会社のお話を聞き終わって、疲れて、降りていくところでした。落下する自分を感じながら、わくわくと外の景色にみとれていたら、乗り合わせたおばちゃんに話しかけられました。
白いレースの服をきっちり着て、すごくお似合いのお化粧をした、小さな優雅なおばちゃんです。
「あら、就活?かわいくしていらして。」
小さな驚きと精一杯の笑顔で「あ、はい!」
1階につきました。
おばちゃんに先に降りていただいて、私も降りようとしたとき、4歩先でおばちゃんが振り返って、微笑んで言いました。
「頑張って、行ってらして。」
そして堂々とした背中でどっかいった。
わあ。なんて素敵な瞬間。
振り返った笑顔と綺麗なしわと、白いレースと今日のお日様が重なった、真っ白な瞬間。
数秒の出合いと別れ。
忘れたくないから書き残しました。
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