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母の髪の毛が抜けたことで、伝わったこと

まゆみさんが乳がんと診断されたのは、17年前のこと。
高校2年生の長女、中学2年生の次女、娘たちが多感な時期にガンと診断された。

娘たちは、母親からガンになったということ告げられたことより、母親のきれいな髪の毛が抜け落ちていく姿を見て、ガンになること、ガンの怖さを感じていた。そのことがきっかけに、ガンへの向き合う姿勢のバトンが母親から娘への受け継がれていく。

次女の娘さんが、ミスワールドの準グランプリに選ばれた。
彼女のスピーチ、彼女のドレスの色、彼女のミスワールドとしての活動は、乳がん撲滅についてだった。そう母親がガンになり、そのことがきっかけに、母親のガンへの向き合い方を見て、娘さんも自然と体が動いたのであった。

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母親が言葉に出さなくても、大好きなお母さんがガンになったことで感じられたこと、家族だから見れたガンのこと、そのことを広めたい、世の中の人に知って欲しいと、これこそが家族でガンと向き合うことの大切さだと感じることができた。ガン当事者だけでなく、ガンになっていない娘さんがガンと向き合い、活動をしてくれた。

そんな娘さんの母親真弓さん、バイタリティ溢れる女性である。
たまたま中学生の友人からの話がきっかけで検診を受けた、乳がんになりやすい項目に当てはまらないので、自分のことという認識が全くなかった。
病院での初診、まさかの「しこりがあるから、来たんでしょ」と予想もしない回答、頭が真っ白になりながら、検査、入院、手術と時間は流れていった。
結果リンパへの転移もあり、副作用の強い抗がん剤治療が始まった。
彼女の容姿は変わっていく、顔色は悪くなり、もちろん髪の毛は抜け落ちる。当時の女性のガンへのサポートなどは全くない。今は病院に行けば、アピアランス関連の相談窓口がある、ウィッグのカタログなどの情報は多い、Webサイトを閲覧すれば、ある程度の情報はある。乳がんになった経験をブログでインスタで発信している人もたくさんいるが、当時まゆみさんがガンになった時はその辺りの情報は、全くなかったのが現実だった。

治療が進んで、色素沈着のせいか、彼女の頬には大きな黒ずみができてしまい、彼女はとても悩んだ。メイクでの隠し方などが知りたいと、プロの先生の習いに大阪から東京へも学びに行った。
メイクはもちろんウィッグ、私自身治療で変わってしまい悩んだことを解決するための術を学びに彼女は走り出した。

学んだ知識をもっとたくさんの女性を助けたい、彼女は病院の門を叩く、彼女の希望はガン患者の方から料金を頂くのではなく、病院から料金をもらい、病院でサロンを開き、そこに通院で通う女性のメイクをしたり、ウィッグのお試しをしたり、彼女の身につけた知識、スキルを使ってガン患者の女性を変身させたのだ。彼女たちの顔に笑顔が溢れる。容姿がきれいになったことで笑顔になったのはもちろん、メイクをしている時間のまゆみさんとの会話で彼女たちは救われていたのだ。まゆみさんは、メイクはあくまでもツール、メイクをしている時間の何気ない愚痴、人に言えない弱音、乳がんを経験したまゆみさんにだからこそ話せること、その時間がどれだけ多くの女性を救ったのだろう。鏡を覗く自分の顔はきれいにメイクされ、心も軽くなり、一瞬自分が病気だったことも忘れるぐらい、素敵な瞬間、そんな瞬間をまゆみさんはこれからも作り続けたいと思っている。

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そんなまゆみさんだが、乳がんになる前は、専業主婦。
ビジネスなんてすることになるなんて、夢にも思ってなかったという。
ガンになり、自分が経験した体のトラブル、解決してくれる人がいないなら、自分がと強く思ったことが行動になり、そして今がある。ガンになったからこそ、何気ない毎日の空を見てきれいだなと感動し、今年も桜が見れたねと、また来年も同じ場所で桜が見たいと思えるようにもなった。そしてガンになったきっかけで、多くの人たちとのつながりができた。ガンになったからこそ、人とのつながり、その人たちの幸せを願うことができる自分になれたと、彼女は語ってくれた。

コロナ禍になり、彼女の活動が病院内でできなくなり、始めたのがsns。
そして彼女のこれから力を入れたいことは、自分のスキルを多くの方に教えたいということ。
まゆみさんが、直接メイクができる人数は限られているが、これから、多くのガンサバイバーの方に、スキルを身につけてもらって、各地で、同じサービスを受けられるようになれば、全国に笑顔の患者さんが増えることだろう。
まゆみさんは更なる夢に向けての挑戦はこれからも続いていく。

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今回は、人生一番メイクアップアーティストをしている真弓さんのお話でした。

当時は、今と比べて情報も少ない中、ガンになり、子育てをして、さらにメイクのことやウィッグのことを学んで、病院へ交渉しサロンを病院内に作り活動の場を広げたまゆみさんは、本当に素晴らしい活動をされていると感じました。
そして、真弓さんと娘さんのお話も本当に心を打たれました。
母親の髪の毛が抜けていく姿を見て、娘さんたちは本当に感じるものがあったのでしょう。私も4歳の娘がいますが、きっと彼女なりに何かを感じているのだと思います。ガンになって、治療は本人のみだけど、家族みんながガンと向き合う姿、そしてそれがきっかけで繋がる未来、本当に素敵なお話でした。
お孫さんがもういると自己紹介するまゆみさんは、本当にチャーミングで素敵な女性でした。これからのまゆみさんの活動から目が離せませんね。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。


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