なぜ冬に火災が多い?
火災が頻発しています。昨日は秋田県能代市で消防隊員の方2名が亡くなってしまいました。
太平洋側にお住まいの方は、雨や雪がほとんど降らないため、乾燥している実感があると思います。しかし秋田は日本海側で雪が多いはずなのに何故?とお思いの方もいるでしょう。
その疑問を解くカギは「飽和水蒸気量」です。
空気が含むことのできる水蒸気量は、気温によって変化します。
30℃ 30.4g
20℃ 17.31g
10℃ 9.41g
0℃ 4.85g (全て1㎥あたり)
→気温が低くなるほど、空気が含むことのできる水蒸気量は少なくなります。
例:東京 10℃ 相対湿度30% ⇒ 水蒸気量は9.41g×0.3=約2.8g
秋田 0℃ 相対湿度60% ⇒ 水蒸気量は4.85g×0.6=約2.9g。
このように、実際の水分量で考えると、東京の10℃30%と、秋田の0℃60%は同じことになってしまいます。湿度は高かったとしても気温が低ければ、絶対的な水蒸気の量は少なくなってしまうのです。
「気温が低いこと」。これが冬に火災が多い1つの理由であると考えられます。
他にも寒い冬は「ストーブを多く使う」「風が強い」等々、火災が起こりやすかったり、延焼しやすかったりする理由がたくさんあります。
ストーブの消し忘れが無いか、家を出る前に、しっかり確認するようにしましょう!
気象予報士 千種ゆり子
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