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月とハラスメント




占星術の視点から見ると、ジャニーズやタカラヅカ問題の根底にあるものは巨大なハラスメントであり、「月そのもの」です。月こそがハラスメントの大元です。自分が何をしたいのかわからない、本当は何を感じているのかさえよくわからないーーこのような生命としての重大エラー・ヤバい状態に陥らせているのは月意識の連鎖とそれによって作り出された社会構造です。



かの有名な<星の王子様>の中で登場する「APPRIVOISER(アプリヴォアゼ)」は絆を作るーーという意味ですが、その語源は「飼い馴らす、従順にさせる、手なずける」です。ゾクッとするほど怖いですし、何か思い当たりませんか?(特に昭和生まれの私たちにとって)親や教師から受けた教育の背景にあるものは、まさにこの「APPRIVOISER」ではないでしょうか。そうではないと言い切れる方は大変に幸運です。



お父さんは野球選手になって活躍したかったがダメだった。だからお前が成功者になれーー(なんでやねんオマエがやれ)お母さんはお父さんと離婚したかったけれど経済的理由でそうできなかった。だからあなたは学歴と安定した職を手にいれなさいーー(知らんがな一緒にすな)よい人生にするために勉強して良い学校・良い企業に入れ。条件の良い人と結婚せよ。だから女の子らしくあれ、男の子らしくあれーー(ほっとけや)お父さん・お母さんの望むような人間になれ、だから親の言うことを聞けーー



良い人生って何?それは私が決めることでしょ。幸せって何?そんなの私が決めることでしょ。何になるか、どう生きるか、それは私が決めることやろが。ぶっとばすぞおーーという話です。これが人生の初期で与えられるハラスメントの大元です。



ハラスメントとはそうではないですよーーと装うからこそ成り立ちます。これはハラスメントだとわかるようでは成立しないのです。暴力的で支配的コントロール行為をこれは愛情なのよーーと装うからこそハラスメントなのです。処刑やDVは「失敗したモラルハラスメント」であると安冨歩さんは仰いますが、いやあ、全くその通りですよね。



安冨歩さんは社会構造とハラスメント研究の大家であり、以下のように仰っています。「対称性や対等性(お互いの自由意思が尊重される状態)が存在している絆ではなく、非対等性(隠された支配とコントロール)の上になりたつ絆を結ぶことで、それを本当の絆だと思わせて相手を飼い馴らすことができるようになる。これがモラルハラスメントの重要なポイントである。



また、被害者が加害者に対して、そこから離れたいと思うことに罪悪感を抱かせ、その罪悪感を乗り越えるために、相手に対してさらに貢献したい(従順でありたい)と思う心理状態がこれを支えていく。この心理構造は人間の本性に含まれるものでゼロにすることは不可能であり、そこにはそれ相応の効果と役割があったのだが、AIの登場により、もはやその必要性が失われている」


本当にその通りです。土の時代から風の時代へ。一律化された価値観や生き方に固執する理由は消え去りました。しかも、大企業に勤める、条件のよい結婚をする、社会的成功者を目指すーーということの価値さえ壊れています。自分を捨ててひたすら将来の目的のために努力しても、何の安定ももたらさないのですから、もう笑い話でしかありません。



さらに、これまでの社会において、何かの技術や学問的知識を伝承していくことは師弟関係の上に成り立っていましたが、今は相当な専門知識さえもインターネットを通じて得ることができます。情報の共有化です。そもそも情報とは個人のものではありません。AIの登場により、情報が金銭的価値を持つという概念さえ覆されようとしています。価値あるものとして残るのは生身の人間の個性だけです。



月の連鎖はまさにハラスメントです。安冨歩さんの研究されていることは月を具体的に掘り下げる内容であり、月がどのように私たちを蝕んでいるのかが、明白に見えてくる秀逸な内容です。ハラスメントの定義を調べてみると「嫌がらせ。相手を不快にさせたり不利益を与えたりするなど、肉体的・精神的な苦痛を与え、人間としての尊厳を侵害する行為の総称である」とあります。しかしながら、ハラスメント=特定の行為というニュアンスで語ってしまうと正確な解釈がなされません。



なんらかの行為や特定の場がハラスメントなのではなく、社会の構造・これまでの世界の土台自体がハラスメントでできています。私たちは生まれた時からハラスメントを受け続けています。占星術的に言うと、それは月という天体の働きです。



自分らしくある、自分の幸せと喜びを追求する、唯一無二の自分を生きるーーという生命の根源的欲求を、私たちがこの世に生を受けるとほどなく遮断されるのです。それも母親という存在を通じて(母子の関係性をすべてのひな形にして)、その構造の中に投げ込まれます。



人生が上手くいかない、生き辛くて仕方がないーーそれは無意識=闇に、創造性や自由意思、人生のかじ取り・コントロールを奪われているからなのですが・・・でも、月は囚われであり偽りの自己像であるということがよくわからない、あるいは月は欠損であるという話がピンとこないと仰る方は一定数おられます。きっと、占星術的視点という一方向だけでは不完全なのかもしれません。



月がピンとこないというのは、母親から強烈な呪縛を受けている自分自身を意識化したくない強い抵抗の顕れです。人生の苦しみの元凶=月=母というひな形を顕在意識に上げることは、一時的に爆発的なアイデンティティの崩壊を引き起こすからです。これまでの人生は何だったんだ・・・という猛烈な虚無感に打ちのめされます。だから、認めたくないという深層心理が働くのも当たり前の人情です。



月は変化や成長を嫌い、安定と繰り返しを生むという特性があり、恐怖や苦しみや特定の価値観を親から子へ無限にコピーしていくという性質を持ちます。本当の私を認められず、押し付けられた価値観や生き方を受け入れるのは生命にとって地獄の苦しみです。しかしながら、通常は母親から「蜜のように甘い月的愛情」も同時に受けていますから、苦しみの元凶が母親(月)にあると認めるなんて、我々にとって胸が張り裂けそうな二重の辛さです。



しかし、そこを超えていく先に本当の実在・太陽があるのです。(どんなに辛くても、そこを認めて超えていくしかないのです)月でピンとこない場合、占星術や心理学的アプローチ以外の方法があります。月の構造と全く同じ事実を違う側面から伝えている方々がおられます。たとえば、安冨歩さんが代表的です。「私たちの奥底に埋め込まれている<意識化されていない恐怖>がこの社会を動かしている。それが収奪の連鎖を生む。私たちはこどもたちから学びましょう」ーーまさに月の構造です。




上記の動画の中で「恐怖心や怯えによって成り立つ社会や豊かさや生きがいは偽もの」だと仰っています。そして、それは延々に止まない収奪(支配とコントロール)を生むと。親自身が耐え忍んできた苦しみを子にコピーしていくーーそれは人間の本能に支えられています。私が味わった苦しみをあなたも味わえーーという誰もがひた隠しにしている本能的無意識があります。



これは最も見たくない潜在意識なので、通常は自覚できません。私は人や世界の幸せだけを願っているし、私には嫉妬もハラスメント意識もないーーそんなことはあり得ません。顕在意識と潜在意識も勿論、双子性を保っているため、どなたの無意識下にも必ず存在しています。ただ、それを素直に認めるか頑なに認めないかの二種類の在り方が選べるだけです。後者の在り方をしていると他者の目からは一目瞭然ですが、自分自身だけがそれを隠せていると錯覚します。



このような深層心理(ひいては意識の構造)を巧みに利用して成り立つという、驚くほど策士的にできているのが月のシステムです。アメとムチの両刀使い、生存本能に直結した母と子の関係、ーーなどが背景にあり、やがて「支配の連鎖に能動的に従う人間を作り出していく」のがハラスメントです。



自分より弱い立場にある存在(我が子や若者・部下など)に、それぞれが内側に隠している負の意識を次々と連鎖させていく仕組みが見事に完成したのが近代社会です。明らかに、月意識こそがピラミッド構造とハラスメント社会を維持してきたのです。相当に辛い作業ですが、一人一人が自覚してこれを止めない限り、この無限ループは終わりません。


勉強やスポーツなんてやらずにいられない人だけがやればいい、それ以外の人たちはしなくてよい。親の価値観に沿うとか社会的成功を得ることを目的とする生き方、一律化という没個性・競争を目的とする生き方から降りましょうーーと東大教授にまでなられた安冨さんご自身が発言されています。(ネット上の生年月日が合っているならば)安冨さんは月水瓶座で、反転・月獅子座の本当の誇りや自分であることの深い喜びに至り、月水瓶座の自分自身の理想を諦めないことの大切さを身を持って表現されていると感じます。



それをしたところで一銭にもならないのに、やらずにはおられない。それをしたところで承認欲求も満たされず自己価値も上がらないのに、やらずにはおられない。それをやりなさいと誰も強制してこないのに、自発的にやらずにはおられない。そういう位置にあるものだけが「本当にやりたいことであり、やるべきこと」なんですね。



その物差しで測ると「自分らしさ、自分の創造的個性、自分の欲しているもの」は明らかになってきます。好きだと感じること、やりたくて仕方がないものーーそれがわからないなんてもう末期です。はい、私たちはもうとんでもなく狂っているのです。この狂気を直視して一回死んでしまいましょう。そしてこの人生を賭けた茶番を爆笑して、再び歩き出しましょう。



みんなでこども心を取り戻していきたいですね。未来ではなく「たった今の幸せ」を瞬間瞬間、選択しましょう!ここまで来ちゃったんだしw残りの人生のすべてをつぎ込んで、自分を幸せにしましょう。私たちはもうそれだけを取り戻していきましょう♡


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