アライユウサク

建築設計事務所asas共同主催、前橋市立図書館の移転に伴う図書館新本館アドバイザー会議…

アライユウサク

建築設計事務所asas共同主催、前橋市立図書館の移転に伴う図書館新本館アドバイザー会議委員。 デザインとまちづくりを色んな場所で試行しています。 『感想』の蒐集と投稿、編集を通した新たな発見や対話を求めて、街とインターネットを行き来しています。

マガジン

  • 「本の感想」のブリコラージュ

    僕のnoteのメインコンテンツ、本の感想の記事を集めたマガジンです。

  • 「まちをつくる」ブリコラージュ

    まちづくりに関わる者として、 大切なヒントを得て、周りに伝えて行きたいと思った記事のブリコラージュです。 「地方都市のこれから」「市街地で感じる疎外感」等が気になる方へ。

最近の記事

  • 固定された記事

僕がnoteを書く理由─みんなを取り戻す「感想のブリコラージュ」

noteを書くのに、理由は要らないのかもしれません。 けれど、僕には確かに理由があるので、書き留めて置こうと思います。 この姿勢もまた、noteを書く理由です。 冗長になりそうでもあるし、これから続けていく中で編集されていく記事になりそうなので、まずは結論から書きます。 興味を持って頂けたらその先も読んで頂き、共感して頂けたら他の記事にも目を通してもらえたら嬉しいなと思います。 結論:「感想」が好きで、大事だと思うから 題名にはかっこよく「感想のブリコラージュ」と書きま

    • 僕らは「データ」じゃない。「僕らの経験」を取り戻す ─ 客観性の落とし穴 村上靖彦

      心の本領を思い出させてくれる本 「客観性の落とし穴」という本を読んで、 なぜかリスクに怯えている僕の存在と、 その原因である「客観性」という存在と、 怯えを和らげ、優しい世界の見方に導くための 「現象学」という考え方を教えてもらいました。 今日は「客観性の落とし穴」という本の感想を書いてみます。 凝り固まった心をほぐして、 心が本来持っていた豊かな働きを思い出させてくれる本です。 そして、以前より少し自分にも他人にも優しくなれる本です。 客観性を求める学生 著者の村上

      • 脳を叩き起こされる怪本。「自由からの解放」という逆説を考える ─ 暇と退屈の倫理学 國分功一郎

        本日も大変お疲れさまでした。 家に帰ってきて、食事も入浴も済ませて、楽な格好でいつもの椅子に座る。 特にこれといって急ぐ仕事も無く、なんとなくiPhoneを手にとって、 何を考えるでもなく何かのアイコンを押して、 流れてくる情報に漫然と思考を預けて・・・ 特に心が動くこともなく、 ぱたりと、iPhoneを机に置いた時。暇ができて、 「なんとなく、退屈だ」 そんなふうに、感じることがあります。 今日、感想を書く本「暇と退屈の倫理学」は、 そんな「暇」の次に来る「退屈」を掘

        • 本の線引きは「つまり」と「しかし」を掴み取れ ─恐怖の現代文授業の記憶

          晴天に恵まれたGW、皆様いかがお過ごしでしょうか? 僕は妻と子供と出かけて、たくさんのインコといくらかのウズラを見ました。 体が覚えている線の引き方 そんなGWでしたが、今日はゆっくり本を読む時間があり、その内感想を書きたいと思っている「暇と退屈の倫理学」を再読していました。 一度読みましたが、心には響いてくるものの全体の意味を自分のものに出来ていないと思って、線を引きながら、要点をまとめながら進んでいます。 この作業をやりながら、思い出していたことがあります。 それは

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        僕がnoteを書く理由─みんなを取り戻す「感想のブリコラージュ」

        マガジン

        • 「本の感想」のブリコラージュ
          9本
        • 「まちをつくる」ブリコラージュ
          5本

        記事

          詩から「ことば」の力を考える─afterward 松浦寿輝

          このところ、詩の良さに目覚めつつあります。 以前は、読んでも情報として汲み取れない所が多くて、 これって何のために読んでるんだっけ?と思ってしまう節があったのです。 けれども、この本は、エッセイと小説を行き来する超短編集的な読み味もある詩集で、詩の世界への飛び込み方を教えてくれました。 今日の感想は、松浦寿輝著「afterward」です。 ことばで幽体離脱する この作品集を読んでいると、現実から遊離されていく感じがあります。 幽体離脱しているみたいな、ふわっとした感覚で

          詩から「ことば」の力を考える─afterward 松浦寿輝

          「唯識論」と「ダサい」の話

          サウナで哲学(?)する僕ら 私は群馬で暮らしています。 群馬県には、スーパー銭湯がたくさんあり、昨今のサウナブームも相まって全世代の憩いの場と化しています。 僕もそこで憩う人の一人で、週一度位のペースで、整いに通います。 サウナに行きたいなと思ったら、まず声を掛ける友人が居ます。 かなりの確率で一緒に来てくれるので、非常に信頼しています。 彼は読書も考えることも話すことも自然する人で、 黙浴が解除されてからというもの、 サウナの中でも、外気浴のときでも、 その時々読んだ

          「唯識論」と「ダサい」の話

          光栄にも、公式マガジン:【小説】読書感想文に、 『1984』の書評を取り上げて頂きました。 世界の認識が変わった衝撃を書いています。 まだの方は、ぜひ読んでみて頂けたら嬉しいです。 https://note.com/yusaku_arai_asas/n/nae544892d5ec

          光栄にも、公式マガジン:【小説】読書感想文に、 『1984』の書評を取り上げて頂きました。 世界の認識が変わった衝撃を書いています。 まだの方は、ぜひ読んでみて頂けたら嬉しいです。 https://note.com/yusaku_arai_asas/n/nae544892d5ec

          古貸家を掬い、編集する「大利根の貸家」

          僕の本業は、建築設計です。 asas 新井+須藤アーキスタジオという設計事務所を営み、 相方と二人組で住宅や店舗、オフィス等の設計を手掛けています。 日々粛々とデザインを追求していますが、 プロセスから成果まで、いろんな事を考え、気づくこともあるので、 これも形にして残して行けたら良いなという試みです。 仕事記はこんな方々のために というわけで、 今回は、最近工事の始まった「大利根の貸家」の仕事記です。 「空き家問題」「リノベーション」「建築デザイン」 等の話題に興味の

          古貸家を掬い、編集する「大利根の貸家」

          SFサスペンスに乗せて「シュルレアリスム」に浸る──幻詩狩り 川又千秋

          今日も一日、おつかれさまでした。 少しづつ書き溜めている本の感想note。 今日はSF作品の感想です。 思ってたSFとはちょっと違う SFと言っても、まずタイトルから 「幻詩狩り」で、文学系の香りが漂いますし、 読んで見るまで、何なら読み終わるまでSF作品とは思いませんでした。 表紙の抽象的なデザインと、 わかるようでわからない、どこか不穏な感じのタイトルに惹かれ、 読んでみようと思いました。 SFと言うと、何らかの「進歩したテクノロジー」があり、 それが物語をいい

          SFサスペンスに乗せて「シュルレアリスム」に浸る──幻詩狩り 川又千秋

          4月とは思えない暑い一日でした。 今しか楽しめない外の気持ちよさを できるだけ吸い込んでおきましょう

          4月とは思えない暑い一日でした。 今しか楽しめない外の気持ちよさを できるだけ吸い込んでおきましょう

          noteを始めて一週間

          noteを始めて一週間が経ちました。 とにかく自分の中にあるものを 形にしていくのみと思って始めたので、 反応はあまり期待していませんでした。 ほかのSNSでも、そんなに反応をもらえるイメージは無かったので。 ところが意外なことに、 思った以上に多くの人たちが 僕のnoteを読んでくれているようで、 書きがいがあるなと嬉しく思っています。 これまで存在は知っていたものの、 検索で見かけたら読むくらいの付き合いだったnote。 このサービスは、使って面白さがわかるな、

          noteを始めて一週間

          数学から「生きる使命」を考える─哲学的な何か、あと数学とか 飲茶 著

          だれにも簡単に見える数式の正体は、悪魔のささやき。 そそのかされた天才数学家たちは、 「生きる使命」を見いだして戦いを挑み、 苦難の道なかば、次々に倒れていくのでした。 この記事を開いていただいて、ありがとうございます。 今日は『哲学的な何か、あと数学とか』という本の感想です。 著者の飲茶さんは、『哲学的な何か、あと科学とか』 というサイトを運営している、ユニークな作家さんです。 この本を知るきっかけはこのサイトでした。 色々と、人が解決できない哲学的な問いを探すのにはま

          数学から「生きる使命」を考える─哲学的な何か、あと数学とか 飲茶 著

          学び、感じる人への贈り物──正義と微笑 太宰治

          今日紹介するのは、太宰治の『正義と微笑』という作品です。 新潮文庫の『パンドラの匣』などに収録されているほか、 青空文庫でも読むことができます。 この本は、学び、感じる人への贈り物だと思います。 この本に出会ったとき、僕は大学の教育学部に在籍していました。 けれども、余り前向きに選んだ進路とは言えず、馴染めずにいました。 結局は、教育実習を期に、教育現場の闇を見て、 悩んだ末、教育の道を去ることを決めました。 ちょうど、そんなタイミングで開いた本でした。 (今は建築をは

          学び、感じる人への贈り物──正義と微笑 太宰治

          恋をして失ったものと残ったものを考える─マノン・レスコー / プレヴォ

          恋という身体反応 恋は普遍的なテーマです。 多くの人が、一度は経験したことがあるはずの、 コントロールできない感情の暴走。 頭で考える前に体が反応して、胸がきゅっとなったり、 お腹の中でぐるぐると蛇が動いてるような感じがしたり。 「これが恋か」とわかるように、僕たちは作られたのかもしれません。 その力は非常に強く、好きになった相手と一緒に生きていくためのパワーを生み出してくれます。 しかしもう一面では、何もかもを放棄しかねない視界の狭窄もまた副作用としてあり、なにかを失う運

          恋をして失ったものと残ったものを考える─マノン・レスコー / プレヴォ

          雨の日は部屋の中での作業に集中できる。屋根の下に居られる安心感が心地よい。 じっくりひっそり図面を書いています。

          雨の日は部屋の中での作業に集中できる。屋根の下に居られる安心感が心地よい。 じっくりひっそり図面を書いています。

          終末系SFから「仮説の限界」を考える──ホモ・ミラビリス 福原法夫

          1984 (ジョージオーウェル)を読み終わると、タイトルの本がサジェストされてきました。 以前にはサピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)も読んでいたので、 表紙のアンドロイドのようなグラフィックを見るに、何か人類史的なことと、人工知能を絡めて論じるような本なのかなと考えて、 紹介ページを開いてみました。 するとどうやら、人工知能の発達した未来を舞台に、未知のウィルスによる人類の危機をテーマに描かれたSF作品らしい。 興味を惹かれてもう少し調べてみると、著者はウィルス学

          終末系SFから「仮説の限界」を考える──ホモ・ミラビリス 福原法夫