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朽ちる月を去る裏

 百舌鳥が舐める八分音符が不純な綻びを包んだ、
 捩じり出す愛撫の細部が散る瞬間、
 朽ちる月を去る裏、滅ぼすより先に約束で、
 締め上げた睡蓮の、破片、暴れる飢えを背負う。

 渦を成せる開口部の矛盾と慄きの部分、
 作り出す合図、さらば落ちる円環、体散る沿岸の、
 口付けをするウロボロスより咲く収束と、
 尽き果てた永遠の、火炎を、奏でる笛を吹く。

 肛門に焼ける様に互いを吐き、
 境は鏡を飲み込んで、交わり、混ざり、絡み合い、
 互いが花火の奏者の様だ。

 此の共存の嵐に乗じて、
 生身柔らかい妖に赤薔薇を溶かして、
 火も溶けた水面を響かせてやる。


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