シチュー問題

雪を見ると途端に冬の気分になる。

昨日はどうしてもシチューが食べたくなり作ってみたのだが、作るたびにいつもなんか違うなと思ってしまうのがシチューの謎である。まずいわけではないのだが、イメージしている味と違うのだ。ばしっと、これこれ!という出来上がりにならない。私は給食みたいなシチューが食べたい。ロールパンか食パンと一緒に食べたい。のだが、どうも違う。

おそらく市販のルウを使ってしまうのが良くないのだろう。ブイヨンやバターや生クリームのコクなんてものは、もっと「なくていい」ような気がする。今回買ったシチューのルウも、おいしいはおいしいがなんか違うんだよなぁという感じが迫ってきてどうしようもないので、未使用の半分は同僚にあげようかと思いつつある。(同僚には迷惑な話かもしれないが。)
あれこれ市販のソースやルウを試すより、どこか近くの学校にでも給食のレシピを問い合わせた方が早く理想にたどり着くのかもしれない。うーん。

実家はクリーム系の食事は一切作らない家だったが、私はクリーム系の食事がとても好きだ。シチュー、グラタン、ドリア、クリームパスタ、クラムチャウダー、クリームコロッケなどなど。どこで味を覚えたのかといえば、学校、レトルト、コンビニ、冷凍食品、外食チェーンなどである。
外の味がスタンダードとしてインプットされてしまっているがゆえに、私には作って再現することができないのだが、それがどうにも残念で満たされない。趣味的な料理の快感というのは、自分で作ってイメージ通りの好みの味がばしっと決まったときに訪れるもので、たとえるならゴールが決まったような、いいところにジャストミートしたような、そんな満足感なのであるが、それが決して起こらないものだから、欲求不満で燻ってしまう。
買ってくれば話が早いのはわかっている。わかっているのだが違うのだ。作って食べることで得る満足が欲しい。やはりレシピを聞くしかない。しかし誰に?どこに?

これがまだ鍋にたくさんあるのもつらい。いや、おいしいのだけれどね。理想通りじゃないというだけで。
好きだから作るのに却って欲求不満が残るという、創作の悩みのようなものが発生する、冬のシチュー問題である。

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