砂の城

引き続き疲れている。

なんというか、誰かが過去に波打際に造った砂の城を修復・保全する役務を与えられた小人というのがいたら、こんな感じなんだろうな、という気分。
絶えず波や風により浸食されて崩れていくなかで、せっせと城を補修しなければならないが、みんな完成イメージが違う上に、できた時の姿を知る人もない。カニや貝も好き勝手に入り込んできて穴を開けるし、海藻や棒切れなんかも引っかかる。たまに何人かの子どもがやってきて、城を崩したりあれこれいじって去っていく。徒労感と戦いながら、少しでも住みやすい城にしたいが、持ち場も曖昧でころころ変わる上に、現場監督はどこにもいない。そんな感じ。

でもそれはどこもそうでみんなそうで、そもそも世界はそういうものなのかもしれない。別のところに行ったとしても、そこはそこで同じように変化消滅へ向かっていて、いろんな空洞があって、できることはちょっとの補修だけで、消滅をほんの少し遅らせるだけ、なんだろう。

だから、世界を嘆いてもしかたがないし、なんかもう補修頑張るの疲れたな、と、思うときがあってもしょうがない。そのように思おう、と思った今日この頃だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?