立冬、気が滅入る

大学では冬の始まりとともに各部署で次年度の準備が始まる。

この時期の全学的な関心事といえば、予算編成である。
株式会社であれば、決算と株主総会がおおごとであるだろうけれど、大学では予算編成がおおごとだ。
なぜ全学的な関心事でおおごとなのかと言えば、予算を考えるのが業務担当者で、ほぼ全員何らか関わってくるからだ。

ここでは、トップや経営者自身が、どこにいくらかけるか、来年は何をどうするか、というのを自ら考えて決めて采配しているわけでは「ない」。このあたり一般の企業と最も異なる部分かもしれない。
よそはどうか知らないが、勤め先の大学では、各部署で実務を担当する末端職員、各学部の各委員会の担当教員が分担して各事業に必要な額を予算要求する。
下が、次年度は何にいくら使うのかを予算書というものに起こして要求し、それが集約されて査定・調整され、次年度の財布が決まるのである。最初入ったばかりのときは、は?と思った。

下が案を作るわけであるから、とうぜんに、セクショナリズムが働く。
そして毎年削減目標が設定されているので、これまたセクショナリズムが働く。
うちでは絶対このくらい必要だ、これはうちの本来業務ではない、うちがやるのはここまで、等など、部署間の業務の押し付け合いと、いさかい・いがみ合いが多発し、所属長の政治力がものをいう。
トップが交通整理をしてから指示がくればいいのだけど、永遠にそうはならない。
お金や業務については上がちゃんと理解して配分するべきだと私は思うのだけれど。コロコロかわるからそれも無理なんだな。

ほんとうに気が滅入る時期。
だって予算だ。お金を使う計画だ。計画でしかない。
計画事よりも、実務の方に時間と精神力を使いたいものだよ。

※ちなみに事業計画も全く同じ構図。
異動により業務知識が新人レベルの人が計画を立てたり物事を決めたりしている。どうかしてると思っている。

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