ギスギスの原因

簡単にものを頼む人にイラッとする。
頼まれごと自体は、仕事なので別にいいのだが、なにがひっかかるのかといえば、こちらの都合を考えないその身勝手さである。大概頼み方が悪い。
「○○から△△の照会が来たので××を提出してください、締め切りは○月○日17:00厳守です。以上。」
みたいなのを見ると、知ったこっちゃねーよ、というのがファーストインプレッションである。(最近どうも口が悪くていけない)

私は前職の習性か、全体を見通せないことがすごく嫌なので、ざっくりとガントチャート的なものを引いて自分の業務を管理している。
会社であれば、いまはこのくらいの作業が入っているからここまでは受けられるがこれ以上はむり、みたいな交渉が可能なのだが、ここではあまりその概念がなく、交渉の余地はない。拒否もできなければ延期もできない。代替案の提示もできない。ただ、黙ってその通りに引き受けるしかない。
そうであるなら、せめて人に頼むときくらいもう少し頼み方があるのでは、と思うわけだ。

入職してからずっと違和感があるのだが、お上は平然とそういうことをしてくる。
みんな時間は無限に湧くと思っているのか、こちらの都合はお構いなしに、照会(アンケートや調査統計の類)をどんどんかけ、制度をバンバンリニューアルし、ちゃんとやれているか評価・点検・チェックリスト・報告書の類を作らせ提出させる。もう少し本業の方に専念させてほしい。まぁ書類作成が本業といえば本業なのだけれども、もう少し教員や学生や直接かかわる相手方の方を向いていたいんである。

以前に勤めていた会社で、誰かが辞めるときに言っていた。
「仕事はぷよぷよみたいで、片付けても片付けてもお邪魔ぷよがどかどか降ってくる。ふちのぎりぎりのところであっぷあっぷしている日々だった」
と。
ぷよぷよとはまさに言い得て妙だと思った。
ここでは、振り出されるお邪魔ぷよをブロックできない。
政府のやりたいことだったり、文科省が誘導したいことだったり、学長のやりたいことだったり、発生源はいろいろだが、どれも形としては同じだ。つらい。

でも、まだ事務職はいい方だ。イラッとはするものの、お互い様だし、交代でチームでみんなでやれる内容も多いので、折り合いもつく。
だがこれが教員の場合は、バイネームの仕事がほとんどであるため調整が利きづらい。裁量労働であっても、降ってくる仕事にはほんとうに拒否権がない。裁量がきくのは自分の研究のところだけだ。だからそこがどんどん縮小されていってしまう。

拒否できない研究外の仕事が多すぎるあまり、研究できる時間を持てることがうらやましさの対象となり、やがて研究時間を持てているようみえる他の教員のことを「ずるい」とみなすようになり、負担の不公平さに不満が爆発する。
たとえばだが、先生らは他大学で非常勤講師をやっていてもそれをあまり大っぴらにできないし、研究関係で出張が続いて不在がちだと、他の教員からは怒りを買う。なぜなら、「暇なんだな」と思われ、そんな時間があるならこっちの仕事をやれ、と思われるからだ。教育・研究が本務であるのに、ね。

頼む方は勝手に決めて相手の都合を聞かないこと。頼まれる方には拒否権がないこと。
職場のイライラやギスギスの原因のひとつは絶対これだと思っている。

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Par-Par-T

元文芸部員。大学は文学部を卒業、文学研究科(博士前期課程)修了。かつて東京でSEをやっており、現在は地方の大学職員。 私が何を考えるどんな人物であるかは、マガジンの「自分のコア」を読んでもらえると、なんとなくわかるのではないかと思います。

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