穴を塞ぐ

すっかり雪もとけて、まだ空気は冷たいものの日差しはあたたかい。このところ毎日白鳥の飛び立つ群れを見る。そして穴ボコが増えた道路を見て、ああ春なのだなと思う。

先日突然の出来事があって、いきなり大型タスクが降ってきたので、わたわたと手続きや必要な作業を進めている。これについては落ち着いたら書くこともあろうかと思う。理不尽といえば理不尽かもしれないが、ある意味で私には救いでもあった。いずれ、いい方向に進むだろうと思える。

その上で今とくにほっとしているのは、担当業務にも動きがあって、この数年私をひどく疲弊させていた業務上のとある問題がどうにかこうにか決着がつきそうになったことだ。

負の遺産とでも言うのか、やっているのも続けるのも間違いで、こんなものを次の人に当然の業務として渡すようなことは絶対にしたくないとずっとずっと思っていた、憂鬱さの半分くらいを占めていたとある仕組み。これが、この度めでたく解消される見込みとなった。たとえるなら、道に大きな穴ボコがあって、それが道路管理者に修復されないままのため、担当がそこに自ら嵌って塞いで、かろうじて車を通してきた、というようなこと。これが、その道を通らないように別の道を通ってもらえることになった。おかげで、なんだかなと思いながらもやらざるを得なくてやっていた数々の業務が、今後発生しなくなった。実にめでたい。

そうなったのは、道には穴ボコがあることと、それを担当職員が善意で体を張って塞いできていること、またそのやり方は道として不安しかないことを、道の管理者に訴えたことによる。誰も見向きもしない道の穴についてアラートを出すことに意味があるのかと思ったこともあったが、人の巡り合わせもあって、今回は聞き入れてもらうことができた。事実を示してアラートを出してきたことは間違いではなかったのだなと思う。

問題はまだ山積みで、穴だらけで、新たにあちこちにヒビが入ったり穴ボコがあいたり、ため息つくようなことはなくならないのだが、少しはマシな世界になったのかなと思うと、苦しかった日々も少しは報われた気がする。

雪がとけると発生する道路の穴ボコ、これが毎年ちゃんと直されるというのは、実にありがたいことだなとしみじみしながら、どこの業務もそうであってほしいと願った。

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