好きになればなるほど嫌われてしまう(1)
私はなぜか仲良くなった女の子に嫌われてしまう。
クラス替えで疎遠になったとかじゃなくて、前日まで仲良くしてたのに今日は無視。ガン無視。みたいな。
これまでの人生で2回そんな目にあった。
1人目の女の子「ようちゃん」
小学校3年生のときの、ようちゃんというトモダチ。
私もようちゃんも男兄弟にはさまれた、真ん中っ子。
二人とも髪が長くてポニーテール。
私はようちゃんが大好きで、似たような服を着るための『お揃いカレンダー』なるものを作ったりするくらい。
「明日はギンガムチェックのシャツに、黄色のショーツね!」
と話すのが楽しかった。
大好きなようちゃんと同じ格好ができるのが嬉しかった。
お互いの家に泊まり合ったりもしたし、毎日一緒に帰ってた。
それくらい仲がよかったのに…。
あの日は書き初め大会があって、私の書いたものが賞をとった。
でも、ようちゃんは賞がもらえなかった。
帰り道、校舎を出たようちゃんに声をかけた。
「ようちゃ〜ん!」
「…」
スタスタと振り返らずに歩き続けるようちゃん。
「(聞こえなかった?) ようちゃ〜ん!ようちゃんってば!」
「…」
とりあえず歩き続けるようちゃんに追いついて話しかけてみた。
「どうしたの?なんでしゃべらないの?」
「…」
だんまりを決めこむようちゃん。
どう話しても答えが返って来ないから、私は別の子と帰ることにした。
悲しいとかそんな気持ちはなくって、私はようちゃんに無視されたことに怒ってた。
きっとあれだ、私が賞をとったからだ。
習字教室ではようちゃんのほうが級が上なのに、私が賞をとったことが嫌だったのか。
でも、そんなの私にはどうしようもないじゃん!
と、煮え切らない気持ちのまま家に帰った。
そのうちほとぼりが冷めて、私たちはまた仲良くなった。
でもまた事件が起こる。
私の上履きが消えた。
「上履きがない!」
って騒いでたら、数人のクラスメートとようちゃんが探してくれた。
「あった!」
ようちゃんが見つけてくれた。
どうやら階段の下に置いてあったらしい。
上履きにダメージはなし。よかった!
このあと2回くらい上履きが無くなった。
回数が増えると上履きが隠されているところが遠くなって、最後は校庭の溝の中に置いてあった。
見つけてくれるのは、いつもようちゃん。
さすがに犯人がだれだかわかった。
そう、ようちゃん。
あー、もうだめだ!
トモダチ無理!
ようちゃんを問いつめるようなことはしなかったけど、距離を置くことにした。
ようちゃんとは違うなかよしグループを作ったし、遊ばなくなった。
あんなに大好きだったのに、どうして嫌われちゃったんだろう。
なんか悪いことしたのかなー。
けっこう今でも不思議に思う。
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