破壊的イノベーションは自己犠牲を含む

最近、冨山和彦さんの発言が私を深く納得させた。初めは、日本のベンチャーはどうして増えないのかという問題を日本の深い複雑な経済体系と狭いコミュニティーがベンチャー企業のグローバル化を阻んでいることを指摘していてすごく納得感があったことがあったのが始まりである。私がこうまとめてみるとかなり薄っぺらい内容になっているが極めて日本の現状の課題を明確に指摘していると感じた。


そして今朝、両利きの経営者になるために何が必要かというYouTube上に上がっていた公演の内容を見た。


両利きというのは、日本の得意な改善を前提とするPDCAを回していくというような次の目標が現状持っている技術や資源を前提にして小さなイノベーションを起こしていく経営者としての能力に加えて、時々生まれる破壊的イノベーションに対応するために大規模な事業再編や投資を行える能力両方を兼ね備える必要があると述べているのである。

iphoneが生まれたときや、半導体、液晶パネルなど大きく産業構造が変化する際に経営者は反対を押し切ってでも早期にその部門を売ったり、切り離したりする行動をとり、これまでの産業構造に囚われていはいけないということを述べているのである。

リクルートなどは上手いが、彼らは自分たちが集中すべき課題というのを理解している。競争が激しくなった部門において、その戦いに体力が必要だと見通しが立ったのなら、その戦いに勝てるように全力でリソースを注ぐか、その部門を切り離すかという選択が必要である。それらが出来ず中途半端な選択をとった結果がこの日本の30年であったであろう。

世の中はトレードオフである。嫌われることを恐れて、責任を取ることをを恐れてあれもこれもでは、まったく何もしていないのと同じであろう。

やはり終身雇用制度というのは大きな足かせなのかもしれない。日本の社会人の平均学習時間は6分という統計がある。これらは、労働市場にほとんどの流れることがないから自分の市場価値を高める必要がないと考えているからではないだろうか。また、終身雇用制度があることが原因で事業再編など時間がかかってしまう。DXのイノベーションにもおじさんに対して再教育という形でDXを進めていこうとする。これでは、スピード感もなく、業務の効率化も果たして達成されるのかいささか疑問である。

やはり日本の停滞というのは、政府や制度の問題もあるとは思うが、終身雇用で守られた立場からしか変革を求めない国民の覚悟のなさでもある。本当に日本を再興させることを考えると様々な立場を脅かすことになるだろう。それを成し遂げられるほどの為政者が運よく日本に現れるのであるだろうか。それが私であることを切に願いたい。

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