一日も早い単行本化が期待される丸山茂雄さんの「私の履歴書」

7月31日(日)、日本経済新聞の朝刊に掲載されている「私の履歴書」の2022年7月期の連載が終わりました。

今回はソニー・ミュージックエンターテインメント元社長の丸山茂雄先生が30回にわたって執筆を担当されました。

EPICレーベル、ソニー・コンピュータエンタテインメント、プレイステーション、ソニー・ミュージックエンタテインメントと、私もよく知る名前のいずれにも携わるのが丸山さんであるということを知ったのは、今回の連載の大きな収穫でした。

また、CBSソニーレコード時代には、歌謡曲全盛の中でロックを前面に押し出し、ソニー・コンピュータエンタテイメント時代には任天堂のファミリーコンピューターに対抗すべくナムコの力を借りつつハードとソフトの両面からビデオゲームの新機軸を打ち出し、さらに韓国のエンタテインメントが傍流であった2000年代初頭に「ハイヒールを履いたアスリート」の真価を見出して日本へのKポップの本格的な紹介に寄与したりと、紆余曲折を経ながらもそれぞれの時代の局面を開拓した様子は、興味深いものでした。

何よりも印象的なのは、丸山さんのご尊父が「丸山ワクチン」の丸山千里博士という話題です。

すなわち、東京都立小石川高等学校時代の丸山さんが「今は本気を出していないだけ、勉強すれば医学部にも合格できる」と思っていたところ案に相違した結果となった際、悲しそうな表情をしたという逸話は、日本の医学史に欠かすことのできない人物の家庭人としての一面を描き出す、興味深い場面でした。

小石川高校時代にラグビー部に入り、旧制府立第五中学校以来の自由闊達な校風を満喫し、早稲田大学に進学した後も後進の指導に尽力される様子も大変感慨深いもので、今回の連載が一日も早く単行本化されることが期待されるところです。

<Executive Summary>
Shigeo Maruyama and Half His Life Seen from My Résumé (Yusuke Suzumura)

Mr. Shigeo Maruyama, the Former President of the Sony Music Entertainment, writes My Résumé on the Nihon Keizai Shimbun from 1st to 31st July 2022.

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