昨日、京セラドーム大阪において2023年の日本選手権シリーズ（日本シリーズ）の第7戦が行われ、阪神タイガースがオリックス・バファローズに7対1で勝利し、通算4勝3敗で38年ぶり2度目の日本シリーズ制覇を成し遂げました。

今季のタイガースが見せた粘り強さと安定した試合運びが日本シリーズでもいかんなく発揮されました。

特に、第1戦で村上頌樹投手が前年まで1軍の試合で無勝利ながら、日本シリーズを含めたポストシーズン初登板で勝利を挙げるという快挙を達成したように、昨年までの実績のある選手に加えて新たな選手が台頭し、確かな結果を残したことは、タイガースの大きな強みの一つであったと言えるでしょう。

一方、同じ第1戦において、バファローズは主戦投手であるとともに現在のプロ野球界における最高の投手でもある山本由伸選手が登板して敗北を喫したことは、短期決戦とも称される日本シリーズにおける試合運びの難しさを人々に教えるとともに、必勝を期した試合で勝ちを収められなかったことがその後の6試合の行方に少なからぬ影響を与えたことを推察させます。

今回の結果をみると、タイガースは今後も古豪の名にふさわしく力強い試合運びで日本シリーズの常連となると予想することが出来るかもしれません。

しかし、2011年から2020年の10年間で7度にわたり日本シリーズで勝利したソフトバンク・ホークスがその後は以前のような顕著な成績を残せていないこと、さらには1985年に圧倒的な強さで「日本一」となったタイガースそのものが翌年から低迷に直面したことを考えれば、勝負の世界において勝ち続けることがどれほど難しいかは、論を俟ちません。

それだけに、来季以降のタイガースがどのような実績を残すかという点は、タイガースを応援する人たちに限らず、その他の人たちにとっても大きな関心事となります。

そして、タイガースの選手たちの偉業を讃えるとともに、最後まで勝利を目指して持てる力を発揮したバファローズの選手たちの健闘も称賛し、例年にも増して魅力に満ちたプロ野球の2023年のシーズンが無事に幕を下ろしたことを喜ばしく思うところです。

<Executive Summary>
Celebrating the Hanshin Tigers' Victory for the Nippon Series 2023 (Yusuke Suzumura)

The Hanshin Tigers defeated the Orix Buffaloes at the Seventh Game of the Nippon Series 2023 and became the winner of the Series on 5th November 2023. It is the 2nd time for the Tigers to win the Championship since the season of 1985.