【聴講報告】シンポジウム「現代フランス哲学から見る〈共生と責任〉の問題」

本日、14時から17時56分まで、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター(UTCP)によるオンラインシンポジウム「現代フランス哲学から見る〈共生と責任〉の問題」を聴講しました。

今回は、現代フランス哲学を専門とする研究者4人が「〈私たちは、いかにして他者と共に生きるのか〉という共生の問題や、〈私たちは、他者に対していかなる責任を有しているのか〉という責任の問題」[1]についてそれぞれの専門分野から報告を行いました。

報告者及び論題は以下の通りでした(敬称略)。

(1)石井雅巳(慶應義塾大学)/「レヴィナスにおける倫理と正義:向き合うこと、ともに生きること」
(2)山野弘樹(東京大学)/「リクールにおける「共生」と「責任」の問い--同じ時代を生きるということ」
(3)福井有人(東京大学)/「霊性と共生--ミシェル・ド・セルトーと不在者の問い」
(4)清水雄大(獨協大学)/「共生と責任--フーコーから考える」

哲学を専門としない一般市民に広く門戸を開き、可能な限り専門用語を用いることなく平易な言葉で最先端の研究の内容を報告することは、学術研究の成果の社会への還元という点で、UTCPにとっても意義深いものであると言えるでしょう。

それとともに、発表用の資料の体裁や質疑応答の形式なども、初学者や専門的な訓練を受けていない参加者がより容易に参加できるように工夫が施されていることは、興味深いものでした。

次回は今夏にジャック・デリダを取り上げる企画が開催される予定とのことで、今から興味深く待望されるところです。

[1]【公開哲学セミナー】 シンポジウム「現代フランス哲学から見る〈共生と責任〉の問題」. 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター, 公開日未詳, https://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2020/05/post_210/ (2020年5月30日閲覧).

<Executive Summary>
Online Symposium "Problems of <Cohabitation and Responsibility> Seen from Modern French Philosophy (Yusuke Suzumura)

The University of Tokyo Center for Philosophy held an online symposium "Problems of <Cohabitation and Responsibility> Seen from Modern French Philosophy" was held on 30th May 2020. In this time four researchers made presentation respectively.

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