NHK交響楽団第2008回定期公演

昨日と本日、NHKホールにおいてNHK交響楽団の第2008回定期公演が行われ、私は本日の公演を鑑賞しました。

今回はブルックナーの生誕200年記念として、交響曲第7番が演奏されました。指揮はクリストフ・エッシェンバッハでした。

緩やかな構えから無駄な力を省いたエッシェンバッハの指揮は一見すると軽やかなものです。

しかし、厚みのある低音が綿密に練習を行ってきた成果と相俟って作品の持つ晦渋さと朗らかさとを調和させることに成功しました。

第1楽章のホルンや第3楽章のトランペットなどは、楽章の始まりでやや演奏が乱れる場面があったものの、概して悠然とした速度は作品の構造と輪郭を鮮やかに描き出すだけでなく、例えば第2楽章の弦楽器の円やかさを含め、聞き応えのある仕上がりとなりました。

一方、舞台下手から指揮台を往来するエッシェンバッハは上半身を動かさず、すり足で一歩ずつ確かめるように歩いていた様子は気になるものでした。

もちろん84歳という年齢を考えれば相応の現象かもしれないものの、これからも永くその演奏に耳を傾けたいと思う聴衆からすれば、必ずしも安閑とできる光景ではありません。

残念ながらエッシェンバッハは来季は定期公演への出演の予定がないため、2025-26シーズン以降に再びその指揮に接することが待望されます。

<Executive Summary>
The NHK Symphony Orchestra the 2008th Subscription Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the 2008th Subscription Concert at the NHK Hall on 19th and 20th April 2024 and I participated in the second day. In this time, they performed Bruckner's 7th Symphony. Conductor was Christoph Eschenbach.

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