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国旗の図鑑、全3巻

唐突だけど、今回は宣伝を。

1年延期されたオリンピック・パラリンピックの東京大会が、もうじきはじまる。しかしながら、日頃から報道されているとおり、いろいろとイレギュラーなこと続きで、わたしたちの日常も落ち着かないままだし、政治も迷走しっぱなし。従来のオリンピックとはずいぶんと様子の違う大会になりそうだ。

実はわたしは、スポーツにはそれほど熱心ではない。だから、スポーツイベントで世間が盛りあがるときは、なんとなく肩身がせまい。わたしの冷めた態度が、せっかくの盛りあがりに水をさしてしまうかもしれないからだ。

ノリの悪いわたしでも、オリンピックなどの大きな国際大会では、とても楽しみにしているものがある。

それは、開会式。とりわけ入場行進が楽しみ(←「いや、それスポーツじゃないよ」とよくつっこまれる)。その理由は、参加国の国旗が見られるから。

わたしは子供のころから国旗が大好きで、大人になっても、つねに国旗や地域の旗、関連する紋章、背景にある歴史や政治運動など、とにかく情報を収集しまくっている。

世界中に200近い国と地域があるわけだけど、だいたい毎年どこかで変更がある。だから、4年に1度のオリンピックイヤーには、国旗の書籍があらたに出版されるし、既存の書籍も改訂版が出る。

関心がないと気がつかないことかもしれないけれど、オリンピックの年は、国旗図鑑の出版ラッシュでもある。もともと東京オリンピックが予定されていた昨年も、たくさん国旗の書籍が出版された。

そんななか、昨年のはじめにひっそりと出版された国旗の書籍がある。

その名もそのまんま、『国旗の図鑑』。児童書を専門に出している”あかね書房”さんから。地域ごとに3冊にわかれていて、国ごとに1ページが割り当てられている。テーマごとのコラムのページもある。

もったいぶって書いているけど、実はこの『国旗の図鑑』全3巻、わたしが監修した。わたしが日本旗章学協会に所属している関係から、監修のおはなしをいただき、かかわらせてもらえた次第。

「ひっそりと出版された」と書いたけど、それは一般書店にならぶ販路ではなく、学校や図書館を対象にした販売だったから。だから、発売当初は書店の国旗本コーナーにはならんでいなかった(※版元の情報だと、今はいくつかの大型書店では取り扱いがあるみたい)。

しかも、タイミングが悪いことに、出版された直後には、全国の学校は臨時休校。図書館も閉鎖されてしまった。だから、せっかく納本されていても、学校関係者や子供たち、図書館の利用者の皆さんの眼に触れる機会は、ほとんどなかったようだ。

それでも最近、ちらほらと「図書館で見たよ」と教えてくれる方がいらっしゃる。監修者として、とてもとても嬉しい。

うちの子も、学校で先生に話したらしい。学校で購入しようという話も出たそうなのだけど、予算の都合でかなわなかったとか。だけど、司書の先生が個人で購入してくださって、職員室で回覧してくれたという話も聞いた。ほんとうにありがたいことだ。

ここであらためて、その『国旗の図鑑』について。以下のリンクは版元のあかね書房さんのウェブサイトより。

学校図書がターゲットとあって、製本がとてもしっかりしている。紙も厚めで、子供たちによるタフなあつかいにも耐えられる。そして図版の発色がとても良い。さすが児童書専門の版元と編集プロダクション。うちあわせでも、その出力については並々ならないこだわりが感じられた。

各巻の巻頭に、「国旗ってなんだろう」と題して、わたしのメッセージが載っている。せっかくなので、以下に引用しておく。

 みなさんは国旗をどこで見かけますか?
 スポーツの大会やニュースなどでテレビ画面に映ったり、お店では。輸入品の産地を示すのに表示されていたり、気をつけていると意外と見つけられます。
 世界には200近い国ぐにがあり、それぞれ独自の文化と歴史があります。人それぞれに個性があるように、国それぞれに個性があり、協力してうまくつきあっていくには、それぞれが尊重されなくてはなりません。国旗は国を代表するものですから、人と同じように国旗についてもよく理解し、大切に接することが必要です。
 地図帳などで紹介されている世界の国旗を見ていると、日本の国旗はとてもシンプルなのに、他の国旗は色とりどりで、どうしてそんなに違うのかと不思議に思うのではないでしょうか。私も小学生の頃にそのように感じていました。大人になって世界を旅するようになり、国旗にはその国の歴史や文化が繁栄されているからこんなに違うのだと実感しています。
      (中略)
 本書をきっかけに、国旗のデザインと意味についてよく知り、世界中の国ぐにと人びとについて関心を深めてもらえたらとても嬉しく思います。
                         監修 桂田祐介

オリンピックの観戦のお供として見るには、ちょっと大がかりな書籍だけど、そのぶん、各国のページにさかれている内容は、類書以上に充実していると自負している。

小中学生が対象ということだったので、書ける内容に限界があるにはあった。だけど、とくに旗にまつわる文化や歴史の側面については、なるべく知的好奇心を喚起できるような内容をくわえてもらった。

きっと3年後のパリ大会のときには、領土や地名、もしかしたら旗に変更のある国がきっとあるだろうから、改訂の必要が出てくるかもしれない。

この『国旗の図鑑』全3巻が出たのは、パンデミックの直前。もう戻れないコロナ前の最後の世界についてまとめられていると言える。

どのぐらいの学校、公立の図書館におさめられているのかは知らないのだけど、もし機会があれば、探していただけるととても嬉しい。図書館でみあたらなくても、購入のリクエストをすることができる。

現在、Amazonや楽天、ヨドバシカメラ、それに絵本ナビさんなどの通販サイトでも購入できる。3冊まとまったボックスセットもある。

もし国旗に関心のある方がまわりにいたら、この『国旗の図鑑』をすすめてもらえるととても嬉しい。もちろん、直接購入していただけたら、とってもとっても嬉しい。

以上、唐突の宣伝でした。



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