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19歳で薄毛に悩まされた僕はコンプレックスで悩む人を笑顔にしたい

こんにちは!ニコリーの檜垣(@yusukehigaki22)です。

当然ですが、このnoteを見てくれている皆さん。

自分のおでこを晒せますか?

「え?どういうこと?」と思う人が大半かもしれません。

じつは僕は自分のおでこを晒すことに死ぬほど抵抗があります。

おでこを晒すくらいなら下半身をさらすのほうがまだ抵抗がありません。

どういうことかというと、そう、薄毛、です。

実は僕は19歳から髪の毛が抜け始めて、かれこれ10年。ずっと薄毛というコンプレックスと付き合ってきました。

とはいえただ手をこまねいていたわけではありません。

薄毛については全力で立ち向かいました。

薄毛専門病院と一般皮膚科の2つに通い、9年以上薄毛治療の内服薬を飲み、シャンプーは皮膚科でしか売っていない低刺激のものを使い、シャンプーの後にはイソジン(これも処方されたもの)で頭皮の除菌を行い、ドライヤー後には保湿剤を塗る。

こんな生活を続けてきました。おかげ様で19歳のときに予測したスピードよりは進行が遅くなっていて、29歳のいま人並みかそれよりちょっと少ないくらいに収まっています。

今回はそんな僕がいまコンプレックスに関わる事業をしていて、ようやく自分自身、コンプレックスを克服しかけられている、そんなことを書ければと思っています。

この文章が薄毛に限らず、あらゆるコンプレックスで悩んでいる人を少しでも勇気づけられれば嬉しいです。



今回僕は、このnoteはすべての自分をさらけ出して書くつもりでいます。綺麗事は書きません。

なので、文章を書き始める前に、自分の覚悟として、コンプレックスを乗り越えてやったんだぞ、という覚悟として、おでこの写真を晒そうと思います。

ほんとに見ている人にとっては謎な写真でしか無いと思うんですが、自分としては清水の舞台から飛び降りるつもりで公開します。

では・・。





……!


よければ最後までお付き合いください。

薄毛コンプレックスは突然に

それは本当に些細なきっかけでした。

大学2年生の夏、何気なしに自分の髪の毛を鏡の前でかきあげてみたところ、生え際のところが少し薄くなっている気がしたんです。

そのときは「あれ?」という感じでしたが、一方で「まさかな」という気持ちでした。

その時まだ19歳。自分の髪の毛が薄くなるなんてことは想像したこともありませんでした。

ただやはり気になってしまい、それから何かにつけて髪の毛を鏡の前で持ち上げてみる日々がはじまりました。

そして、それは徐々に確信に変わっていきます。

「俺、髪の毛薄くなってきてる…」

その時の絶望はいまだに忘れられません。

曲がりなりにも中学受験、大学受験と成功して「自分はラッキーな人間、人生は最高だ!」と本気で思っていました。

そんな自分に突如として現れた、早すぎる薄毛の到来。

どう受け止めてよいかわかりませんでした。

これは本当になった人にしかわからないと思うのですが、自分の努力の及ばない範囲で、勝手にドンドン自分の理想と離れた見た目になっていく。

こんな恐ろしいことはないです。

しかも当時大学生でおしゃれしたい盛り。全力で人生の夏休みを謳歌すべきときに、とんでもない足かせをはめられた気分でした。

とにかく何をやっていても「俺は将来ハゲるんだ…」というのがふっと頭をよぎってはズーンとテンションが下がる。

そんな繰り返しでした。

いまでこそなくなりましたが、当時は通行人の髪の毛を見るのがクセになっていました。

どんなに大変そうな人を見ても(べつに髪の毛薄くないし、いいじゃん…)と本気で思っていました。

対策を探すも何を信じてよいかわからない

もともと行動力のあるほうだったので、対策に動いたのは早かった気がします。

友達には相談できないので(19歳のころに周りで薄毛で悩んでいる人なんていないと思ってたし、相談すること自体が恥ずかしかった)、とにかくPCで対策を調べまくっていました。

薄毛で悩んでいる人はとても多いみたいで、沢山の情報がネット上にはありました。

・風呂上がりすぐに頭皮マッサージを続けるといいらしい

・クシはイノシシ毛のものが良いらしい

・飲み薬があるが副作用としてEDになる可能性があるらしい

・朝シャンはかえって薄毛を助長させてしまうらしい

・薄毛は遺伝なのである程度はどうしようもないらしい

ただこれらの情報をみてもイマイチ何が正しくて何が間違っているのかわかりませんでした。

さらには明らかにアフィリエイトサイトで特定の商品を押しまくっていたり、情報商材を売りつけようとするサイトまでありました。

よくある情報商材系って、みなさんがご想像する通り、めちゃくちゃ怪しいサイトじゃないですか。

(こんなのに引っかるやつがいるのか…?)

と思うでしょう。僕も完全にそちら側の人間なのですが、本当に悩んでいるときって、読んじゃうんです。

怪しいと十二分に理解しながら「3ヶ月で薄毛を完全に克服しました!」といった強烈なワードに惹かれて、読み進めてしまうんです。

そういった情報サイトで購入することは、ついぞなかったものの、それくらい心が弱っていたんだな、と思っています。

19歳、薄毛の病院にいく

そんな中、唯一信用できそうだな、と感じたサイトがあります。

薄毛で悩んでいた方が書いたブログでした。そのサイトには広告のようなものが一切貼っておらず、時系列の写真つきで公開されている日記をむさぼるように読み進めました。

そのサイトからわかったことは、

・薄毛専門の病院がある

・飲み薬メインの治療になり、多くの場合効果があるらしい

・金額は毎月3万円くらいかかるらしい

ということでした。

僕自身、自分一人で育毛剤などを使いながら対策を行っていくのは限界があると思っていたので、最初から専門家である医師の力を借りながら対策をしたいと思っていました。

そのためこのブログで紹介されているクリニックにすぐ電話。1ヶ月後なら予約が取れる、とのことで、その1ヶ月後、まだ19歳の僕は薄毛専門クリニックのドアを開けることになるのです。

薄毛専門クリニックで受けた衝撃

東京駅にあるそのクリニックにいくまでは、かなり緊張していました。

知り合いに会うんじゃないかとか、受付の人が女性だったら嫌だな、とかそんなことを考えていました。

そしてクリニックに到着。

クリニックに初めて入ったときの衝撃は未だに忘れることができません。

なんと、その場にいる患者さんがみんな髪の毛がフサフサだったんです。

「この人が薄毛で悩んでいるの…!?」

と思う人ばかりでした。

そしてそれはおそらく自分にも言えることでした。僕もその当時は別に他人から見たら薄毛でもなく、人並みでした。

結局、完全に髪の毛がなくなってしまった人は、むしろこういったクリニックには来ず、自分のように抜け始めて恐怖にかられて来る人が多いのだな、と妙に納得したのを覚えています。

その後、一通りの説明を受け、医師の診断になるのですが、そこで衝撃の事実が。

「未成年の方の治療には親の同意書が必要となります」

これにはショックを受けました。勇気を出してクリニックに来たのに、治療ができない、、、。

その後、どうしても恥ずかしくて親に言い出すことができず、20歳になるまで待ちました。

それから9年間、私の薄毛コンプレックスに対する向かい方は徐々に変化していきます。

「完全に乗り越えられてはいないけど受け入れられている」という状態

その後、私は22歳で会社を興しました。2012年のまさにスマートフォンが普及する時期でした。

その時大学院を辞め思い切って起業をしたのは、学生時代のインターン経験のおかげで、薄毛は大きく関係ありません。

ただ「もはや普通の人生ではないのだ」という多少大げさな心持ちがあったことは確かです。

このあたりから自分のコンプレックスに対する捉え方が徐々に変わっていきます。

起業後は本当に日々充実していました。

学生起業でわけもわからず会社を立ち上げ、資金を集めたり、アプリがストアでランキングトップになり起業の翌月から100万円単位の営業利益が出たり、アカウントがバンされて売上が吹っ飛んだり、働きすぎて家に救急車が来たり、まぁとにかく色んなことがありました。笑

そんなときに、ふと薄毛を気にしなくなってきている自分に気づきます。

より詳しくいえば、考えるヒマもないほど会社に没頭していた、というのが正しい表現かもしれません。

加えて、やはり活躍している起業家の先輩たちはみんなかっこよかった。それは見た目がどうこうではなく、世の中に対して鋭い仮説を持ち、強い心で実行し、結果を出している。

そういった人たちに震えるほど憧れて嫉妬していました。

そんな生活の中で自分の見た目に対する優先度がドンドン下がっていきました。

ただ、起業直後のお金がなかった時期を除いて、メンバーには内緒で病院にだけは通って薬を飲み続けていました。

「べつにもうどうなってもいいや」とまで完全に振り切れてはいないけど、自分の現状を受け入れている、そんな感覚でした。

コンプレックスが人生を変えるきっかけに

起業後4年間はスマートフォンのアプリを作ってはリリースする、という時代が続きました。

会社としては毎年黒字で、最悪ではないけど、大ヒットもしていない、そんな状態でした。

もちろん僕らとしてはそんな状況に満足できるわけもなく、いつも大きくグロースするサービスを探っては失敗を繰り返していました。

数々の挑戦に失敗し、背水の陣で望んだサービス(フリマアプリでした)をクローズする決断をしたときに、さすがの自分でもあることに気づきます。

「『これはイケる』と思うだけでサービスを開始しても、苦しくなったときに続けることができない。自分の中に強い想いをもった分野で事業をつくらないといけない」

これは自分にとって起業後の最大の学びでした。

そしてまたこれが面白いことに「自分の中で強い想いを持っている分野ってなんだろう?」ってひたすら考えたんですが、すぐに薄毛やコンプレックスには繋がらないんですよね。

あんなに苦しんでいたのに、当たり前すぎて気づかない、というか。

共同創業者とともに右往左往しつつ、気づきを得てから実に1年の月日を経て、いまのビジョンにたどり着きます。

「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」

ようやくビジョンにたどり着いたのは、あるVCの方とお話をしているときでした。

「最近、医療系の会社に投資したんだけど、檜垣くん医療系でなんかないの?」

と質問され考えた結果出てきたのが、薄毛でした。

「そういえば、僕、誰にもゆってないんですけど、ずっと薄毛の病院に通ってるんですよね」

VCの方が「それいいじゃん!」と言ってくださったときに、ようやく自分の中で全てのピースがハマったような感覚がありました。

(そうか、この苦しかった経験をビジョンにすればいいんだ…)

薄毛については、それこそIT業界以上に長い期間取り組んで来ていたので、人一倍いや人の何十倍も知識があります。

それも自分が動いてきた中で得た知識なので、体験をもとに心から話すことができる。

さらには、インターネットで中々良い情報にたどり着かず苦しんだ経験や、クリニックに初めていくときめちゃくちゃ緊張した経験など、ユーザー側の痛みについて誰よりも分かっていました。

そこで自然と生まれてきたビジョンが

「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」

でした。

このビジョンは個人的に凄く気に入っています。

コンプレックスで悩んでいるときって、心から笑顔になることができなくなっちゃうんですよね。

僕も薄毛で悩んでいた大学生時代、みんなと楽しくお酒を飲んでいるときも、ふとコンプレックスを思い出しちゃうことがあって、心から笑顔になることが難しい時期がありました。

そんな人たちを救っていきたい、心の負担を少しでも軽くしてあげたい、そして自分自身もコンプレックスから完全にフリーになりたい、そんな気持ちでビジョンを定め、会社としての第二創業期となりました。

コンプレックスは自分だけの"ストーリー"

コンプレックスを会社のビジョンにしてから早3年。

会社としては初めて億単位の調達をしたり、経営の大先輩に社外取締役になって頂き取締役会を整備したり、取引するクリニック数も100院を越えてきたり、と色々なことがありました。

会社を成長させていく中で、最近僕が大きく感じている世の中の流れがあります。

それは「個人へのパワーシフト」です。

いままで散々、個人へのパワーシフトは叫ばれていたわけですが、今年に入って強烈にそれが加速、一般化していると感じています。

Youtuberやライバー、インフルエンサーのような方々の活躍が大きいのですが、もはや何億も稼ぐ個人の方が何人も出ており、さらに会社を凌駕する勢いでオンラインサロンが伸びて来ています。

そのため今後は、会社に勤めるのではなく、ますます個人として活躍していく人が増えることは不可避でしょう。

そして個人がパワーを得ていく過程で必ず必要になるものが「ストーリー」だと僕は感じています。

キングコングの西野さんも「ディズニーを倒す!」と宣言してからオンラインサロンの人数が増え始めた、とおっしゃっていましたが、個人個人がどういう過程を経てどこを目指していくのか、それを明らかにすることで応援する人が現れ、力を得ていくんだと思っています。

そのときに僕がぜひ訴えて行きたいのは「コンプレックスは自分だけの強烈なストーリーになる」ということです。

僕自身も自分の薄毛から始まっていまの会社をやっているのですが、薄毛に悩んでいたときは、まさかこの経験が将来仕事になるなんて一ミリも思っていませんでした。

コンプレックスをお持ちの方なら、僕と同じように、ふとしたきっかけでコンプレックスが生まれたり、落ち込んだり、克服しようと頑張ったりした経験があるはずです。

そしてそのストーリーは基本的に外に出ていきません。

人に言うのが恥ずかしいからこそコンプレックス。

発信する人が少ないのは当たり前です。

でも同じように悩んでいる人はめちゃくちゃ沢山いるんです。

僕が薄毛の話をしたら同い年の男性は大体食いついてきてくれます。

また仕事でたくさんの女性たちにお会いしてきましたが、本当にモデルさんみたいに綺麗な人でも話をしていくと強烈な外見のコンプレックスを持っている人は凄く多いんです。

コンプレックスで悩んでいるのは自分一人じゃないんです。

僕が薄毛のクリニックに行ったときに、みんな髪の毛がフサフサだったように、他の人から見てもわからないかもしれないけど、同じコンプレックスで悩んでいる人はめちゃくちゃ沢山います。

だからこそ、自分のコンプレックスを発信したら共感され、応援され、感謝されるようになるんです。

コンプレックスが個性になる時代へ

僕はよく、自社のビジョンを反芻しながら「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」とはどういう状態だろうか、と考えます。

コンプレックスで悩んでいる人が、コンプレックスを解消して笑顔になる。

果たして本当にそれだけだろうか?

解消できないコンプレックスは?

そういうものもあるんじゃないだろうか。

見た目のコンプレックスに限らず、学歴のコンプレックスだったり、同性を好きになるコンプレックスだったり、子供ができないコンプレックスだったり、色んなコンプレックスがあると思います。

それらを解決しようと努力してみる、でも、それでもやっぱり変えられない、どうしようもできないものってあると思うんです。

薄毛だって薬で進行を抑えることはできても根本治療にはならない。やっぱり年とともに抜けていくんです。

そうなったときにどうしたら笑顔になれるのか。

それを考えていく中で行き着いたのが、

コンプレックスを受け入れて、個性にする

ということでした。

これからの時代は個性がある人が、より生きやすくなる世界になっていきます。

そんな時代の中で、コンプレックスを受け入れて自分の個性にできたら、そしてそれを発信して人に感謝されたら、その人はどれだけ笑顔になれるだろう。

僕自身そういう生き方をしたい、と強く思っています。

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