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まるで記憶を消すようなカウントダウンで 3/25-3/31|日記

3月25日(月)〜3月31日(日)の日記です。



3月25日(月) 卒業するものがないことへの心寂しさ

卒業シーズンだと実感する。

自ら会社を辞める人もいれば、契約満了という形で退社する人もいる。
この社会には年齢制限がある。プロと名前がつくものは特に。

この季節がくるたびに、自分の仕事が続いていることの尊さと、卒業するものがないことへの心寂しさを感じた。春とは呼べない寒空の下で。


3月26日(火) 勉強もタイパ重視なのだろうか

頭が痛くて目覚める朝。雨。
薬を2錠、目覚めに飲む。

資格試験の受験期間も迫ってきていて、試験範囲の復習をする。
動画教材があるのだが、勉強もタイパ重視なのだろうか、2倍速再生ができる。本当に聞き取れているか怪しいのだが、本でいうとパラパラ読書していく感じに似ている気がする。

少しだけ休憩しようと思い、ベッドで横になるが、目が覚めたら深夜。

明日は、大事な仕事のため無理やり寝ようとする。だが、日をまたいでも眠れなかった。


3月27日(水) どうなってんだよ、東京タワー

空はまだ暗いまま。
全然眠くならないので、寝ることを諦めて朝ごはんを買いにいくことに。

とりあえず、マクドナルドを目指すことにする。
山頂で食べるカップヌードルが一番美味しいのなら、夜明けとともに食べる朝マックも格別に美味しいはずだ。

「あののオールナイトニッポンゼロ」を聞きながら歩く。時計の針が半を超えたところで、「上柳昌彦 あさぼらけ」がはじまる。
「おはようございます」の挨拶からはじまり、昨日と今日に線がひかれた。

それと同時くらいに、マクドナルドに着いた。まだ夜メニューの時間帯だった。学生時代は、ポテトが食べたくて店に行くと「まだ朝マックの時間なのかよ」と思っていたが、その逆の気持ちがあることを知った。

「時期尚早」とは、こういうときのための言葉なのだろう。夜メニューの中でも、手軽に食べれそうな、ハンバーガーを購入する。

帰り道。空が白んできた。
遠くに見える東京タワーに目を向けると、根本の部分から半分あたりまでだけ、点灯している。もしかしたら、0時に消灯してから夜明けまで、段階的に明かりをつけているのかと思って調べたけど、どこにもそんな情報は見当たらなかった。

途中調べていて、「ライトダウン伝説」というものがあることを知った。これは、午前0時に東京タワーのライトアップが消える瞬間を一緒に見つめたカップルは永遠の幸せを手に入れる、というものらしい。
ちなみに、東京タワーのある港区の離婚率は、東京23区で、2位らしい。1位は中央区。どうなってんだよ、東京タワー、と思いながら帰路につく。

夜食なのか朝食なのかわからないハンバーガーは体に悪い気がしてくる。だが、やっぱり美味しくて、気づいたら寝ていた


3月28日(木) 出会うために日記を書いていたのかも

日記に書きたいことが見つけられなくなってきた、という文章を見て、
きっと僕たちは、出会うために日記を書いていたのかもしれない、なんて思っていたりした。


3月29日(金) 忘れちゃいけない、見させてもらっているということ

台風かと思うくらい風が強い。
湿度も高くて空気が肌にまとわりつく。

夜の渋谷。シネクイントへ、映画「14歳の栞」を見にいく。
2021年に公開された作品だが、配信もパッケージにもなる予定はなく、3年経って、ようやく映画館に来れた。

〈SNSを通じた誹謗中傷やネガティブな発言は、おやめいただくようお願い申し上げます〉と、上映のはじめと終わりにテロップがでる。

この映画は、本当に存在している14歳に密着している。そのためのお願いだと思う。忘れちゃいけない、見させてもらっているということを。

帰宅後、睡魔に襲われながらもネタバレを避けるために、目をこすりながら「不適切にもほどがある」の最終回をみる。


3月30日(土) 脱ぎ捨てられたアウターたち

最高気温22℃と、初夏のような気温。

六本木。
収録終わり、駅前を歩いていると、道端にダウンジャケットや、ファー付きのパーカーが脱ぎ捨てられている。解放運動でもあったかのような、脱ぎ捨てられた厚着たちの残骸。
寒さから解放されて、いよいよ春・・・を追い越して、夏のような気温。じんわり汗をかきながら、明日の資格試験のための準備。


3月31日(日) まるで記憶を消すようなカウントダウンで

午前中に、資格試験を終える。

「急に春が来てとまどう」
そんなつぶやきをみて、違う文脈を想像してしまうくらい、まだまだ青い部分があることに気づく。

推しの卒業配信。
今日を最後に、配信業を引退するとのこと。
最後の最後に、推しが「切りたくないな」と配信終了のボタンを押せずにいた。
「一緒にカウントダウンしよっか」と、僕はコメントをする。

推しが、それを見たのかわからないけど「カウントダウンをしよう」と、片手を広げてみせる。指を一本ずつ曲げ、数えはじめる。声を震わせながら、まるで記憶を消すマジシャンのようなカウントダウンで、すべての配信が終わった。



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