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ラン初心者がびわ湖マラソンに挑戦 その4(レース編)

前回の記事はこちら↓




1.スタート状況

いよいよびわ湖マラソン2024がスタート!

とはいっても、競技場入口にいる我々Cグループがいきなり走り出す事は無かった。

競技場内にいるS〜Bグループが全てスタート(0km)地点を抜ける頃に、初めて競技場に脚を踏み入れる事ができるからだ。

スタート前の競技場の状況
大会公式YouTubeより

目の前で4,000人前後の大集団が縦長に駆け抜けていき、Bグループらしき集団に差し掛かる。
速い人もいれば、ゆっくりマイペースな人も。
勿論それぞれ目標タイムは違うのだろう。

タイムを追う以上、今からこの人壁を抜け出さなきゃいけないのか……。

係員の方から「はい、行きますよー」と誘導され、やっと競技場のスタートラインに向かう。

スタートライン手前の芝生に袋の山ができていたので、集団の左側に寄って自分のゴミをまとめたレジ袋をポイッと捨てる。

そして、やっと、やっと、スタートラインを跨いだ。

号砲からここまで約4分
グロスタイム、既に大幅ロス(泣)


2.レースプラン

予め考えていた当日のレースプランとして、平均4:30/km(ネットタイム3時間10分切り)のペースで行けるとこまで行くというアバウトな考えでいた。

真面目にフルマラソンを走るのは初めてだし、だからこそオーバーペースなのか、(あり得無いけど)もっと行けるのかも分からない。

練習でやった30km走や10kmTTのペースや体感で、とりあえずそのようなペースを割出した感じ。

同グループのシロしばさんの目標ペースも私のそれとほぼ一致しており、Xを通して「一緒に行きましょう」と協定を結んでいた。

しかし下調べによると、

「レース開始直後は道路にランナーが渋滞してしまうこともあり、ゆっくりペースになる。
そこでタイムロスが生まれるらしいが、ペースを上げるべく無理に追い抜いていくと逆に疲れ、後半に響く。なので、序盤の渋滞は無理して追い抜かず、流れに身を任せるべし

というネガティブな情報が。

ランナー集団でも後方に当たるCグループ。長い渋滞に引っかかるのは不可避。

しかし、脳筋ゴリラの私は、
「タイムの為、序盤の追い抜きはやむ無し。」と考えていた。

確かシロしばさんも同様の考えがあり、スタート前並んでいる時に一緒に追抜きやりましょうというくだりになった気がする。 たぶん……


3.序盤の市街地戦


スタート直後、競技場の出口がキュッと狭まっていたこともあり、早速大きな渋滞が発生していた。

抜け出した後も、とても追い抜ける隙間はなくジョグペースで人の流れに身を任せる。
手元のGARMINに出た記念すべき1km目のペースは「5:32/km」。

しかし、次第に渋滞が緩和され徐々にペースが上がり、ランナー間の距離も開いてきた。

ここで作戦実行。

一緒に走っていたシロしばさんが十分通れるスペースを見つけては華麗なステップで次々とランナーを抜いていく。

「ステップ、キレてるよ!」と心の中でコールしながらシロしばさんの後ろを着いていく。

途中スペースを遮られてシロしばさんを前方に見失いそうになったが、筋肉サーモンピンクカラーの目立ったキャップを被られていたお陰ですぐに見つけることができた。

シロしばさんがスペースを見失った時は私が別のスペースを見つけて追抜いたり、互いにはぐれないよう目配せしたりしながら市街地エリアを駆け抜けて行った。

市街地エリアの状況(中央に🦍)

途中、前方を走っていたコンドルさんとも合流。自然な流れでシロしばさん、コンドルさん、私のMARKEN3社員が固まって走る。

近江大橋の坂で一旦ペースダウンするも、自分的には快調な4:20/km代のペースで7km地点のイオン草津まで到達。

その頃には身体も十分温まり、ポンチョと百均の手袋、タオルマフラーを外す。

イオン前の交差点をU字形のカーブを描いて左折した途端、いきなり向かい風に襲われた。


「比良おろし」だ…。


4.新たな壁

比良おろし(比良颪、ひらおろし)は、滋賀県の比良山地東麓に吹く局地風。(中略)若狭湾及び丹波高地から琵琶湖に向かって、比良山地南東側の急斜面を駆け降りるように吹く北西の風である。

Wikipedia「比良おろし」より
コース図
青い矢印が比良おろしの風向き

当日、爆風とまではいかないが明らかな比良おろしが吹いていた。

上図の通り、スタート、そして市街地エリアから近江大橋を渡るまでは追い風だが、以降は北西からの向かい風や横風ばかり。

自転車ほどではないが、ランニングでも風の抵抗を体全体で感じる。

私達MARKENのCグループメンバーの中でも、特に軽量級のコンドルさんが風の影響を強く受けている様子。

さらに右脚が張って痛い旨話されていたので、まだ脚に異常を感じてなかった私は風の向きに応じてコンドルさんの前や斜め左前に位置して風除けアシスト。

ちょっとした橋の登坂はクライマーなコンドルさんの後ろについて助けて頂いた。

横風のせいか、集団も散り散りになり脚の合う小集団が多く点在するような形に。


そんな中でも1つでも前の集団に行きたい私は、追い抜いていく人や途中速いペースの人を見つけてはひたすら後ろを着いて集団を渡っていく「快速ランナー乗換作戦」に出る(勝手に乗ってすみません)。

 コンドルさんシロしばさんも一緒に来て、メロン街道へ。もうすぐ20km地点。

序盤の市街地での追抜きや比良おろしのダメージもあったのか、脚に疲労が出てきた。そして右の股関節が痛い。

今思うと、左からの横風を受けながら走り続けたので右脚着地がブレて、そのダメージがボディーブローの様に効いてきたのかもしれない。

もうすぐ折り返しだが、この風の中後半も飛ばすと最後大失速しかねない。

「30kmから折り返しって思った方が気が楽かもですね」みたいな事を言ってコンドルさんと励まし合う。


ちょうど、4:30/km代で走る集団に入る。先頭を引いているのはパートナーの御二方。
向かい風の中、たまに楽しそうにお喋りしながらいいペースで走っている。

前方にもいいペースの集団見えるけど、この集団にいるのが得策かな、と御二方の後ろを走ることに。

しかし、どうもタイムを狙っている訳では無さそうで、風の強さに脚を温存し始めたのか明らかにペースダウンしてきた。

1キロごとに次第にペース表示が落ちてくるGarminウォッチ。
4:37/km…4:39/km…4:40/km…

「このままでは、タイムに大分ロスが出てきてしまうな……。」

この時、約21kmのまさに折り返し地点。


ついさっきの「30kmから折り返しって思った方が楽」という自制の言葉は、既にゴリラの頭から掻き消されていた。

前方に見える集団がジリジリと遠のいていく。
しかし未だ距離は大体100m足らず。単独で行っても芋掘りで終わる程度の距離ではない。


私が飛び出してブリッジしたら…シロしばさんもコンドルさんもきっと反応して着いてくるだろう……(ゴリラ脳)。

後ろのシロしばさん、横のコンドルさんにチラチラとアイサインを送り、私がこれからアクションを起こすことをアピール。


いっちょ、ドラミングかけるか…!
腹をくくった私は、単独でペースを上げ集団を抜け出した。



つづく

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