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なぜあの人は、私のつらさをわからないのか。〜共感を妨げる『エンパシー・ギャップ』とは〜

あなたの上司や、周りの友達に相談した時、薄い反応をされた経験はありますか?あまり反応がないと『なんでわかってくれないの!』とさらに感情的になってしまうことがあります。

ただ、男性よりも女性の方が共感能力が高いと言われていますし、個々人によっても共感能力の差はあります。しかし、あなたがいつも相談する人はどうでしょうか?恐らく相談相手を選ぶ時には、なるべく自分に共感してくれる人を探すのではないでしょうか。そんないつもの相手でも、共感できる時とそうでない時とがあります。


『エンパシー・ギャップ』とは?

結論から言いますと、過去にある辛い経験を乗り越えた人は、現在同じような辛い経験をしている人に対して共感能力が下がります。これをエンパシー・ギャップ(共感の差異)といいます。最近の研究で、子育て経験がある上司とそうでない上司、どちらが育児についての悩みを聞いてくれるかを調べたものがあります。そして、驚くべきことに子育て経験がある上司は、そうでない上司よりも、育児に対して共感を示しにくいということが分かっています。他にも、過去にいじめられた経験がある人は、そうでない人よりいじめられている人に対して反応が薄かったり、失業者の苦しみや、ティーンエイジャーの将来への不安に対しても同じようなことが言えます。では、なぜそんなことが起こるのでしょうか。


第一に、人は通常、過去の苦境がどれほど辛かったかを正確には思い出せない。辛い出来事があったこと自体は覚えているが、それに対して過小評価をする。

第二に、自分はその辛さを乗り越えたので、その経験に対して自信過剰になり克服できるものだと考える。

辛い経験は、必ずしも一人で克服できるとは限らないものです。ですから、誰かに相談して協力を得るのは、最善の策と言えます。ですが、時には、いつも相談している相手が、エンパシーギャップを消えている可能性を考慮しなくてはなりません。その時は落ち着いて別の人に相談しましょう。また、相手に、「今までに辛い経験をしたことはありますか?」と事前に聞いておくと良いでしょう。こういう質問は敬遠されがちですが、実はこういった相手に迫るような質問は、相手との関係を良好にしてくれる効果もあります。ぜひ、聞いてみてください。

以上、ご観覧ありがとうございました


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