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BtoBプロダクトのグローバル対応って結局何をすればいい?

みなさんこんにちは。株式会社リンクアンドモチベーションで
モチベーションクラウドのUI/UXデザインを担当しているmizoです。

今回から数回に分け、3ヶ月でプロダクトの7カ国語対応をしたときの話を書いていこうと思います。これからグローバル展開の対応をする方に少しでもお役に立てたらと思います。

グローバル対応をする範囲

グローバル対応と言っても、まずは何をグローバル対応するのか。BtoB向けのプロダクトであれば、UIテキストはもちろん、WebサイトやLP、営業資料など対応すべき対象が多くあります。日本顧客に提供している価値をそのまま海外顧客へ届けられるでしょうか?同じ価値を提供しようと考えると、例えば、現地の言葉を話せる/書けるカスタマーサクセスの設置、海外の顧客が使い方を学べるヘルプセンターなど一気にハードルが上がるかと思います。そのためプロダクトのフェーズに合わせ、徐々にグローバル対応をする範囲を広げていくのが現実的かと思います。今回はプロダクトのUIテキストや付属資料を3ヶ月で7カ国語対応した時の話をします。

プロダクトに言語が追加されるまでの実際の流れ

自社内で言語を正確に翻訳できる仕組みが整っていることは稀だと思います。そのため、ほとんど場合は翻訳会社に言語の翻訳を依頼するパターンが多いかと思います。弊社も翻訳会社に大変お世話になっております。では実際にはどんな流れで言語の翻訳が行われるのでしょうか。まずは実際に翻訳をしてもらう文言をリスト化することから始まります。具体的にはスプレッドシートやエクセルなどで文言を一覧化します。翻訳の費用は文字数で計算されることがほとんどなので予め、文字数を出しておくと予算の管理ができるかと思います。

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文言のリストができてしまえば、翻訳会社と連携し、具体的な見積もりを計算してもらい実際に翻訳をしてもらいます。手元に翻訳物が届けばプロダクト内に流し込む開発を行います。ここでポイントなのは、実際にプロダクト内に言語を流し込んだ後に、LQA(言語の品質管理・チェック)を実施してくれる翻訳会社を選ぶことです。言語の流し込み作業はミスが必ず起こります。なぜならば、その対応をするデザイナー、エンジニアがそもそもその言語のことを知らないからです。例えばタイ語の対応をすることを考えてみてください。タイ語で「おはよう」は「อรุณสวัสดิ์」と表します。プロダクトの開発中に一行間違えてコピーし「สวัสดีตอนเย็น」で開発してしまったとします。レビュー中に一体このミスに気づくことができる人は社内にいるでしょうか。数単語なら気付けるかもしれませんが、実際には何百、何千単位の単語が翻訳されます。そのため言語の流し込みをした後にLQAを翻訳会社に実施してもらいます。海外顧客に正しく価値を提供するならLQAを実施してくれる翻訳会社を選ぶと安心です。

プロダクトに言語が追加されるまでの流れ

①自社内で翻訳する文言をリスト化する
②文字数をベースに翻訳会社から見積もりをもらう
③翻訳会社が文言リストを翻訳する
④届いた文言リストをプロダクト内で使えるように開発する
⑤実際に言語を流し込んだUI等にLQAを実施してもらう(ポイント)
⑥修正などの対応を行う

プロダクト内で使われている文言を管理していますか?

翻訳の最初の工程で、文言の一覧化がありますが、意外と文言の管理をしていない、あるいはできていない会社さんも多いのではないでしょうか。弊社ではプロダクト内で使われている文言を完璧には管理できていませんでした。シート上の文言と実際のUI上での文言に乖離があったり、いつ誰が何の背景でシート上の文言を変更したのかわからないなど...
特にデザイナーが複数になってきたり、複数のプロジェクトが同時に動いていたりすると、文言レベルでの管理はなかなか困難です(正確に言えばその管理を専門で行う人がいなく、合間で誰かが対応している)。しかし、翻訳を依頼する際には確実に文言の管理・運用がなされていないと余計なコストがかかるのは間違いありません。グローバル対応するこのタイミングで文言の管理も行いましょう。プロダクト内の文言を管理することは翻訳がしやすくなる以外にも、UXライティングの観点でもメリットを発揮します。

BtoBプロダクトのグローバル対応の第一歩

今回はグローバル対応する上で重要な観点と、まず何したらいいのかを簡単に説明しました。いざグローバル対応をすると実は最初の準備(文言の管理など)がかなり重たい作業となります。準備を怠ると、翻訳が進んだタイミングで「依頼する文言がそもそも間違っていた」「依頼抜けが出てきた」など後から無駄なコストが発生することがあります。そのため、まずは以下の3つの準備は確実に行うようにしましょう。

①グローバル対応する範囲を明確にする
②LQAを実施してくれる翻訳会社を探す
③グローバル対応する範囲で扱われている文言を管理する

次回は具体的にどうやってプロダクト内の文言を複数人あるいは複数プロジェクトで管理しているか弊社の事例を交えながらまとめようと思います。ぜひ、気になったことがあったら気軽にTwitterなどにコメントをくださると嬉しいです!

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