冬のたのしみ

背筋をピンと
伸ばした
冬の空気と
すれ違った
橋の上で

背中を丸めて歩く
人々の中にあり
空気だけが
ピンと背筋を伸ばしている

特に夜
冬の空気は
まっすぐに
起立している

まばたく星たちの瞳に
背筋を伸ばし
空を見上げて
語りかける
冬の空気

口を出た
その言葉は
湯気となり
すぐにとけてしまうが
飽きもせず
星星と
語り合う

そんな姿を
冬になるたび
想像して
たのしむ


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