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U10岩内町長杯 南北海道大会



7/15(土)〜7/17(月祝) に
U10岩内町長杯 南北海道大会が行われ、
HKD FC U10/9 teamが出場しました。


大会自体は「第3位」でした。


約2ヶ月間限定のチーム活動ではありましたが、
様々な過程や振り返りを含め、記事を書きます。




チーム始動日は5/23(火)
4年生と3年生のチームでスタートしました。

が、いきなり問題が。


GKがいません…。



4年生の何人かにGKができないか
お願いをしましたが、見事全員に断られました。


そんな中、3年生のある選手が
引き受けてくれることになりました。

彼にも初めは断られましたが、
お父さんに電話をしたり、
翌日にも彼にお願いをして、
なんとか許可をいただきました。

大会まで時間がない中、
勇気ある決断をしてくれた彼とご家族の皆様には
感謝しかありません。

彼のお父さんには
「GKですが大会を通して必ず成長させます」
と約束をし、僕も身が引き締まりました。





そんなバタバタした中でしたが
なんとか札幌予選を迎えることができ、
無事グループリーグを突破、
決勝トーナメントでも勝利し、
南北海道大会の切符を掴むことができました。


クラブ創設3年目で、初のタイトルでした。



GKを引き受けてくれた彼も、
試合を追うごとに上達していき、
運動神経の良さが随所に現れていました。

なんといっても凄かったのは、
札幌地区予選 準決勝でのPKストップ。

弾丸シュートが上に飛んできたのを
スーパーセーブ。

〝3年生の素人GK〟が
できることではありません。

あの時はみんなで喜びました。




南北海道大会出場が決まり、
大会までは約4週間ありました。



練習や練習試合、様々な経験値を獲得しながら
チームとしてものすごいスピードで
成長していったように感じます。




そして迎えた7/15(土) U10 岩内南北海道大会。



初日はあいにくの大雨。





予選リーグは函館ジュニオールFC、
YELL FC、HKDの3チーム。


この中の上位2チームが
決勝トーナメントに進出できる
レギュレーションでした。


初戦の相手は、函館ジュニオールFC




試合は前半のいい時間帯に先制しますが
すぐに追いつかれ1-1でハーフタイムへ。

後半開始早々、
見事な攻撃から勝ち越しゴールを挙げ2-1と
リードを奪います。


このまま時計を進めていましたが、
試合終了間際に同点ゴールを決められ
2-2で試合終了。


試合終了間際「残り10秒」で
追いつかれてしまったのです。

「10秒」なんてボーッとしていても過ぎます。

仕方ないことではありますが、
僕はベンチに戻ってきた選手達を叱りました。


「なんでプレスをやめてんだよ!!
相手はミドルシュートがあるから
ゴール前はプレスに出ろとあれだけ言ってたろ、
最後の最後でやめるなよ!!」


選手達は負けたかのような落ち込みを見せ、
雰囲気は一時〝地獄〟でした。


なぜなら函館ジュニオールFCが
初戦を3-1で勝利し、
HKDに引き分けたことで勝ち点4となり、
予選リーグ突破が決まったからです。


つまり、僕らは最終試合で負ければ予選敗退。


しかも最後の相手YELL FCは、
練習試合で負けていた経験もあり、
強いということは全員認識していました。



しかし、気持ちを切り替えるしかありません。



もう前に進むしかない。攻め続けるしかない。


ミーティングで気持ちを1つにして
試合に挑みました。


前半は一進一退の攻防が続き0-0。

ハーフタイムでは
「何が起きても攻め続ける」ことを
再確認しました。



すると後半、右サイドのカットインから
待望の先制ゴールが決まります。

流れをものにし、追加点で2-0。

勢いに乗りCKのこぼれ球から3-0。

勝利


予選リーグ突破を決めました。



しかも最後の3点目が得失点+1差となり、
なんと1位通過。



まさに〝地獄から天国〟を
ものの数時間で味わうこととなりました。





2日目
いよいよ一発勝負の
決勝トーナメントがスタート。


初戦は同じ札幌代表の篠路FC。



力のあるチームということはわかっていました。

ミーティングでは
相手の特徴をなるべく出させないことを確認し、
あとは自分達の攻撃力を信じて戦いました。


簡単なゲームではありませんでしたが
3-0で勝利することができ、
2回戦進出を決めました。




続く2回戦は、初戦でコンサドーレ室蘭に
PK戦の末勝利してきた、
こちらも札幌代表のNORTE FCでした。



試合は立ち上がりから、
HKDの攻撃力が爆発し前半で3-0。

後半にも4ゴールを奪い、
7-0で勝利することができました。

ここまで試合に出せてあげられていなかった
選手も出場し、ゴールまで決めることができ、
チームとしての一体感が生まれた試合でした。





ついにベスト4まで来ました。


「ここまできたら優勝したい」

その思いが選手達にも芽生えていました。


3日目
準決勝前のミーティング。


「ここまで残っている時点で君たちは特別。
コーチ達は君たちを決勝に連れていきたい。
君たちもコーチ達を決勝に連れて行ってほしい。
失うものは何もない。思いっきりやろう。」
という話をしました。


選手達は今までに見たことがないくらい、
僕を睨みつけていました。


いい目だ。戦うヤツらの目をしていました。


闘争心に溢れた顔で、
僕もその眼差しに鳥肌が立ちました。




準決勝の相手は札幌地区代表、
KE・クラブフィールズ。

昨年優勝経験のある強豪チームでした。



立ち上がりからHKDが攻め込みます。
何度も相手ゴール前まで迫り、
チャンスの数も相手より多く、
集中した前半を戦い抜きました。

このまま続ければ、
いつかゴールがこじ開けられる。

そう信じて後半へ。

引き続き攻め込みましたが、
数回与えた相手のCKのチャンスから
ドンピシャのヘディングを決められ、
先制されてしまいます。

その後もビルドアップのミスを相手に奪われると
強烈なミドルシュートを決められ0-2。


最後までゴールを目指し、
1点を返しましたが無念の試合終了。


あと一歩遅く、あと一歩足りませんでした。



悔しさが溢れ出ましたが、
保護者を含め、たくさんの方々からの
鳴り止まない拍手や励ましの言葉がありました。



決勝には進めませんでしたが、
すぐに3位決定戦がありました。


相手は1日目の予選リーグで対戦し、
これまでも唯一の引き分けを喫した
函館ジュニオールFCでした。


残り10秒で同点にされた相手です。


「最後に決着つけよう」
「3位になって終わろう」


ここまで全試合タフに戦ってきましたが、
最後の最後にもう一度、
力を発揮することが必要でした。




準決勝の涙を拭いて、
気持ちを切り替え3位決定戦へ。



試合は前半開始早々に
あっさりミドルシュートを決められ失点。


しかし、この3日間で様々な壁を乗り越えてきた
このチームからすると、
先制点を取られたくらいで動揺する様子は
全くありませんでした。


前半の給水タイム明けに、
これまで練習を重ねてきた
ショートコーナーから同点ゴール。


その後も攻め手を緩めず、
左サイドを個人技で突破し逆転ゴール。




ハーフタイムには
「とにかく攻めも守りも最後までやり切ろう」
と気を引き締めました。



疲れもある中でしたが、
僕個人的には今大会の中で
1番HKDらしさが出ていたのが
この試合の後半だったと思います。


固い守備に加えて、
ボールを持った時の落ち着き、
プレーのキャンセルや
相手をドリブルで引き付けるプレー、
前線のフィジカル能力を活かす
ダイナミックな攻撃。



全てが最後の12分間に
凝縮されていた気がします。


さらに、その一つ一つのプレー背景には、
今大会の失敗や成功、経験を踏まえた中で
勇気ある決断を選ぼうとする、
深みのあるプレーが連発していました。




試合終了間際になるに連れ、
頭に〝残り10秒の悪夢〟が蘇りました。



「2-1」


あの時と全く同じ状況だからです。



しかし、過去の経験を活かすチャンスが
目の前に転がってきています。


そんなことは選手達が1番わかっていました。


最後の一秒まで勇敢にプレスをかけ続け
体を張ることを〝笛が鳴るまで〟
続けていました。




そして待ち望んだ試合終了のホイッスル。


2-1の逆転勝利。


選手の笑顔、
応援してくれた方々の笑顔が最高でした。




対戦した函館ジュニオールFCの
保護者の方々ともお互い拍手で讃え合うなど、
サッカーの素晴らしい一面にも遭遇しました。



結果的に最後は笑顔で終わることができました。




しかし、優勝を目指しながらも結果は3位。


選手達とスタッフには少なからず
「悔しさ」が心の中に残りました。


ただ、この「悔しさがある状態」は
本当に素晴らしいことです。


この差を埋めるために、人は努力するからです。




では、
チームとしてのサッカーの質はどうだったのか?


僕がいつも勝とうが負けようが
振り返る内容です。


今回はここで多くは書きませんが、
簡単に言うと「そこまで理想的ではなかった」
というのが正直な感想です。


もう少し落ち着いてパスを繋げるシーンもあり、
理想としては他にもやり方はありました。


しかし、選んだやり方に悔いはありません。


負けたら次に試合をすることすらできない状況、
一発勝負のトーナメント、試合時間の短さ、
大雨のピッチ、攻撃陣の特徴など
全てを考慮した中で選んだサッカーだからです。


ただ、もっともっとプレーの質や
プレーの理想を追い求めなければ
ここから勝っていくことが難しくなるのは
間違いありません。



そこは指導者の仕事です。

これからはさらに責任を持って
取り組んでいきます。



今大会は僕も色々なことを感じ、
考えさせられる大会となりました。


同時に選手達と素晴らしい経験を
することができました。




これから先は
「敗戦して流した涙」
「悔しかった気持ち」
「あと一歩届かなかった虚しさ」

を忘れずにいられるかが大切です。



それさえ忘れなければ、
必ず成長していけるでしょう。



とにかく、しつこいようですが
大会を通していい経験ができました。



そして最高に楽しかったです。



たった3日間で
こんなにも喜怒哀楽を共にしながら
成長していけることは滅多にありません。


今後彼らが長い人生を歩んでいく上で、
かけがえのない記憶として残るでしょう。



これこそサッカーというスポーツの
素晴らしさだと感じます。




改めまして約2ヶ月間、サポートいただいた
全ての方々に感謝いたします。



僕自身、
優勝できなかったことに最大の反省をし、
引き続きサッカー指導に努めてまいります。



応援していただいた皆様、
本当にありがとうございました。

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