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風車の上に上がってみた

風車と言えばオランダ、と言うくらいオランダの風車は有名ですが、今も前世紀の風車がヨーロッパのいたるところに存在するようです。もっとも、デンマークでは、今では日本のあちこちにでも見られるようになったあのモダンな大きな白い牙のような歯車を持った風車が主流の様ですが。

北ドイツ、フリースランドの友人宅に滞在していた時のことでした。あのあたりもオランダと同様に土地が低いとかで水を履ける灌漑設備があちこちにありました。

そして、友人の家の近くに風車も一基ありました。ある日、家の近くの風車に観光に行ったことがありました。風車はベランダみたいな出っ張ったところがありますが、そこまで上がることができました。どんな風にして上がったと思います?

風車は知られている通り風の力で粉ひきをしているところなのですが、中には自力(?)で上がるロープ付きの一人乗りリフト、つまりエレベーターがありました。エレベーターと呼ぶにはあまりにも簡単すぎる乗り物…ただの日の箱にひもがつけてあるように思えました。人間一人がやっと立っていられるほどの大きめのリンゴ箱・・・(私にはそう思えた)リンゴ箱を縦にしたようなもの、幅もそれくらいだったと思います。木でできていました。それに一人ずつ乗って誰かが手動で昔から使われていた縄のロープで引っ張り上げられたり、おろされたりしながら動いている様だった。

たった一人しか乗れないリフト…一人で乗るには少々心細く、私にはちょっとした冒険でした。あれに乗るにはもう一人が操縦しなければならないはず…その箱の中には何もが動くようにしボタンなどなかったのです。むろん、ロープも見えませんでした。

リフトで屋根の上に上がると、風車の羽がすぐ目の前にあり、こんなに大きなものなのか、と実感することができました。あの『ドン・キフォーテ』はあれほどの風車に戦いを挑んだのですから、けがをするのは当たり前…と思いました。

スペインはある時、ドン・キホーテを精神額学科員が開かれた時の記念切手に発行しました。『ドン・キホーテ』をその作者の国ではそのような人と思っているのかと思ってしまいました。

風車の屋根の上からははるか向こうの方まで見晴らすこともでき、さすが高い山も何もないところだと感心したものです。オランダではある公園で、国の中でそこが一番低いところだと教えてもらったことがありましたが、海抜たったの100mのところでした。

大体オランダHolland、正式名でthe Netherlands(現地の名前でNerderland)ですが、nether もnederも下の、とか低いという意味です。そんな土地が低い国なのです。
 
その風車は現役の粉ひき場所でした。観光を終えた時には私の黒いコート(11月頃だったと思います)は粉まみれ、わたしの顔もそうだったに違いありません。で,衣服を相当はたかなければなりませんでした。

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