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トルコ語で「お母さん」はアネ、私の夫の名前はアーネ・・・ややこしや!

トルコでの旅行中、何回も夫の名前を呼ぶことがありました。日本語で書くとアーネです。ノルウェー語だとArne, 鷲と言う意味があるそうですが、外国人仲間の間ではErnie,要するにErnest(意味はhonest), アーネスト・ヘミングウェイなどでおなじみの名前です。

ところで、アネはトルコ語で「母」のことなのです。よくどこでも入り込んでいなくなる夫に大きな声でアーネと街中、店の中で叫んでいた私・・・彼らは「ああ、私はお母さんに呼び掛けているんだ」と思われたと思います。しかし、現れたのは男性・・・彼らが何を思ったかは分かりません。

母のことをトルコ語でアネと言うんだ、と習ったのは初めてトルコに旅した49年前のことでした。トルコ語は、たくさんの言葉が日本語に似ているのです。友人のところで友人が彼女のお母さんを呼ぶとお母さんと夫、両方が返事をしていました。また、私が夫を呼ぶと彼女のお母さんもで、ややこしかったです。

友人が彼女のお父さんをよんでいるとき、「あれ?」と思ったことがありました。お父さんのことは「ババ」と言うのです。この言葉がもともとのトルコ語かどうかは知りません。というのは「ババ」というのは、世界でもよく知られている『アリババ』にも使われていて、これはアリお父さんと言う意味なので。「ババ」と言う言葉に関連して「ババシス」と言う言葉もあるのですが、これは「亡き父」と言う意味なのだそうです。

大昔から、古代からずっと使われている言葉はトルコ人にしても日本人にしても、今は遠く離れて住んでいるが昔からの言葉を今もひこずっているということなのでしょう。

トルコ語を聞いた時も何か響きが日本語に似ており、夫も私も大変興味を持ってしまいました。それ以来です、夫がトルコ語を習い始めたのは。

ベチュル(その友人の名前です)がくれた辞書を私は隅から隅まで調べました、どれだけトルコ語と日本語が似ているか、と。

「ヒカエシ」、英語で言うとstory-tellerと言う言葉もありました。これも昔からずっと使われてきた言葉だと思います。昔昔から語られているお話を、その仕事をつかさどるヒカエシが次の世代に口伝えに語り継いでいたということがわかる言葉ではありませんか。

ちょうどコロナ禍前に出かけたトルコ旅行で,初めてこの言葉がどのように使われているか認識して帰ってきました。本を買い求めるとき聞いてみたのです。「私が言っている言葉、ひかえしが分かりますか?」と。妙な質問をする人だと思われたかもしれませんが。お店の人はすぐ日本の表紙を見せてくれました。『~物語』と言う風に解釈できる本がたくさんありました。要するに「~物語」の物語と言うところがヒカエシと書いてあるのです。私たちはそんな本の数冊、トルコのノーベル賞受賞文学者の本を買って帰ってきました。

トルコ人の話の中に、実はトルコ人と日本人は同じルーツを持つ民族、と言うものがあります。紀元前3~4世紀、ユーラシア大陸の大地で大きな勢力を持っていた匈奴と言う騎馬遊牧民がいたのだが、これが東西に分かれて移動し、一方がトルコに、もう一方が日本にやってきたという説があるそうです。そのため日本人とトルコ人はもともと同じ民族で、西に行ったのがトルコ人、東に行ったのが日本人、だから日本人とトルコ人は兄弟と言われることがあるとか。あくまでも一つの説だが、トルコ人も日本人もどちらもアルタイ語族でモンゴロイドと共通点も多く、もしかすると本当に強大だったのかも、などと考えるとますますトルコに対する興味、そして想像は膨れていきそうです。

私は勝手に思っています。フィンランドの地に落ち着いたフン族も含め、この三民族はお風呂が大好きだと。トルコ民族はトルコ風呂、ハムスの文化を作り出し、フン族はサウナの文化を、そして日本人は温泉文化うんぬんだけでなく、毎日風呂なしでは生きていけないような民族です。

もう一つ、トルコ人と日本人が似ているところ・・・。トルコも日本も宗教に関してかなり柔軟なのではないでしょうか。トルコはイスラム諸国にあっても宗教が政治に干渉すべきではないとする考えが強く、教義に対する考え方も柔軟で他の宗教に対しても寛容、都市部や西武などリベラルな地域では無宗教の割合も増加しているとかです。

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