今日はフランス料理のお話です。
そして、このお話はフランス革命のことから始まります。
フランス革命は宮廷の料理人や上級貴族に使えていた一流のシェフたちが職を失うということでもあったのでした。海外に主人とともに逃亡しなかった料理人たちの中には、フランス国内で料理店を出す人もいたのです。

店を開いた場合、今までのようにフランス式サービス（大皿料理）を出していたのでは、とても収益を得ることができませんでした。そこで彼らは注文を取って一人前ずつお皿に料理をもって出すという合理的サービスへと変えました。この小皿に一人前ずつ料理をもってだすコース料理方式はロシア式サービスと呼ばれるそうです。

当時、フランス式サービスがヨーロッパの最高級の料理でした。ノルウェーではフォーマルな席では無論のこと日常でも、今もこの形式がとられています。日常とフォーマルのテーブルの違いはフォーマルな場合はいつもより上等なお皿やラフォークなどが並び、テーブルクロスも質いい麻製で刺繍が施されていたりします。

フランス式サービスとはメイン料理を大皿に盛りつけた円形や長方形のテーブルの中央に置き、そのほかの料理はメイン料理の周辺に配置するもので、テーブルは料理と取り皿でいっぱいになるほどだったそうです。

ロンドンのキューガーデンに行くと貴族が住んでいたというマンションがあり、その一室にはワックスワークのフランス式テーブルががセッティングしてあり、今にも貴族たちの食事が始まるような雰囲気をかもし出しています。私はそこを管理していた女性にReady to eat?と冗談を言ってしまったことがあります。

この楕円形や長方形のテーブルがフランス式料理の席順を生みます。料理をとりやすい席ととりにくい席ができるということになるのですが、最も取りやすい席に主人が座ることになるそうです。主人役は空いたお皿に気を配る役で、あくまで主人の代わりをする役で、貴族が受け持つ大変名誉ある仕事だったそうです。

そんなヨーロッパの最高峰フランス料理は上級貴族しか食べることができなかったのだけど、フランス式サービスを庶民に開放したのが18世紀に起きたフランス革命だったというわけです。そんなところにフランス革命の影響が・・・です。

彼らはずっとフランス式で食事をしてきたのだけど、そこに、フランスの宮廷にロシアの宮廷でコックをしていた料理人が入ったことによってフランス料理は大きな変化を見せたということの様です。

それにしても欧米で食事をすると量が多すぎます。フランス式だと欲しい量だけ取れて無駄がないと思うのですが。妹とヨーロッパを旅した時、時に、レストランで一皿だけ注文して半分こずつ食べたことがあります。親切にレストラン側は二人分のサラダを供してくれました。