Yutaka Iida

1979年生。メディア研究者。立命館大学産業社会学部准教授。編著『メディア技術史―デジ…

Yutaka Iida

1979年生。メディア研究者。立命館大学産業社会学部准教授。編著『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』(北樹出版)、共著『ヤンキー文化論序説』(河出書房新社)『IT時代の震災と核被害』(インプレスジャパン)など。ここでは過去に他の媒体に寄せた文章を公開していきます。

最近の記事

ロマたちを/が語ることの困難 ―映画『僕のスウィング』評(初出:Quake Center ウェブサイト、2003年)

作品概要 失われつつあるロマ文化に対する郷愁を、物語映像のなかに結晶化し続けるトニー・ガトリフの新作は、少年マックスと少女スウィングのひと夏の小さな恋の物語。 ブルジョア家庭に育った白人少年のマックスは、夏休みにストラスブールに住む裕福な祖母の家に預けられる。ギターの名手ミラルドの演奏を耳にして、ジプシー・ギターに心奪われたマックスは、ギターを買いにミラルドや彼の仲間のマヌーシュ(1)が暮らす地区に出かけ、そこに暮らすスウィングと出会う。ミラルドのもとで毎日ギターを習うう

    • 「東日本大震災とソーシャルメディア」(初出:共同通信社「識者評論」2011年3月18日配信)

      未曽有の大地震から約30分、襲ってくる津波から避難しつつ、その状況を簡易ブログのツイッターに書き込んでいた宮城県気仙沼市の男性。「ヤバイです」という投稿を最後に更新が途絶えた。 この男性と面識はない。簡単にいえば「友だちの友だち」だ。過去の投稿を読み返すと、好きな音楽の話題を中心に日常の出来事がつづられており、彼の人柄が分かる。東日本大震災の2日前に三陸沖で発生した地震に関して、津波に対する不安も語っていた。消息を絶って3日後、かろうじて難を逃れたことを報告する書き込みがあ

    ロマたちを/が語ることの困難 ―映画『僕のスウィング』評(初出:Quake Center ウェブサイト、2003年)

    • 「東日本大震災とソーシャルメディア」(初出:共同通信社「識者評論」2011年3月18日配信)