【スポーツビジネス】 スポーツ用品メーカーの戦略 〜ニシノコンサルより〜
AbemaTVで話題のニシノコンサル。3月1日放送の回でスポーツメーカー ミズノが取り上げられていたので、まとめてみました。野球製品を扱うダイアモンドスポーツ事業部の方からの相談です。ぎりぎりなってしまいましたが、今日まで無料視聴できます。面白いので是非。
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(AbemaTV ウェブサイトより抜粋)
国内市場の縮小
「お悩みは野球好き以外の人にミズノを届けたい!!」とのことでした。
国内の野球競技者だけをターゲットにしていては市場が縮小することは目に見えています。ちょうどTwitterで面白いデータが流れてきたので引用させていただきます。
一方で、野球はミズノの中で歴史ある事業として100年以上やってきており、野球事業のリソースを活かして野球競技者以外(一般ユーザー)に製品を売っていきたいとのことでした。
ミズノの強みと裏返しの難しさ
スポーツ用品メーカーとしてのミズノの強みは、
・高品質な素材(革、木材)
・ものづくりの技術、ノウハウ
・認知度の高さ
との整理でした。素材や技術を活かして一般ユーザーの製品を作れても、認知度の高さが逆にネックになると考えられます。例えば「ものはいいけどデザインがダサい」「体育で使う服」といったイメージが浸透してしまっています(もちろん人それぞれではありますが)。たしかに「ミズノがおしゃれな服を作りました!」といっても、普段は着づらいという人が多そうですよね。
野球のユニフォームの素材を使った、動きやすい洗えるスーツが販売されていますが、まだ大きな売り上げにはなっていないようでした。
海外展開の方向性
ミズノとしては「日本国内では競技者を抑えてるから一般ユーザーへ、海外ではこれまでの日本と同様に競技者へ」という方針を持っていましたが、ニシノコンサルからの提案は逆でした。
海外では日本と同じイメージが付いてないからこそ、一般ユーザーにおしゃれなファッションとして売り出せるのではないか、更には海外でおしゃれイメージがつけば日本に逆輸入もできるのではないか(日本人は「海外で流行ってる」に弱い)という発想です。言われてみればそうですよね。
中にいるとどうしても無意識に前提を作ってしまっていることが多くあると思います。「スポーツ用品メーカーだからこうしないと」「歴史があるからこれをやってはいけない」など。このあたりは、実際の社会でも、第三者であるコンサルタントの重要な役割の一つですね。
高校時代のグローブを名刺入れに
後半に出てくる、高校時代に使っていたグローブの革を使って名刺入れを作る、というアイディアは面白かったです。
苦しい練習を一緒に耐えてきたグローブが形を変えて手元に残るのは素敵ですね。仕事で辛いことがあっても、これを見て頑張ろうと思えるかもしれません。思い出があるほど処分はしづらいですし、とはいえ、また使うことはあまりないと思いますので。例えば、就職する時の親からのプレゼントにもいいですよね。
このサービスから生まれる利益に加えて、これがあるからミズノでグローブを買おう、という購入理由での売り上げ増加が期待できます。会社としての好感度も上がりますし、うまいアイディアですね。
ちなみに、高校球児は年間5万人、社会に出ている元高校球児が200万人いるそうで、ミズノのシェアがおよそ40%なので約80万人の潜在的な顧客がいるのこと。実際に事業化されるのが楽しみです。
このように「届け方をデザインして、それを前提にものを作る」というのは、キングコング西野さんが非常に得意としているところですね。今日予約開始の新作絵本も、いきなりAmazonで1位になっています。
印象に残った言葉
本論ではありませんでしたが、VANQUISHの石川社長の発言が印象に残りました。「うちの会社は、おれがアクセル踏んで、周りのみんながブレーキをかける」とのこと。新しい取り組みに上層部がブレーキをかけるような組織が多い中、こういう組織は今のように変化の速い時代には強いですね。周りの人は大変でしょうが、その人や理念が好きで集まって、やりがいを感じながら働けているのでしょう。それにしても石川さんはすごいアイディアマンで、実体験としてたくさんのトライアルをしてきたんだろうな、と感じました。
終わりに
たくさんのヒントが見つかった番組でした。「これを踏まえるとフットサルでは…」など、整理していこうと思います。
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