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出会いには、新たな音楽が秘められている - コライト・キャンプ in 福岡市

ChocoholicYAØが4日間のコライト・キャンプを行ったのは、福岡県福岡市。東京とシンガポールという都心部で制作活動を行う2人。福岡の印象を「都心なのにおだやかな空気を感じる。あたたかな場所」と語った。

制作の拠点は、ビジネスと娯楽が集まる街・天神のレコーディングスタジオ。共に食事をし、買い物をしながら会話を重ねた。喧騒と自然が交差する場所・福岡で2人は何を感じ、どのように曲を作っていったのか。
2人のインタビューと共に、コライト・キャンプ in 福岡市の様子をお届けする。


Chocoholic
コライト・キャンプって、すごく面白いアイデアですよね。こんな取り組みはなかなかないから、トライしてみたいなと思って参加しました。

私は、今は東京を拠点にしていて、東京も大好きな場所なのですが、知らない場所で生活をしながら制作をするのも好きなんです。

環境を変えることで、自分自身も変わっていくし、土地や街の空気感の違いによって、インスパイアされるものも違ってくる。ネットの中にはいろいろな情報があって、写真や動画を見ているとわかった気になるけれど、やっぱり実際に行かないと得られない体感があります。体全体で土地の空気を感じると音楽にも影響を与えてくれるのだと、だんだんわかってきました。

仲のいい友達が東京から各地に移住したこともあって、今年は特に、いろいろな場所に身をおきながら音楽を作る一年になっているんです。今までよりも自分が暮らす場所、自分にとって心地よい場所で暮らすことについて考える時間が増えていますね。

今は、自分にとって心地いい土地を探しながら動いてみる時期かなと思っています。


Chocoholic
NAMYさんとは仲のいい友達であると同時に、Namy&でずっとお世話になっていて、たくさんのプロジェクトを一緒にやってきました。でも「NAMYさんのプロジェクト」に関わったことはなかったんですよね。初めて、NAMYさんのプロジェクトにChocoholicとして参加できるのもすごく嬉しいです。

「こういうのをやりたいんだ」って企画の段階から話を聞いていたコライト・キャンプが実現して、シンガポールからYAØも来てくれて、自分もこうして参加できている。なんか、なんだろうな。嬉しいな。ここでみんなで作り上げた作品が世の中に出るっていうのも、いいですよね。

NAMYさんの音楽でやりたいことをどんどんやっていく姿を尊敬しています。


Chocoholic
YAØは、大好きなアーティストの一人だったので、NAMYさんが「一緒にやってみない?」って繋いでくれて嬉しかった。YAØとはお互いR&Bが好きで、音楽性も近くて、一緒にやってみたいことがあったから参加を決めました。

YAØのスタイルは知っていたし、セッションに慣れていることも知っていたけど、一緒に制作してみたら思っていたよりもスピードが早かった。1日目のお昼過ぎにスタジオに入ったんですけど、17時くらいにはもう形になっていたんですよ。

歌も上手いし、自分のやりたいこともはっきりしていて、素敵なアーティストだなと改めて感じました。


Chocoholic
コライトは、一人で作るときとは違う音楽ができるところに面白さがあると思います。お互いの音楽が化学反応を起こして、より素敵な音楽ができるから楽しいですね。


YAØ
福岡はとても美しい街です。
たくさんのものがある便利な都市なのに、平和でとても静かで、とても美しい。だから自分が作りたい音楽に集中できます。
日本で音楽を作るということを考えると、日本はとても”シティ・ポップ”ですね。東京はビルがたくさんある街で、福岡は海のような街。とても爽やかで素敵な場所です。

私は日本の”シティ・ポップ”が大好きで、日本の文化にいつも刺激を受けてきました。だから今回、Chocoのようなプロデューサーや日本のアーティストと制作をするのを楽しみにやってきました。
ところが、福岡に来てみたら「もっとこの人のことを知りたい!」と思う出会いもたくさんあったんです。ChocoやNAMYさんとの出会いだけでなく、この機会そのものが、僕にとってとても意味のあるものだったと感じています。


YAØ
シンガポールではあまりいろいろなプロデューサーと仕事をしたことがなかったので、Chocoと一緒に制作ができることがとても新鮮な体験です。

Chocoはとてもユニークで刺激的で、優しい人です。一緒に制作をしていて「彼女から批判されるんじゃないか」と心配することは一度もありませんでした。私は安心して自分のアイデアを伝えたり、自分を表現することができました。

また、いつもは1曲書くのに2〜3ヶ月かかるので、5日間で曲を書くことは挑戦でしたが、作曲のスキルを磨く良い機会になったと思います。


YAØ
制作しているときに、福岡のミュージシャンがスタジオに遊びに来て「ギターを弾こうか?ベースも弾けるよ!」と声をかけてくれたんです。その音が入ったことで、新しいアイデアも浮かびました。

音楽は一人で作るのもいいけど、みんなのアイデアが集まればより素敵な音楽になるのが面白いですよね。それがコラボレーションの面白いところです。


YAØ
シンガポール以外で制作をするのも初めてで、新しい感覚を味わいました。体験してみて、私はどこで曲を作るかよりも、一緒に作る人が重要だと感じました。ふだんは一人で曲を作ることが多いので、とても孤独です。いつも頭の中で曲を書いていて、ちょっと大変なんです。アイデアもなかなか浮かばないし。

でも、福岡ではChocoやサポートチームと一緒に曲を作れて、とても楽しかった。英語と日本語で話す人たちが集まっていたけれど、誰がどんな言語を使っていても、音楽は同じなんですよね。
音楽は、世界共通語。シンガポールでも、東京でも、ドバイでも、音楽はみんなが楽しめる。お互いの言葉がわからなくても、音楽で通じるものは同じなんだと思います。

そして、何よりChocoが聴かせてくれた彼女の曲が素晴らしかった!
彼女の曲は、日本ならではの現代的なR&Bに新しいテイストを加えたもので、ユニークな一面が感じられました。とても興味深くて、日本の音楽文化をもっと探ってみたいと思いました。


YAØ
実は、みんなに会う前は「嫌われたらどうしよう」などと考えて緊張していたんです。
でも、話しをしているうちに、みんな自分と同じように生きている人間なんだってわかって、そんな心配は消えました。食べすぎて疲れるところもみんな一緒でしたね(笑)。


YAØ
コライト・キャンプは、オンラインだけで仕事を完結させるのではなく、こんなふうに直接会って一緒に仕事をするのは素敵なことだと感じられる時間でした。仕事に限らずですが、直接会うと、相手を知るきっかけがたくさんあります。一緒に散歩をして、ご飯を食べて、世間話をして。Chocoとも、ドン・キホーテに買い物に行ったり、タピオカドリンクを飲んだり、猫を見つけに行ったりしながら、制作以外の時間をともに過ごしてたくさん話をしました。

生活の中で音楽を共有するという、とても素晴らしい体験ができた4日間でした。


(取材・文)栗原京子コルクラボギルド
(写真撮影)D.(Daisuke Takanashi)

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