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雪。(2024年2月コラム)

 今年は雪が少ないですね。「なんだか雪が少なくて、逆に心配になります」って人もいれば、うちの母みたいに「雪がなくて、本当に楽でうれしい」なんて人もいておもしろいです。

 僕としては、「雪」自体が好きなので、もっともっと降ってほしいって感じで、「雪かき」もあまり苦になりません。「今日の雪はふわふわで軽いな」とか、「少し温度が上がって溶けたから、雪が締まって重くなってきた」など、いつも違う「雪の質感」を感じるのが楽しみです。

 息子は3歳くらいから、「ストライダー(ペダルなしで、脚で漕ぐ子ども用自転車)」にアタッチメントを付けて、スキー場の上から滑っていました。保育園の頃には、週間天気を確認して、気温がぐっと下がってまとまった雪が降って、次の日に晴れるとわかった時には、朝に園に電話をして、「晴れたのでスキーに行ってきます」と伝えてスキーをしていました。

 その「教育」のせいか、今でも夕方のニュースで天気予報が流れると、「お父さん、明日良さそうだね。学校休んでスキーに行こっか」などと言うようになりました。「毎日学校に行く」というのも大事なことだと思いますが、今ぐらいの学習のレベルであれば、一日休んでも「置いていかれる」ってこともないですし、「自然が見せる、1年でも数回しかない美しさを体験すること」って、特に小さい子どもの時には、特に大切なんじゃないのかなと思ったりもします。

 最初の話題になりますが、「雪」って、これからは「とっても貴重なもの」になってくると思います。実際に、数年前にヨーロッパで行われるスノーボードのワールカップに帯同させてもらった時には、どの国のどの会場にも、ゲレンデには雪がありませんでした。ほとんどが「人工降雪機」をがんがんに稼働させて、なんとかコースをセッティングしているという感じでした。

 アメリカのコロラド州には、世界的なスノーリゾートがあるのですが、そこで滑っているアメリカ人と話してみると、「日本のふかふかのパウダーが憧れなんだ」と話しいたのが印象的でした。

 「きれいでふかふかの雪が街にも降り積もって、スキー場にはたんまりとパウダースノーがあること」って、とても「ユニーク」で、「他にはない特別なこと」なんだと思います。外に「何かスペシャルなこと」を探しに行かなくても、「もうすでに、ここ(そして、そこで暮らすあなた)は、とてもユニークな存在なのだ」と気づくこと。それって、とても幸せなことなんだと思います。

 本当に、雪が少なくちゃ困るんだよな。「厄介」がられることも多いんだけど、世界中のどこを探しても、それに出会える場所は、限りなく少なくなってきているんだから。もっともっと降ってくれー。

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