少しのろまなのです

吾輩は「のろま」である。名前は土間さん。

先日1台の車が無駄にスピードを出して吾輩の運転する車を抜いていった。その運転手にはとろく思えたのだろう。後ろにはBabyと書かれたステッカーが貼ってあった。危ない。
そんなにスピードを出すということはよっぽどの急用なのだろう。いやしかし、どんな理由であれよろしくない。一体どんな用事が……

うんこか。

うんこが漏れそうなのか。それならば仕方がない。

いや、仕方がなくない。

何台も抜かしたその爆走車はその後、吾輩が曲がりたかった道を同じように曲がっていたようで、ほんの少し走らせ…赤信号捕にまっていた。

その爆車に追いついた吾輩はさぞかし悪い顔をしていたであろう。
「残念でしたあ。追いついちゃうんだなあ、これが。」
至極悪い顔で。心の中で。

悪い顔をしていたことを書きたいのではないのだ。
きっとたぶんうんこが漏れそうで急いでいた爆車さんは赤信号に捕まり、普通に走っていた吾輩は難なく追いついてしまうのだ。この場合、急いでもあまり大差はつかないだろうから安全運転の方がよいのである。その他でスピードを出したほうがきっといい。と、吾輩は思うのである。

さんざん「のろま」だ「とろい」だと言われている吾輩だが、だからこそ1つを確実にこなそうとしているし、わりと効率厨なこともあり最小限で物事に取り組めていたりもする。職場の「新幹線おばば(仕事が速すぎることから名付けた)」にも引けを取らない仕事ぶりである。

のろまでもなんでも自分のペースでやればいいと思うし、無駄にとばしている人にはわりと後から追いついたりもするのだ。だからきっとほんの少しずつでも進むことが大切なのだろう。きっと。

ただ、世の中には「確実にとばしている人」が存在するのだ。そういう人はたぶん生きているスピードが違うので、スゴイナ…。くらいに思っていれば吾輩みたいなのろまにはちょうどいい…。

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