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ワークショップで組織とオフィスをもっと面白く

 最近、お客様のオフィスを検討する際にワークショップを活用するケースがじわじわ増えてきています。社内でもチームメンバーが増えてきて、お互いの考え方のクセを知るためにワークショップを活用したりもしています。ワークショップって何?と聞かれたり、身の回りでワークショップを活用できると良いなと思う機会が増えてきたので、どんな場面で使えるのか?何のために使うのか?考えていることを共有してみたいと思います。

そもそもワークショップって?

初めて出会ったメンバーが自然とお互いのことを知り合うには時間もかかりますが、一緒にご飯をつくる機会があれば、話をするきっかけを得られます。このような体験や関わり合いの機会の工夫がワークショップと呼ばれます。ものづくりを体験するワークショップ、音楽を創作するのもワークショップ、話し合いの場もワークショップ。体験を通じて何かを学びとって欲しい、話し合いを通じて互いを理解する機会にして欲しい、普段は直接話をする機会のないメンバー同士だが新たなアイデアを生み出したい。ワークショップは、目的に応じてデザインされた共同体験の機会であり、関わり合いを通じて何かを実現しようとするものです。このような関わり合いの工夫は、身近な場面でいろいろと活用できるのではないでしょうか?

例えば、アイデア出しの場面。自然な発言に任せたとしても、その実態として気兼ねなく意見を言い合っても大丈夫な関係がなければ、発言の機会は偏りやすくなります。また、ネガティブな意見は出しにくいですし、役職や立場がアイデアの評価に影響を与えてしまうこともあります。付箋を使えば立場に関係なく意見を出せるように配慮することができますし、投票によってメンバーの共感を得られるアイデアがどれか目星をつけるといった小さな工夫も小さなワークショップといえます。自分の考えを聞いてもらえると、理解してもらえる心地よさが生まれますし、知らなかったことを知る面白さも生まれてきます。

一緒に学ぶ、仲良くなる、一緒につくる、一緒に決めて何かに取り組むなど、色々な場面でワークショップを活用できると思います。一人ひとりの視点を活かして、一緒に何かするなら、一人ひとりの自分なりの参加が大切。それを効果的にするためにワークショップ化できるはず。そういった、人と人の関わりをつくる技術をファシリテーションと呼ぶのでしょう。

オフィスでも身近なワークショップ

ワークショップという呼び方はされていなくとも、実は既に経験しているかもしれません。目的を持って、体験や関わり合いの機会の工夫をしていればワークショップですから!

仕事で関わりが少なくても、カレーづくりを通じて話す機会を生み出す
https://www.wantedly.com/companies/hitokara-co/post_articles/130125

もっと協力しやすく、メンバーそれぞれの価値観を共有するオフサイトミーティング
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メンバー一人一人が持っているニーズや考え方を表明することで、立場を超えてアイデアを生み出すオフィスづくり
https://www.wantedly.com/companies/hitokara-co/post_articles/49348

新旧メンバーの目線を合わせるためのオフィス移転のふりかえり
https://www.wantedly.com/companies/hitokara-co/post_articles/81180

行動指針を共有するために、みんなで壁塗りDIY
https://www.wantedly.com/companies/streetacademy/post_articles/149771

互いを理解し、相談するハードルを下げるための朝から雑談タイム
https://www.wantedly.com/companies/hitokara-co/post_articles/63655

会議や1on1、講演会でも、進行を工夫することで互いを理解しやすくする工夫はできそうです
https://www.wantedly.com/users/55902/post_articles/162570

一緒に何かする機会というのは、組織やオフィスの場面としてたくさんあるので、それぞれで何か工夫ができるかもしれません。毎朝の雑談も、お客様とオフィスをつくるプロジェクトも長い時間をかけたワークショップといえると思いますし、slack上のチャネルの中で展開される良い関係もまたワークショップぽいと感じます。

人知れず使っているかもしれないワークショップの素

とても身近なことなので、普段は意識していないかもしれませんが、ワークショップの素になる部品を知っておくと、どんな工夫をできるか考えやすくなるはずです。ざっくりまとめてご紹介します。

1)問いかけること
 体験や関わり合いの機会を生み出すには、進行役による活動のきっかけとなる問いかけが欠かせません。一緒に取り組もうとしているメンバーが、今、何をしなければならないことを見失ってしまうと、体験や関わり合い自体を生み出せなくなってしまいます。そして、自分はどのように感じるか?自分ならどのように考えるか? 自分は?と考える機会をつくることが、学ぶことや互いを理解すること、立場を越えた様々な視点から検討することのスタートになります。本音を出せる機会が、本質的な議論につながること、今後の取り組みに向けた覚悟につながることも、イメージ沸くのではないでしょうか。

2)分かち合うこと
 自由に発言しても良い場面でも、発言をためらわせてしまうのは、話し手と聞き手の間の信頼関係です。話したことを聞いてくれた。人参を渡したら受け取ってもらえた。そんな、小さな信頼関係を積み重ね、分かち合うことで、一緒に取り組んだり、自由に話すことができるようになります。そして、意見だけでなくそう考えた背景を知ることは、お互いに合意できることを見つける土台として欠かせません。そして分かち合うことが、自分は?と考えるきっかけになるところがワークショップらしいところです。

3)表現を助けること
 自分の考えやアイデアは自由に表現できるようで、実は漠然としていて曖昧だったり、イメージを具体化しにくかったりします。写真を使ってイメージを膨らませる、ペアインタビューをすることで話しながら考える、昔の体験を思い出して考えの糸口を見つける、シールの数で得票数を見えるようにする、話し合いの記録を付箋で残すなど、何か表現を補う工夫も必要かもしれません。体験もふりかえりを通じて言葉にしておけると、後日、体験で得た感覚を思い出しやすくすることができます。

4)広げて絞る
 チームで考えたから良いアイデアが出た。一緒にカレーを作ったら、料理の楽しさの広がりに気づいた。とか、ワークショップでの経験が、自分一人でできることを越えて広がっていたら、それは素晴らしいことだと思います。問いかけること、分かち合うこと、表現を助けることを組み合わせれば、広げて絞るプロセスをつくることができます。まずは一人一人考えてみて、それをシェア、その中から良いなと思うものを選んで、その理由を整理してみる。チームとしての納得が生まれたり、チームだからこその答えを出せる可能性がでてきます。こうしたプロセス(進行)をつくるのが、ワークショップをデザインするということになります。答えをデザインすることはできませんが、答えに至るプロセス(進行)をデザインすること、工夫することはできると思います。

いろいろなワークショップに参加してみると、この4つのワークショップの素が体験の中に埋め込まれているのではないでしょうか? 参加してよかったなと思うワークショップを思い出してみて、その素が何だったかふりかえってみるのも腕を磨く上で良い方法だと思います。例えば、新しいサービスを一緒に考えるなら、見たことのないものを見える形になるように、どんな形で表現を助けることができるか?工夫が凝らされていることでしょう。一方で、関わる機会がなく、思ったことを表明できない会議があれば、それはワークショップの視点から手直しできる可能性があります。

ワークショップのデザイン

メンバーに何かを学んで欲しい。メンバーで何かを生み出したい。進行役として、何か果たしたい目的があれば、それに至る進行をつくる必要があります。どんな状況を目指しているのか? 現状の何が課題なのか? どんな目的でワークショップをやるのか? そのためには、どんな内容のワークショップにするのか? これらが整合するように整理せねばならないことは色々ありますが、進行役として、問いかける、分かち合う、表現を助けるといった工夫をしながら機会をつくることができたなら、それはすでにワークショップになっていると思います。私自身、このnoteを書いてみて意外と身近だなとあらためて思いました。

是非、身構えすぎることなく、オフィスの日常の中の工夫として取り込んでみてはいかがでしょうか?きっと組織とオフィスをもっと面白くしていけると思います!

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