ロストギラティナのアビスシークの重要性について

MTG(マジック・ザ・ギャザリング)が本業ですが、最近は趣味でポケモンカードも嗜んでおり、過去にはこんな記事も書いていました。ミュウVMAXの解説が中心です。

ウッウロボの表裏
https://note.com/yutatakahashi4/n/n996fafec90b4

MTG世界チャンプがポケカCL愛知に参加してみた
https://cardrush.media/pokemon/articles/570

先週にガルシアさん、マシューさんに誘われて、3人チーム戦の第7回カードラッシュCSに参加しました。
ロストギラティナを使用しましたが、今まで気づけなかった発見があったので記して行きます。

■ロストギラティナ

①自分で使用したリスト
【デッキコード】RypX2p-fllqxc-yM2EpU

ネストボール、エネルギーに少し差異はありますが、いわゆるテンプレリストに近い形です。《すごいつりざお》は後半《ミラージュゲート》連打や《ヤミラミ》再利用で必要になりますが、初手付近に引くと手札事故原因になるのが嫌で1枚。しかし2枚のリストの方が一般的です。

②ガルシアさん使用リスト
【デッキコード】n9QNgg-rIgi6Y-LniQgN

一般的なロストギラティナは水エネルギーを採用する事で、《かがやくゲッコウガ》のげっこうしゅりけんを使えるようにしています。げっこうしゅりけんは強い技で、《キュワワー》2体や《ラルトス》2体を倒せたら、そのままゲームに勝てるほどの性能です。

しかし「げっこうしゅりけん」の要求は思ったよりも高く、ロストゾーンを7枚貯めた上で、3枚しか入っていない水エネルギーを手札に1枚+《ミラージュゲート》か、《ミラージュゲート》を2回使う必要があります。

そして相手の視点からだと、《かがやくゲッコウガ》を出されたらげっこうしゅりけんをケアする必要があるので、《マナフィ》をベンチに用意される事が多いです。そうなるとげっこうしゅりけんも狙えなくなります。

げっこうしゅりけんは《マナフィ》でケアされやすく、エネルギーを用意する要求が高い。ならばいっそのこと水エネルギーを0枚にして、《ジェットエネルギー》4枚にする事でデッキの安定性を上げようとしたのが、ガルシアさんのリストです。

《キュワワー》をベンチから出しつつ、逃げるためのエネルギーも確保しているので、実質入れ替え札2枚分の働き。 《キュワワー》をバトル場に出してはなえらびしつつ、《ギラティナV》に《ジェットエネルギー》をつけてアビスシークする事も多く、デッキの安定性を底上げ。

大会後に早速PTCGL(※)で《ジェットエネルギー》4枚、水エネルギー0枚のロストギラティナを20戦ほど回しましたが、安定性がアップしており使いやすく、好みのリストでした。
もし次回ロストギラティナを使うなら《ジェットエネルギー》4枚、水エネルギー0枚で出ます。
(※ポケモンカードのオンライン版。詳しくは調べてね)

このスタジアムだけ異常に強い。

《リザードンex》《アルセウスVSTAR》《ルギアVSTAR》《パオジアンex》《ミュウVmax》などなど、環境的に《頂への雪道》が効くデッキが大多数で、自身は《頂への雪道》のデメリットが少ないのも、ロストギラティナの良い所です。《かがやくゲッコウガ》くらいしか《頂への雪道》の影響を受けません。


■ロストギラティナのアビスシークの重要性について

タイトルの通りですが、これは僕が大会で色んな人の話を聞いて学んだ、ポケカをやり込んでいる方にとっては定石とも言える内容です。

それまで僕は、ロスト軸のデッキにとって後攻1ターン目の最良の行動は《ウッウ》のおとぼけスピットだと思っていました。
ポケモンカードがワザを使って相手のポケモンを倒すゲームである以上、攻撃できるターンには攻撃した方が良いに決まっていると考えていたからです。なので確率を高めるために《ウッウ》が2枚入っていました。

しかしロスト系に対する勝率があまり良くなくて、その原因もわかっていませんでした。
問題を解決すべくロストギラティナが上手い人のプレイを見ていると、後攻1ターン目《ウッウ》ではなく、《ギラティナV》のアビスシークをするのが多い事に気づきます。

ロストギラティナの同系対決で、後攻側が1ターン目にアビスシークした場合、先行側が2ターン目に《ギラティナV》を倒す手段は限られており、ロストを7枚貯めた上で《ギラティナVSTAR》に進化しつつ、ロストインパクトで280ダメージしかありません。
この要求はかなり高く、キュワワー3体ではなえらびを5回以上しながら《アクロマの実験》を撃ちつつ、入れ替え札と《ミラージュゲート》を用意する必要があります。感覚的には30%無いくらいです。

そうなると、バトル場の《ギラティナV》に対して《ウッウ》のおとぼけスピットで110与える選択肢がありますが、ロストギラティナの同系対決において、《ギラティナV》に110ダメージ与える動きは効果が薄いです。
HP220の《ギラティナV》に対しておとぼけスピットで110与えても、《いれかえカート》で回復されてしまうと残り140。この140という数字は、《ウッウ》の110でも《ヤミラミ》の120でも倒せません。

110ダメージを受けた《ギラティナV》が、HP280の《ギラティナVSTAR》に進化した場合でも、残りHPは170。140や170といった残りHPを一発で倒せるのは、結局《ギラティナVSTAR》だけです。
つまり《ギラティナV》への《ウッウ》110ダメージが、ほとんど意味をなさないのです。アビスシークで2枚ロストを増やしながら手札を最適化して、《ヤミラミ》のロストマイン出来るターンが早くなるので、後半になるほどゲームを有利に進めやすいのです。

アビスシークのように、最適な手札を準備する事で後の3ターン目、4ターン目で大きく有利を取るという考え方は、各デッキごとの理解度が高くないと選びにくいです。デッキの理解度が上がった今なら《ウッウ》は2回使う事が少ないと理解したので1枚、《ギラティナV》はスタートしたいポケモンだし3体並べる事もあるので4枚にすると思います。

ポケモンカードはワザを使って相手のポケモンを倒すゲームですが、1ターン目に攻撃できなければ絶対にダメというわけではなく、その後のターンの動きを見据えて動きましょうというお話でした。

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