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映画「オッペンハイマー」を見てきた。原爆の父の物語。

映画「オッペンハイマー」を見てきました。
オッペンハイマーの自伝的物語です。オッペンハイマーは原爆の父と言われる人です。原爆を扱っているのに関わらず、広島、長崎の爆破の場面はありません。オッペンハイマーの自伝ですし、当時はまだテレビなどはそれほど普及してなかったことを考えると、オッペンハイマー視点の物語で「映像として広島、長崎を映すのは難しいな」と思います。直接表現ではないですし、被曝の知識がある前提ですが、オッペンハイマーが見る幻想から原爆の恐ろしさは察せられます。セリフだけではありますが、広島、長崎に原爆を落としたことも言及されていますし、被害(死者数。後遺症での死者数も)について言及されています。いくらでも日本に落とすことを止められる場面もあり、原爆を落としてからのアメリカ人の喜びようには日本人としては腹が立たないではないですが、原爆について考えさせる作品としては良い作品だと思います。

物語の語りかたは複雑です。オッペンハイマーが裁かれているような部屋の場面、オッペンハイマーはいないが、オッペンハイマーについて語る人々が映る公聴会?的な場面、オッペンハイマーの回想(自伝をおそらく時系列で)、ほぼオッペンハイマーの視点のその近くにいる人たちで語られるのだが、ルイス・ストローズという人の視点がごくたまに混ざります。
この複雑さ、どこに向かっていくのかわからない物語が物語序盤に退屈さを感じてしまいました。オッペンハイマーの人となりがわかってくると、面白くはなってきます。
オッペンハイマーは特に兵器を作ることに強い葛藤は感じてはいないように見受けられました。若い頃の苦悩、恋愛や、労働組合?的なもの。作ろうとしたりする教授時代、そして原爆に作成に関わってくるパート。原爆に関わってくるところからは、自分の興味もあったからでしょうか面白くは感じてきました。科学者が「原爆」に対してどう思っているのか、オッペンハイマーが指揮をして原爆作成のチームを作っていくのですが、サクセスストーリーのようで面白かったです。
物語は進み。原爆は落とされます。科学者たちは原爆投下に反対する人も多かったようですが、オッペンハイマーはそれに与しなかったです。
私の中では、この部分をもってしてでこの映画は終わったように感じてしまったのですが(自分の興味が「原爆」が落とされた後、科学者たちがどう思ったかなので)、物語はまだ、オッペンハイマーの物語は続きます。直接、言葉なのでオッペンハイマーから後悔のようなものはきこえてきません。ただ、彼が見る幻想は後悔の念は感じられます。

構成は複雑で、登場人物が多く正直言って物語を理解したかというと、わかりません。いつもは物語のあらすじを書くのですが、うまくまとめられなかったので書きませんでした。
オッペンハイマーの視点で描かれ、オッペンハイマーが戦後共産党に与したと疑われ、その疑いがはれるまで描かれます。その中で、オッペンハイマーのそれまでの人生が描かれ、オッペンハイマーに対してそれぞれの人がどう思うか(白黒の場面)を描いています。
わからないながらも、物理の話の場面は面白かったです。それが、原爆がどのように生まれたかの興味が面白く感じさせたのでしょう。

テーマは「オッペンハイマー事件(機密情報許可剥奪に関する公聴会)」であり、原爆はそのテーマの事件に対する一つの出来事のようですね。原爆の父として英雄視された人物が、共産党側についたことを疑われる(「赤狩り」の時代かな)。どんな英雄でも、国の都合が悪ければ、もしくは誰ががそういうふうな方向性に持っていこうとすれば、簡単に立場が変わる可能性がある。こういう人間の立場の簡単な変化がテーマなんだと思います。オッペンハイマーのいう人物を描くと選んだ以上、原爆もテーマの一つとはいえますが、原爆はサブテーマとでもいうのでしょうか、そういう位置付けだと思います。ここら辺を歴史の知識として知らないと、見て十全に楽しむのは難しい。

登場人物が多く、長く、話もわかりずらいです。オッペンハイマーは魅力的に描かれており、面白く見られました。事前知識をつけて、もう一度見たいと思います。

この動画見たら「こういう映画なのね」と思った。


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